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ガーナ留学🇬🇭手術見学-小児病院編②

こんばんは!ガーナで1ヶ月間臨床実習&公衆衛生実習をしてきたmaiです。
今回は小児病院での手術見学について書いていきたいと思います。

一言で言うと、chaos!!!驚いたポイントを順番に書いていきます。申し訳ないけれど、文句しか出てきません。今回の記事はこれが日本だと如何に恐ろしいことなのか、医療系の以外の人に伝えるのは難しいですが・・・

回転率

私が見学した日は埋没陰茎、前頸部腫瘤の切除生検、陰嚢水腫、臍ヘルニア、大陰唇血管腫、鼠径ヘルニアでした。いずれも小手術ではありますが、この6つの手術を2つの手術室で4人の医師だけで3時間半で終わらせていました・・・。手術の腕がいいのかもしれませんが、時間短縮の一番の要因は手術前後の儀式が圧倒的に短い。タイムアウトとか存在しないし、器具の本数やガーゼの枚数チェックもない。手術と手術の合間の清掃もなくて、前の患者が出て10分後にはその台に次の患者が寝ているというスピード感。見学者としては飽きずに次々と見られたので良かったですが、問題が起きたことはないのでしょうか・・・?小手術だけだからこんなに雑なのかなと思ったら、他の日にヒルシュスプルング病の手術を見た学生も同じように驚いていたので全ての手術でこのスタンスのよう。心配です。

手洗い・道具

日本のようにセンサーで反応して水が自動で出てくるものはありません。それどころか、水道さえありませんでした。(水道水が汚いからでしょうか)タンクに貯めた水を桶で掬って手を洗います。手洗い後のタオルは術者みんなで使い回しです。日本だと、滅菌処理された手をふく用の布がガウンと一緒に入っていますよね。
ガウンも使い捨てではなくしわくちゃの布です。ちゃんと着れてなくて術中何回も肩からずり落ちていました。
清潔布もディスポーザブルじゃなくて布をさっと被せるだけ。しかも患者に被せたあとに術野を広げるために布をはさみで切り始めたり・・・消毒してない部分に手袋触れてるけどダイジョウブ…?

麻酔

麻酔は看護師が担当していました。看護師は手術中8割方SNSを見ています。ある手術でモニターにSpO2が表示されていなかったので尋ねると、忘れてた!と慌ててつけ始めました。手術始まってからしばらく経っていたのに誰も気付かない恐怖。そして、SpO2が70台まで落ちても、一応対応はしながらだけど誰も焦っていなくて談笑している・・・。70台になるのは日常茶飯事なのでしょうか。1つ50台まで落ちた手術があってその時はさすがに空気が張り詰めていました。見てる方は本当に気が気じゃないです。

手術中

ガーナはボディタッチがもともと多いですが、なんと手術中に術者のガウン部分に他のスタッフがペタペタ触っている・・・!!!日本でやったらオペ看に瞬殺されます。
そしてハエが飛んできて清潔布に止まったりもしてました。。。ほんとうに恐ろしい・・・

ガーナの医療スタッフは本当にフレンドリーだし、手術中も沢山教えてくれて勉強になったのですが、日本とはあまりにも違うスタイルにかなりストレスを感じました。どうしてそういうやり方なのか、と聞きたいことは山ほどあったのですが、手術の日程は1日しかなく、関係も築けてない中で気分を悪くされずに聞く方法がわからず、結局何もできませんでした。
限られたリソースでやるしかない、というのはわかりますが、プロトコルの徹底は努力次第でどうにかなることですよね。なぜやらないのか、どうしたらやらなければと思えるのか・・・課題は山積みですね。

次回は公衆衛生実習について書こうと思います!


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