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初回商談で2回目のアポを頂く為の6つのステップ

今日は初めて営業の事について書いてみます。

新卒からずーーっとBtoBので領域で営業をしており、気づけばもう20年以上も経ちました。
もう立派なおじさん営業マンですが、営業のトップセールスとまでは言い難く、良い時期もあればそうでない時期もありました。
良い時期は社長賞みたいなものを何度か頂きましたが、その時はまだまだオールドスタイル。
活動量(訪問件数)がものをいう時代で、大した手段も無く兎に角お客様の所に通い、雰囲気や人柄、爽やかさ(自分で言うな)だけでお仕事を任せて頂いていました。

ただ、そんなスタイルでいつまでも成果が残せるわけでもなく、ソリューション型営業とかインサイト営業とか色々営業スタイルが出てくると一気に時代遅れに。どうすれば良いかわからないまま、幾つかの企業を渡り歩きながらコロナ禍に突入すると、営業スタイルはマイナーチェンジどころか完全にモデルチェンジが必要になりました。

以前は1度面識さえ持てれば、次は「近所まで来たので・・」なんて言いながら資料渡したり出来ていましたが、そもそも移動する事が不要になったテレワークでの営業では近所に行く事が無い。

初回商談でご挨拶して、「次回はまた近いうちに」なんてやってたら、近くに行く事も無く2回目のアポイントを取るチャンスが無くなり、あっという間にお客様に忘れられてしまいます。

では、どうすれば良いか?

それは初回商談で必ず2回目のアポイントを頂く事、これがとても重要になると思っています。

少なくとも直ぐに2回目のアポイントを頂けなかったとしても、他の競合の営業よりも頼りになるという印象を残し、次回は大体いつ頃に商談を再開するのか、ぐらいまでを合意する。最低これぐらいまで必要だと思います。

もしかしたら、これぐらい普通の営業の方には当たり前の事かもしれません。私も若いころの受けた営業研修で「必ず商談の最後に次のアポイントを取りなさい」と教わっていました。

でも、正直あまり意識してなかったし、いざ取ろうと思っても難しくありませんか?

初回商談の印象で全てが決まる

初回商談で課題を聞く、なんていってもまだ人間関係が十分に出来ていない初対面の営業にそう簡単に心を開いてくれない。

もう何か購買しようと思ってるお客様ならそんなに難しく無いけど、ちょっと興味があるぐらいのお客様だと、初回の説明聞いて「参考にする」「検討する」で終わってしまう。

「良い商談したなあ」と手応えあっても、その後連絡したら一切返信無しなんてことも当たり前。

ホント2回目のアポを取れる事に苦労しました(してます。)

では、どうすれば2回目のアポイントが取れるのか?

私の結論としては、初回の面談で
・「なんかこの営業は頼りになりそうだなー」という信頼感
・「この営業、良くわかってるなー(お客様の事とサービスの領域の両方)」という安心感

この2つを得る事が大事だと考えました。

この結論は私の感覚でなく、実際お客様から伺った事です。最近新しくお仕事を頂いたお客様へ、「なぜ弊社のサービスを選んだか?」を聞いたところ、サービス内容はもちろん、上記のような営業への良い印象が仕事を任せる要因、として共通認識を持ってらっしゃいました。

言ってしまえば初回商談でこの信頼感と安心感を持って貰う事が成約に繋がる。初回商談はそれだけ重要だという事です。

ここ数年その重要な初回商談への臨み方を試行錯誤し、やっと自分のなりの形が見えてきました。それを同世代のおじさん営業マン仲間にシェアしたら、まあまあ高評価だったので、6つのステップにまとめて文字に残しておこうと思い筆を執った次第です。

前置きが長くなりましたが、本題の「初回商談で2回目のアポを頂く為の6つのステップ」に進めて行きたいと思います。

※一応この話は以下が大前提です。
・2回目のアポに進みたいと思ってるお客様のとの商談である事
・営業として自社のサービスやその領域は熟知している事

※また、所々出ている事例は私自身の立場である人材開発(研修)の営業だと想定してください。

①商談の進め方の合意を取る

まず簡単な挨拶が終わったら、商談の進め方の合意を取ります。初対面の中、今日はどんなミーティングになるの?とお客様を不安のままにさせてしまうよりも、内容や進め方を理解し納得した状態で進めた方がミーティングの雰囲気も柔らかくなります。


大抵私は「今日は1時間お時間をもらっていますが予定に変更は無いですか?」とまず時間配分の確認をします。
人によっては次のミーティングの準備があるので、「15分前には終えたいです」など、終えたい時間を確認できます。お客様側からも安心してもらえるし、こちらも自分が話過ぎて時間が無くなって、お客様の事をお伺いする時間が無くなるといった時間配分ミスも回避できます。

次にスライドでアジェンダを共有します。「最初に私共の事はご存じ無いと思いますので、簡単に会社紹介をさせて下さい。そのあとサービスの説明に入る前に、簡単に御社の現状をちょっとお伺いさせて下さい。」など簡単に説明します。その中で「御社の事もお伺いさせて下さい」と最初にお断りを入れておく事でお話を伺いやすくなります。


お客様によっては「途中で呼び出しが掛かって時間が無くなるかもしれないから、先に困ってる事を伝えさせてますね」と言ってくれて大事なポイントだけ話せたこともあります。

この最初の細かな配慮が場に安心感をもたらし、「課題が聞けなかった」「時間が足らなかった」といった商談の運び方の失敗リスクも軽減できます。

②自己紹介/会社紹介を疎かにしない。

お客様に信頼して頂くためには自分を知ってもらう事。その為には自己開示=自己紹介をしっかり行う事が必要だと考えています。

「御社を担当する○○です、よろしくお願いします。」で終わるのではなく、
・自分のキャリアのバックグラウンド
・なぜこの仕事に就いているのか?
・なぜこの会社にいるのか?

までしっかりと話します。
どんな営業かわからないままよりも、人となりがわかった方がお客様も安心するはずです。

私の場合は・・・

・20年以上、複数の会社で法人営業を担当しており、キャリアの1/3ぐらいは人材開発に関わるサービスの営業をしています。

・この仕事に就いたきっかけはGEという会社に在籍した時、自分自身が沢山の有益な研修を受け、いろいろな学びや気づきが成長に繋がった経験がありました。いつかは同じ経験を多くの方に味わってもらい、人材の成長に貢献したいと思い提供する側に回りました。

・前職では問題解決のフレームワークを中心に研修を提供し、時に講師もしていました。とても良いプログラムだったのですが、研修で学んだことを実践する人が少なく悩んでいた所、人が行動変容するにはマインドセットの変化が重要だと気づきました。そこで、マインドセットに関するプログラムを豊富に提供できる今の会社に転職し、研修によって行動変容が出来るよう支援しています。

といった感じで話しています。
ポイントとしては、
・扱ってる商材に対する想い
・お客様が課題感を持っている領域にに詳しそうだな、と思って貰えそう。
・在籍している会社への信頼度

のあたりでしょうか。
少し長く感じる人もいるかもしれませんが、信頼してもらうためには自分が何者なのか、しっかり説明する必要があると思います。
ここで話した内容に、お客様が関心を示してくれたり、共通項として認識してもらい、後で話が盛り上がることがあります。

会社紹介も同じで「任せて安心」と思って貰えるようにしっかりと説明します。誰もが知っている会社なら説明不要かもしれませんが、知名度が無い会社であればなおさら重要です。
安心してもらうためには、実績を述べる事が1番簡単ですが、どの会社もシェアとか売上的なものを色々な切り口で良く見せて来るので、それだと印象に残りにくいですよね。

実績ももちろん重要ですが、より大事なのが、「なぜその実績を残すことが出来たか?」を説明する事。その為には会社のVisionやミッション、創業者の思いなど、このサービスを提供して何を実現したいのか?など、実績を残した背景もお伝えする。この背景や想い、これを実績とセットで話すことで、お客様の信頼感はぐっと変わってきます。

以前在籍していた会社では、社長から創業時の想いを丁寧に説明してもらい、それを会社紹介として話す練習を何度もしました。自分が創業社長のような思いで話すことが出来るまで、何度も練習しました。
その想いに共感してくれたお客様が、サービスを見ないうちに契約すると言ってくれた事もありました。それぐらい会社の想いを伝える事は大事です。

ただ、このパートはお客様は早く本題に入りたいと思い、退屈に思わせてしまうと逆効果になります。

私もまだまだ未熟ですがこの辺りはストーリーテリングを心掛け、ストーリーを何度も練り直しています。

③お客様のこともちゃんと知る(聞く)


商談を前向きに進める為には、相手のお客様の事もある程度知っておく必要があるでしょう。理解するのは無理でも少しでも知っておくことで、商談の展開の仕方も変わります。

そこで相手に自己紹介してくださいなんて言ってしまうと、ハードルを上げて話しにくくなるので、私はいつも使う言葉は「○○さん、この会社で人事歴はもう長いんですか?」です。この一言で十分ですし、天気の話で始めるようなアイスブレイクより全然良いです。
この問いを投げる事で、

・入社一筋ずっと人事
・ジョブローテで人事へ回されたばかり(本当は人事に居たくない)
・移動希望出して人事に来た
・人事のプロフェッショナルとして転職をして来た


などなど、その方のキャリアの全貌がわかります。そこから会話を膨らませる事も簡単になります。
失礼な言い方になるかもしれませんが、お客様の専門性の高さも(レベル感)把握できるので、その後の商談の言葉選びの参考情報にもなります。


こちらが既に自己開示してる事によって、お客様も「少しは自分の事お話した方が良いかな」ぐらいのモードになって頂いてると思います。人によっては「じゃあ次は私が自己紹介しますね」と言って下さる事もあります。いきなり聞くよりはまず「自分から話す」という順番も大事だと思います。

ここまでで、お互いを少しでも理解しあい、一体感みたな空気を出せたらベストです。お客様が最初に少し口を開いて頂く事で、その後も発言しやすい環境になればと思っています。

④課題を話してもらう


まあ、これは当たり前ですよね。課題を聞かなきゃ始まらない。
でも、アウトバウンドで取ったアポイントの場合だとお客様も「まあまずプレゼンしてみてよ。」みたいな空気感出してる人いませんか?それに負けて商品説明を始めてしまったらもう負けです。

どうにかして課題を聞きたいけど、いきなり「課題は何ですか?」なんて聞き方をしてたら、お客様も困ってしまう。気を遣って商品に近いような課題で話を合わせてくれる事もあるけど、それじゃあ商談に繋がらない。

私の場合は「課題を聞く」というよりも、「課題を話してもらう」という意識を持っています。

じゃあどうするかというと、まず①でも書いた通り「貴社の現状お伺い」とアジェンダに入れてしまいます。これに合意して頂くだけで「まあまずプレゼンしてみてよ」みたいな空気は回避できます。

そして話して貰うために大事なのは信頼を得る事と聞き方です。まず①~③のフェーズでこの営業になら話しても良いなと思われるている事、そしてここではお客様の事を良く調べ「ちゃんとお客様の事を理解してますよ」と示す事も必要です。

そこで大切なことは仮説を立てて課題をお伺いするという事です。当たり前のことを偉そうに言ってますが・・・

私がやってる事は、企業ホームページで中期経営計画の資料を見たり、有価証券報告書の「経営環境、および対処すべき課題等」をチェックしてそこから、困ってる事を想定します。
上場企業では無く、中期経営計画や有価証券報告書が無い場合は、競合で上場してる会社の資料を確認して課題を想定します。

後は同業のお客様での課題なども用意します。同業の情報はお客様の関心が高い事ですし、同業に詳しい事もお客様への信頼にも繋がります。

こうやって準備した想定課題の4~5ぐらいをパワポ1枚に視覚化させます。
そのスライド見せながら「中期経営計画の資料を拝見したんですが、(資料を指して)この①や②あたりが優先順位の高い課題だと考えてきたんですがいかがでしょうか?」
といったように問いかける事で、「いやーそうなんですよ。」「いやそれよりも③の○○が」といったように反応しやすくなります。

商談のテーマがある程度決まっていればここまでやる必要は無いかもしれませんが、いろいろな可能性があるときにはこのように網羅的に把握することも必要だと思います。

そして、ここでは一つの課題を深く掘り下げるよりは優先順位を把握することに重点を置きます。
ここで複数の課題と優先順位を知っておくことで、解決策の提案時にも、一つの解決策が複数の課題を解決出来る事を訴求することで競合より優位に立てる事もあります。
また、一つ目の課題について商談が上手く行かなかった時も、他の課題について商談を始める事も出来ます。

事前に調べて4,5個想定課題を上げれば大きく外すことは無いですし、仮に外れたとしても「よく調べて来てくれたね」という印象は持たれ、お客様からの信頼には繋がるはずです。

あと、この課題を聞くところは臨機応変さも必要です。お客様があくまでもサービスについての情報が欲しくて商談に臨んでいるわけで、質問さることを好ましく思わない人もいます。
その為の①~③の手順だったりするのですが、ここでは根掘り葉掘りお伺いしすぎて空気が悪くならないうちに次の説明フェーズに行く事をお勧めします。

⑤説明には余白を作る

ある程度の課題を話して頂けたら、サービスや事例の説明に入ります。お客様が一番期待している場面なので、期待に添うように伺った課題に当てはめながら、わかりやすく、思いを込めて、説明することは言わずもが無ですが、ポイントは「もっと聞きたい」と思って貰える事です。

その為に、今までのステップにあった丁寧なコミュニケーションや、専門性高く説明する事から得られる信頼感が重要ですが、もう一つ気にすべき点は「余白を残す」事だと思います。要は「もっと聞きたい」と思って頂けるトピックを残しておく事です。

私の場合は大体どちらかのパターンにしています。
1回目:サービス概要説明 → サービス詳細説明 → 2回目:事例紹介
1回目:事例紹介 → サービス概要 → 2回目:サービス詳細説明

感覚としては戦略的に2回目のアポの為にネタを取っておくような感じです。まあ大抵時間が無くなり、「じゃあそのお話は次の機会に」となることが殆どですが。

もちろん、それまでの話が面白くなかったり、役に立たなそうという事であれば「もっと聞きたい」にはならないので、やっぱり1番大事なのは”期待に添うように課題に当てはめながら、わかりやすく、思いを込めて、説明する”事になりますね。

その為には、当然自社のサービスやそれに関係する知識の習得は必須。そしてそれを淀みなく説明するための練習も必要です。

このあたりの事は大前提として、2回目のアポの為に戦略的に商談を組み立てるマインドも大事だなと思い、こんなステップを入れました。

⑥その場で2回目のアポイントを取る

何当たり前の事言ってんの?って感じかもしれませんが、とても大事なのであえて書きました。

言葉が悪いですが、今までお客様に何度も何度も裏切られてきました。商談の最後に「いやー、とても良いサービスですね。ちょっと一旦社内で検討してまたご連絡しますね!」というような事を言われたのに、その後こちらからメールを送っても一切返事を頂けない、という事が何度も何度も何度もありました。

あ、裏切られたはやっぱり失礼ですね。訂正します、自分の力不足です。

ただ、裏切られた思うぐらい手応えの良い商談が出来たのに、その後一切音沙汰なしになってしまうことが何度もあります。(これも勝手に手ごたえを感じていただけですね。)だから、やっぱりその場で出来る限り2回目のアポイントを取ることが必要だと痛感しています。

私の場合、初回商談の残り10分ぐらい前になったら、次のアポイントの事へ頭が向いてしまいます。

「もしよろしければ、次回御社同業での成功事例がありますのでお話させていただけませんか?」

「次回はどんなお話にご興味ありますか?」

「次回に向けてどんな資料をご準備すればよいですか?」

「もしよければ、次回は先ほど優先順位が次に高いと言っていた、○○について他社の成功事例お話しできますけど、ご興味ありませんか?」

今思いつくままに書きましたが、こんな感じで2回目のアポイントを切り出して、その場で日時も決めてアポイントを取ってしまいます。

ちょっと渋られても、「仮で入れておきましょう」とか、忙しいと言われても「1か月後ぐらいにどうですか?」として無理やりにでも入れてしまった方が良いと思ってます。

後で時間調整する事は時間も掛かるし、後回しにする事で2回目のアポイントが取れる確率がぐっと下がります。当たり前ですが、やっぱりその場で取る事が大事だと感じます。

以上、ここまでが6つのステップになります。

全てをやらなくても、どれか一つだけでも取り入れて頂けると商談の質は変わってくると思いますので、少しでも参考になれば幸いです。

あとがき

ここまで長々と読んで頂き有難うございました。
「2回目のアポを頂く為の6つのステップ」という形で初回商談への臨み方を書いてきましたが、なぜここまで2回目のアポイントにこだわるかというと、2回目のアポイントが成約率に大きく影響しているからです。統計を取ってるわけでは無く完全に感覚ですが(笑)。でもそんなに外れてないはず。

⑥で書いた通り、初回でどれだけ良い商談が出来ても2回目のアポイントに進めない事が何度も何度もあったし、2回目のアポイントに進めた方が3回目、4回目にも繋がり、すぐに成約とまでいかなくても、お客様との関係性は強固になり、後々の成約にも繋がります。

それだけ、初回商談の質と2回目のアポイントが重要だと思い、また2回目のアポイントを取る事がとても難しいと思っていることから、今回テーマとして書いてみました。

商談は生き物なので、その場の臨機応変さも必要です。思い通りに進むことなんて殆ど無いのでステップやプロセスみたいにまとめるのはあまり好きではないのですが、①~⑥のどれかだけでも意識を変えて頂くだけで、信頼感や安心感を得る事に貢献できる思っております。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

偉そうに書いてみましたが、まだまだ私も未熟者です。営業として日々お客様から信頼してもらえるよう自分磨きを一緒に頑張りましょう!



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