能年玲奈ちゃん主演で映画化!原作に忠実なヲタ腐女子主人公を熱演! 『海月姫』
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/堀江貴文】
東村アキコの漫画は『ママはテンパリスト』や、以前レビューした『かくかくしかじか』などの作者周辺のネタを元にした作品が、やはり格段に面白い。
今回レビューする『海月姫』はヲタ腐女子を描いた作品だ。
天水館という昭和の香りただようアパートに棲みついた彼女らの生態は如何にも生々しい。
主人公の月海はクラゲマニアの腐女子。
オシャレやメイクなどには全く興味はないのだが、ふとしたきっかけで知り合ったオシャレな女装男子がきっかけでファッションブランドを立ち上げることになったり、一生できないと思っていた恋愛にハマったりと人生が一変していく。
昔からこのような腐女子は相当数存在していたとは思われるが、彼女らが自己表現をする場が比較的マイナーだったために、その存在は公にはあまり知られていなかったが、インターネットの普及で彼女らの存在感がかなり大きくなってきた。
そして女装子も「男の娘」などという形で近年もてはやされつつある。
最早みためは女子よりも女子らしいとまで言える。
そんな両方のトレンドの変化を東村アキコはタイムリーに捉えている。
それが彼女の才能なのだろう。また、相手役の女装子もリアルに男子に見えない美少女ぶりである。原作を読んでから映画をみるのもおすすめしたいと思う。もちろんその逆でもいいかもしれない。