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Retty株式会社を卒業しました。

昨日、8年と10ヶ月勤めたRetty株式会社の最終出社日でした。
濃密な9年弱と、感謝の気持ちが溢れ、長いnoteになりました。


Rettyに入社した経緯

2015年にインターンとしてJoinした経緯としては、現Mosh, incの代表をされている籔さんにお誘いをいただいたことがきっかけでした。

当時はPMという言葉は一般的にではなかったのですが、若手でもエンジニアさんやデザイナーさんと一緒に働けるPM的な動きができる会社でインターンをしたいと相談していた際にRettyに誘って頂いた次第です。

インターンとしてJoinした当時は正社員としてRettyに入社する気はなかったのですが、働く中でたくさんの魅力を感じ、気づいたら2017年に新卒として入社をしていました。

入社した理由としては大きく分けると3つありました

  1. 「食」というドメイン / コミュニティであること

  2. 裁量の度合いがすごかったこと

  3. 人が素敵、本当に素敵なこと

1. 「食」というドメイン / コミュニティであること

当時の思いとしてどうせ仕事をするなら「日本発で世界中に使われるサービス創りに関わりたい」と思っておりました。

世界中で使われているサービスを見ると
・世界の中でその国のユーザーが期待値が高いドメインで勝負する
・その国でNo1サービスになる
・海外展開する
という流れになっていそうだなーと当時は考えておりました。

例えばアメリカなどのECでAmazonを例に取って見てみると、もはやAmazonのサイトを開かずとも注文が完了し商品が届く世界になっています。そんなサービスが国内に存在するアメリカのユーザーさんはECに対して期待値が高くなっているので、仮に日本でレコメンドサービスがすごい/決済が簡単!などでNo.1を取れたとしてもアメリカに展開する際にはさらに高次元の欲求を持つユーザーさんに受け入れられるサービスに転換しないといけない壁がありそうです。

なので世界を見据えるなら日本のユーザーさんが他国と比べてサービスへの期待値が高い領域で頑張っているサービスに関わりたいと思っていました。

主観的ですが日本は「食・医療・ゲーム・介護・アニメ」が特に世界と比べてもユーザーさんの期待値が高い領域だと思っていたので、その中のどれかで働きたいと思っていました。

2. 裁量の度合いがすごかったこと

インターンとしてJoinさせてもらった後、しばらくして任された仕事がRettyの検索基盤を作る仕事でした。

具体的には
・どんなエリア名,エリア単位で検索できるようにするのか
・どこからどこの範囲をそのエリアとするのか
を考える仕事です。

例えば「新宿」で検索できるようにする、「渋谷」で検索できるようにする。新宿で検索したときにHitする飲食店はここからここの範囲内にある飲食店とする。などを決めていました。

Rettyはグルメサービスなので、肝となるお店探し基盤の構築を未熟なインターン生に任せるなんて今思うとすごいことを任せてもらったなと思っています。

言ってしまえば「事業サービスに致命傷を与えかねない仕事を、若手に任せる」という裁量だったため、若手である僕にとっては成長機会が多そうなスリリングで魅力的な環境だなと胸が躍ったことを覚えています。

3. 人が素敵、本当に素敵なこと

ここはすごく感覚的なのですが、Rettyにいる人たちって色でいうと「オレンジ色」なんです笑

ビジネスライクな関係・合理主義すぎると青色の印象、フレンドリーで和気あいあいな環境、コミュニケーションとして体育会気質が強いと赤色の印象を持つ人間でした。

Rettyはそれでいうと赤と青のいいとこどりができる人たちが多く、仕事ではしっかり合理的にビシバシ進めるものの、社内にいじれない人がいないくらい、取っ付き易さ?柔らかさ?もあって、なんかすごい安心感がある人たちが多いんです。

感覚的で申し訳ないですが、そんなところも魅力に感じてRettyに入社していました。

Rettyでやってきたこと

Rettyでは本当に様々なことを経験させていただきました。

職種ベースで言うと「PM、HR、営業、マーケ、サーバーサイドエンジニア、UXリサーチャー、マネージャー」など濃淡はあるものの、本当に色々経験させてもらいました。

全ては書ききれないので、簡単に軌跡をまとめてみました。

Rettyの在籍期間に得られたこと/変わったこと

スキル的な話

RettyではPMスキルを定義し評価に繋げています。

このスキルを定義したり評価をするプロセスの中で、自身もPMスキルを体系的に捉えられました。PMとして未熟なポイントも可視化され、乖離を埋めるようなアクションを取れたことでPMとしてレベルアップできたように感じております。

加えて様々なRetty内での経験を通して、プロダクトマネジメントを体系的に行えるようになった気がしています。完璧ではないと重々理解してはいるのですが、

・ビジョンの策定:何のためにプロダクトがあるのか
・ターゲットの設定:誰をHappyにするプロダクトか
・課題の発見:その人は何に困り何を求めているのか
・課題の解決:どんな道のりで、どんな方法でHappyを届けるか
・解決の推進:より早く精度高くHappyを届けるにはどうするか

など、それぞれに対して何かしらのアクションやノウハウが溜まったように思います。背景には以下のnoteで書いたような経験をさせてもらったのが大きかったなと思います。

そのほかにもGo To Eatでの経験やマネージャーを経験してのチームビルディングなど、たくさんの打席に立たせてもらったおかげで得たことが多々あります。

人間的な話

スキルだけでなくRettyでの勤務を通して、人として成長できたと思っております。例えばですが

・成果は自分1人で出した気になっている
・自分が正解だと思い、他人の意見を蔑ろにする
・過去の実績や経験を元に、人の仕事を軽視する
・極端な0か1の思考で、感情の機微に疎い…etc

RettyにJoinした当初はこんな感じで人として終わっているような感じでしたが、Rettyで優しい大人たちに囲まれ、たくさん挑戦させてもらい、たくさん怒ってもらい、たくさん色んな考えに触れさせてもらえた結果、上記状態がおかしいと気づき改められるようになってきました汗

僕を良く知る妻からも「いい意味で丸くなったね」とよく言われます。

辞めるとなって改めて感じている気持ち

改めて振り返るとRettyという会社は本当に最高の環境だったなと思います。

  • 風通しが良い、挑戦を応援するカルチャーと人が有る

  • 若手ながら様々な機会を取りに行けたし与えてもらえた

  • User Happyを大切にし、自身のプロダクトを職種関係なく使い込み、食の魅力を肌で感じている人が多い

  • 年齢や職種でバイアスがかからず、1人の人間としてリスペクトを持って対話してくれる同僚たちがいる

  • ユーザーさんもお店の方も優しく、愛がそこにある。実感できる。

  • 働き方もフレキシブルで、子供が生まれた今も非常に働きやすい環境

こうした環境で自身も人として、仕事人としてたくさん太い経験を積まさせてもらい、キャリアとかよりもRettyを何とか大きくしたい使命感でずっと働いてきたような感じでした。

今改めて思うこととしては、

  • まだまだやりたいこと/やり残したことがある中で抜けてしまうことへの申し訳なさ

  • コロナで飲食店さん含めRettyも大変な時期をなんとか乗り切りつつある今ですが、完全復活を遂げたわけではない状況で抜けてしまうことへの不義理感

  • 一方で長い間Rettyのプロダクトを中心に関わり、様々なKPIを改善し上場を経て、また次のフェーズが見えるところまで牽引ができたという、ある種のやりきり感

などがあり複雑な気持ちになっています。

体が2つあるなら、ずっとRettyでここから先のフェーズも、この同僚たちと一緒に仕事がしたいと本気で思える最高の環境でした。

なぜ、辞めるのか

そんな最高の環境をなぜ辞めるのかと思われるかもですが、次は長年挑戦したかった「不妊治療」の領域で、課題解決を進めていきたいなと思い退職に至りました。

なぜ不妊治療なのかというと、↑で書いたnoteのような自分のビジョンとの合致度と、使命感と、ビジネスになる領域の掛け合わせからです。この自分にとっての円が重なる領域が「妊娠・出産・育児」に関する領域でした。

その中でも不妊治療がまさに「妊娠・出産・育児」のスタートラインになることや、僕自身2-3年ほど不妊治療を経験し、この期間が本当に辛かった原体験などから、不妊治療をセンターピンに30代以降の人生を捧げたいと思うようになりました。

不妊治療の保険適用の波や、Retty内での様々な状況の好転など複数の因子が重なり、このタイミングで退職することとなりました。

最後に

僕の20代はRettyと共にあった時代でした。同僚だけでなく、たくさんのユーザーさんと食を共にしました。様々な飲食店さんとお話しし、飲食店をやる想いや大変なことをお伺いしました。僕にとっては全てが宝物です。

たくさんの方々と夢を語りつつ、志半ばで去ってしまうことを申し訳なく思っております。自分に対してまだまだ高い期待をしてくれた上司や社長の想いを知りつつ抜けることも申し訳なく感じています。

新たな使命に燃えRettyを去ることになっても、Rettyというサービスもそこで働く人も、使ってくださるユーザーさんやお店さんも大好きな想いは変わりません。

ここからのRettyを1ユーザーとして応援すると共に、Rettyの卒業生として残った同僚からも誇ってもらえるような人になれるよう頑張りたいと思います。みなさま本当にありがとうござました!大好き!

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