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【読後想】仮面病棟 ★★★★☆

 夏休みの宿題で読書感想文が苦手だったけれど、感想でも書評でもなく、想ったことを勝手に書き留めるだけなら出来そうだということで記録する読後想。

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 私が以前通っていた勤務地のひとつで、その事務所ビルの一階は医院になっていた。院長はビルのオーナーでもあり、ビル名にも医院にも院長の名前らしき苗字が付けられていた。
 その医院に人が出入りするところを見たことがなかったが、ビルの賃貸収入があるから食うには困らなかったのだろう。
 しかし人の出入りのない病院ほど薄気味悪いものはない。

 今回私が選んだのはこちら。前回と同じ著者の作品だ。

知念 実希人(著) 仮面病棟 (実業之日本社文庫)

 元精神病院だったビルを流用している病院が舞台。その病院では様々な事情で身元の分からない患者を受け入れて入院治療を行っている。この時点で、誰が治療費を払うのだと突っ込みを入れなければならない。しかしそこは小説だ。細かいことは気にしないようにしようか。
 その後この病院で起こるのは・・・。
 それは読んでのお楽しみだ。

 というわけで、私の評は★★★★☆。
 星四つだ。

 医師であれば患者の病気を治療し生命を守る本能を持っているとも言う。でも皆が皆医師としての適性を持ってその職に就いているとも限らない。医者になってみてから自分には合わないと気が付いたところで、医師という資格を棒に振るのは余りにも勿体無い。大抵の人は医師の仕事を続ける事を選ぶだろう。それでも必要に迫られて道を踏み外す事があってもおかしくはない。

 この本の著者のように執筆のために医師の仕事を活用できる様なポジションには、普通はなかなか辿り着けない。
 しばらくこの作者の作品を追いかけることになりそうだ。
おわり
 
 


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