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リーダーが「話す」と「聞く」を真面目にやると物事がスムーズになる

DeployGateの藤﨑です。

DeployGateリリース11周年を始めとして、公私共々大きなイベントに揉まれていたら、あっという間に9月も終わり。目の前に秋が来ていました。バタバタな日々を経て、ようやく日常を取り戻しつつあります。

ここ数年、様々な場面で人と話す機会が増えました。私自身、元々人と話をすることを不得意に感じていたこともあり、組織を代表する立場でありながら、人と積極的にコミュニケーションを取ることはしない受け身タイプでした。しかし、自分が話す機会を増やしたことが結果的に会社を良くすることに繋がったので、今回はそのことについて書いてみます。

話をするということ

チームで何かをするにあたって、自分の考えていることをメンバーに共有することは不可欠です。組織の長としては尚更、組織のこれからについて言語化して共有するという役割が求められています。

そういった「建前」は理解しつつも、長年話をすることに積極的になれなかった私でしたが、意図的に徐々に話をする機会を増やすようになって、得られるものが多々ありました。

まずもって組織と何も関係ない話ですが、人と話をすることで、自分のストレスレベルが下がります。これはオキシトシンの放出やコルチゾールの低下といった生物学的な理由と、結果的に早く答えにたどり着けるという時間短縮の2つが大きな要素だと感じます。

手を動かすよりも考えることを求められる仕事は、わかりやすい成果や形になる物が即座には得られないことが多いです。これを自分だけで考えているとどうしても内向きの視点、自分自身がどう見られるかという視点に陥りやすくなったり、ロジカルな話を考えているはずなのに「疲れた」「ゴールが見えない」といった感情にネガティブな影響を受けて負のスパイラルに入ってしまい、そしてその状況に気づけなくなったりする、なんてことがよく起きます。これはストレスの源にもなり、そして結論に辿り着くまでの時間も伸びていきます。

そんなとき、直接その内容そのものの話でなくとも、誰かと話をするために言葉を発することで、話を伝えるための言語化と整理が回るようになり、その時点でそこまでの思考に新しい刺激が入ります。また、内容に触れることができれば、外からの視点を受けておかしな点を突っ込んでもらえるほか、最終的に話が受け入れられたこと自体が自信を上げることにも繋がります。誰かに共有しようと思うと、言語化するために思考をまとめるのが重いとなりがちではありますが、「まとまってないんだけど」と枕詞を置いて話しはじめてしまうと、結果得られるものが多々ありました。

以前、自分自身をカメラで撮りながら話すという手法を紹介しました。これも引き続きやっていて、最近はGoogle Pixelの文字起こしも並行して便利に使っています。夜中など、話す相手が誰もいない状況でも有効です。

またチームにおいては、話をすることを繰り返すことで人物の理解が深まります。この人はこういったことを知っている、こういうことが得意だ、といった理解がお互いにできることで、常日頃からあらゆる話がスムーズになります。組織論な観点でいえば、これがまさにトランザクティブメモリーを強化していくということなんだと思いました。

話を聞くということ

一方で、例えば、今後の方向性の話をチームに一方的に伝えても「そこにクリティカルな課題はないか」「チームは前向きに捉えているだろうか」といったことが分からなければ、本当にすべき次のアクションは分かりません。話をする上では、欲しい情報を聞き出せる力も重要です。これは単に会話力ということではなく、例えば相手が話しやすい雰囲気作りもその力の一つです。

「話を聞く」ということを意識して実践していくことで、日常からいろんな憶測を切り捨てることができ、これはチームの中だけでなく外とのやりとりでも大きなメリットがあります。ここ最近、CPOのhentekoがほぼ毎日のように外部の方へのインタビューをセットしているので、時々そこに入れてもらうことがあります。ヒアリングに参加することで、シンプルに実際の行動や背景にある考えを知ることができるだけでなく、その場の受け答えを経る体験を通じて、その後プロダクトにおいてなんらかの仮説を置くときに「先日ヒアリングをしたあの人だったらこんなことは言わないだろう」という判断ができるようになり、新しく作る仮説の確度が上がります。これが、プロダクトの価値をスムーズに高めるのに寄与しています。

全体を通して特に意識しているのは、相手が話していることの「意図」に着目することです。自分がした話に対してなにか否定的な反応が返ってきたときに、本当に大事な情報はリアクションそのものではなくて、その意図の先にあります。そこにどのような意図があるのかを考えたり、あるいは直接確認することで、見えていなかった課題の理解が進んで話が前に進む機会が増えました。

「とにかくこいつの意見は否定したい」が意図になっている人は別として、大体の否定は自分と相手の知識差によるものか、意図せず自分だけが利することを追求してしまっているかのどちらかで起きています。相手と向き合って話をしているときに否定的な意見があると、自分の人格に対する否定だと無意識に捉えて身構えてしまいがちです。そんな時は一歩引いて、そもそも目指したい場所を改めて自分自身の中で認識して、その人の持つ情報で判断したときに否定的になってしまうような自分の知らない要素がそこにある、という状況を理解できれば、内容を受け入れたうえで認識の差を埋めるという行動に移せるようになりました。

話せる状況をつくる

このような変化を後押しした要因としては、話せる状況がつくれたことも大事だったと思います。そもそも人がいるなら話せばいい、という単純な話が、物理的・心理的な障壁で難しいこともあります。以前の自分自身は失敗を強く気にする傾向があり、なんとなく自分の評価を下げることを避けるために話を避ける傾向がありました。実際にはそれは学びのチャンスであり、課題を乗り越えることでより信頼に足る人になれます。

特定の人々ではなく、幅広い人と話をすることも、人と話をする上でのバリアを取り除いてくれました。顧客ヒアリングや、他の会社の経営者と話をすることを繰り返すうちに、徐々に話をすることへの抵抗感が薄まっていきました。同じ人々と話を繰り返すことで理解を深めていくこともできますが、幅を広げていく方が自分の中のハードルを下げるという意味では効果的だったと思います。

進歩したこと

ここまで、自分にとって「話すこと」と「聞くこと」を積極的にやることで起きた変化について書いてきました。チームにおいては、どんなに難しい状況も、最終的に話を通じて乗り越えていくことになります。

チーム、顧客、あるいはまだ顧客となっていない人も含め、話をして話を聞くこと。それはスタート地点で、そこからコンタクトを持ち続け、フィードバックループを維持することが、私自信だけでなくチームをより強く、より良くしています。これは昨年の今はまだできていなかったことでした。この1年での大きな進歩の1つです。

一方で、その先にもチャレンジは続いています。物事がスムーズになり、スピードが上がってきたことで別の課題も目立ってきました。これも含め、とにかくチーム内でのやりとりしかり、製品のリリースまでのサイクルしかり、ターンアラウンドタイムを如何に短くしていくかがこれからの観点になりそうです。

ということで、組織の代表者が積極的に話をするようになったことがチームの成長に繋がったよという話でした。

今月はそんな感じで!

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