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たぶん、ずっと追い付けない

中学の時に、渡していた手紙に書いていた。当時そこまで関わりなかったのに、ずっと先輩と手紙交換をしてた。たぶんずっと追いつけない、でも憧れているということをひたすら汚い字で書き残していた。

当然、中学を卒業すれば接点も無くなった。そりゃそうだ、もともと関わりも無かったようなもんだから。卒業後に進学した高校も違えば、大学も違う。

SNSだけが唯一の繋がり。大学に入ってすぐ、学内のコミュニティで縦と横の繋がりを持つことに満足していた私の目は外に向いていて「現状維持は退化だ」と言わんばかりに外に外にと広げようとした。

そこで目に止まったのが、充実感溢れた写真が並ぶ先輩のFacebook投稿だった。メッセンジャーで連絡をして、すぐに会うことになった。何をしたら、あんなにキラキラ出来るのか知りたかった。道端で見つけたカキ氷屋さんに入って、氷が溶けてしまうくらい夢中になって話を聞いていた。

久しぶりに会う先輩は、知らない世界をたくさん知っていて、それを一つひとつ丁寧に教えてくれた。どんな特徴があって、どういうことをしていて、なにが楽しいとか。見えない世界に飛び込むことは不安が大きいはずなのに、ワクワクしていた。カッコよくて、生き生きとしていて、人との関わり方が丁寧な先輩のいるところにジョインすることを決めた。

大学は違っても、ミーティングの度に顔を合わせた。議論を繰り返して、企画、運営、広報の全てを行った。本番までの準備、ミーティング終わりのご飯。日を追うごとに、関わり方も変わった。

夜中の三時に「歩いて帰ろう」と決めて50km歩いて地元へ帰ったこと。バリに行けば、その場で知り合った外国人がランチもディナーもご馳走してくれて空港まで送ってもらったこと。

弾丸で広島に会いに来てくれたこと。見知らぬヒッチハイカーを拾いに山口まで行ったこと。ディズニーランドにも、USJにも行ったのにアトラクションあまり乗らなかったこと。思い出すと、楽しい気持ちになれることばかりだ。

社会人になって、「このまま」を維持するためには、変わり続けなければいけない、という言葉に押し潰されそうになったことがある。苦しいし逃げたいし、でも逃げるような自分にはなりたくないって、もがいていたとき「ずっとずっと応援しているし、どんな時も味方よ」とメッセージをくれたのが先輩だった。

それから何度も、言葉と行動で救ってくれた。あったかく接してくれた。こんなにも、愛が深くて信頼できる人はいない。真っ直ぐで素直で、底抜けに明るくて、自信があって輝いてる。人間らしくて愛が溢れていて、出会った日からずっと尊敬してる。

どれだけ努力しても追いつけないくらい、憧れてる。本当に、大好きな人。心から出逢えてよかったと思える存在。こんなこと書いてると、今すぐにでも会って、楽しいこと一緒にして笑いたくなる。人生のキーパーソン。先輩であり、友人であり、味方であり、大好きな人。たぶん、ずっと追いつけない人。だからこそ、ずっと近くで追いかけていたいって思う。

2020/08/07

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