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過去のトラウマを打ち消してくれた魅惑の「粗びき肉のすき焼き風TKG」

以前の私にとって、「卵かけごはん」は「生卵をかけたごはん」以外の何物でもなかった。
しかし「TKG」と呼ばれるようになり、様々なレシピが世に出回るようになり、私のイメージは変わった。
今では大好物となり、定期的に豪快にかきこみたくなる「うちの卵かけごはん」を紹介しよう。


「ロッキー」に憧れた少年のトラウマ

※写真はイメージです。

幼少期、映画「ロッキー」に憧れた私は、親のいない時間を狙って5個の生卵をジョッキに割り入れて飲んだことがある。
そのままじゃ飲みづらそうだから、溶いてしまったのがそもそもの失敗。あの日以来、「生卵」がトラウマになってしまったのだ。

『日本たまごかけごはん研究所』によると、日本人が「卵かけごはん」を食べ始めたのは明治時代からだそうだ。
日本で初めてたまごかけごはんを食べた人は、日本初の従軍記者・実業家・教育家として活動していた岸田吟香。朝食の定番として、周囲にも勧めていたらしい。

私の実家でも、両親はじめ兄も好んで「卵かけごはん」を食べていた。もちろん朝食に。
当然、生卵にトラウマのある私は、「生卵をかけたごはん」になんて興味を示すはずもない。
「何故、美味しいごはんに、生卵なんてかけるのだろう?」
私にとっては、不思議でしかない行為だった。

人生初の「TKG」

「卵かけごはん」から「TKG」へ

月日は流れて2007年。当時の私は一人暮らしの社会人2年目。
夜は飲みに行くことが多かったので、朝食だけは家でしっかり食べようと決めていた。
とはいえ、朝からしっかり料理する時間は作れない。というか、そんなに早く起きられない。すぐ簡単に作れて、満足度が高く、お腹いっぱいになる朝食メニューを考案する必要があった。

そんなとき、私は「TKG」に出会った。「卵かけごはん」は、いつからか「TKG」と呼ばれるようになっていたのだ。
「TKG」は、私の知っている「卵をかけたごはん」ではなかった。生卵以外にいくつもの食材が盛られていて、まるで私の大好きな丼料理と化していたのだ。
それは私の中で、「卵かけごはん」のイメージが覆された瞬間だった。「卵かけごはん」には、卵以外もかけていいのだと。

人生初の「TKG」

※画像はイメージです。

私の初「TKG」体験は、「すき焼き丼風TKG」だった。
当時、生卵が美味しいと思える唯一の食べ方が、すき焼きを溶いた生卵につけて食べること。ならば、炊き立てご飯の上にすき焼きを再現したような「TKG」なら間違いなく美味しいだろうと考えた。
「すき焼き丼風TKG」が美味しいかどうか。その答えは火を見るより明らかだった。
でも、朝食として食べるには手間がかかりすぎる。そこでその味を再現しつつ、手軽でリーズナブルな「TKG」を考えることにした。

うちの卵かけごはん「粗びき肉のすき焼き風TKG」

前置きが長くなってしまったが、ここからやっと本題に入る。
うちの卵かけごはん「粗びき肉のすき焼き風TKG」について紹介しよう。
相性が抜群な「すき焼き+生卵」の組み合わせを、手軽にひき肉で再現したわけだ。

「粗びき肉のすき焼き風TKG」材料

用意するのは以下の材料。
・炊き立てのごはん(もしくは熱々に温めたごはん)
・粗びき肉(牛もしくは合い挽き)
・生卵
・醤油
・みりん
・酒
・ニンニク(チューブでも可)
・ショウガ(チューブでも可)
・牛脂
・バター(お好みで)
長ネギや白滝、キノコ類を入れても美味しいので、是非お試しいただきたい。

熱したフライパンで具材を炒める

先ずは熱したフライパンで牛脂を溶かし、ニンニク、ショウガとともに粗びき肉を炒める。
サラダ油ではなく牛脂を使うことで、コクや旨味が一気に増す。スーパーで手軽に入手することができるので、ぜひともご用意いただきたい。
醤油とみりんと酒の割合は1:1:1。ザラメがあればコクが増し、よりすき焼きの味に近づく。
個人的には、少し濃いと感じるぐらいが丁度良い。

卵ポケットを忘れずに!

具材を炒めたら、熱々のごはんの上に盛り付けよう。
細かいことは気にしない。ごはんの上に乗っていればよいのだから。
このとき、ごはんの上にバターを乗せておくのもオススメ。
粗びき肉を盛り付けたら、生卵が落ちないように頂点に溝(卵ポケット)を作っておくことを忘れないようにしよう。

生卵を割り入れて完成!

ここまできたら、もう完成は目の前。生卵を卵ポケットへと割り入れたら完成だ。
白身を取り除き卵黄だけ乗せるといった一手間を加える必要はない。生卵のすべてを受け止めるポテンシャルがこの一杯にはあるからだ。

欲望のままにかきこめ!

さぁ、あとは欲望の赴くままに「粗びき肉のすき焼き風TKG」をかきこむだけだ。
粗びき肉の肉々しさと、口の中に溢れだす肉の旨みを存分に味わえばいい。
割り下をまとった粗びき肉は、さながらステージのセンターを務めるチームの花形。
その旨みを一身に受け止めるごはんは、チームを支える縁の下の力持ち。
そして食べ進めるうちに気が付くだろう。それらをひとつにまとめている生卵のリーダーシップに。
うちの卵かけごはん。
それは過去のトラウマさえも打ち消してくれた「粗びき肉のすき焼き風TKG」に他ならない。

#うちの卵かけごはん

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