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折り鶴の頭

特別の面会日に、お姉ちゃんと弟くんがノートの切れ端で折り紙を折って置いていった。

折り鶴を、頭を折らずに仕上げたお姉ちゃん。
国語の教科書の、重松清か誰かの小説に、
「折り鶴の頭折っちゃうと、容態が下がるから、千羽鶴の頭は、しっぽと同じようにピン!と立てておく」というくだりがあったのだそう。

お姉ちゃんも弟くんも、通知表にあひるさんやたぬきさんが並ぶ子たちだけれど、税金で将来ある子供たちに教科書が提供されている目的にかなって、ちゃんと何かを受け取っている。偉いと思う。

もう三日も、子どもさんたちだけでお留守番している。ゴミ出し、掃除機かけ、炊飯は弟くんの係。料理その他はお姉ちゃんの係。

生きる力が伸びてくれれば、それで上等、だと思う。

「最大値の2割」ぐらいで構わないから、ご機嫌でいたい。いろいろあって、いろいろ重なって、とてもご機嫌でいられない時の「逃げ場」であってほしい。そういう書き物を書けたら幸せです。ありがとう!