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映画『ウィッシュ』自分の気持ちを諦めなくていい

ディズニーにプラスに追加されていたので早速見た『ウィッシュ』。あるsnsで見かけてしまった酷評(?)から身構えてたけど…私は勇気をもらった。

優しさやルールにしばられて飲み込んでいる気持ちってたくさんある。そんな日々の中での違和感を声に出してもいいんだと、間違っていないんだと勇気をくれる作品だと思った。

アーシャの素敵なところは誰かのために自分なりに考えて行動した点だと思う。あわせて、周りの友人たちも自分なりの考えを持っていて、伝える姿勢でいるのがよかった。もしアーシャが間違った道へ進みそうになっても周りが止めてくれる安心感がある。人間関係って意外とこんな感じで上手くいくのかもと安心感を与えてくれた。

白雪姫に出てくる7人の小人のオマージュだとか


私は仕事でもプライベートでも「空気読みがち」人間である。違和感を抱こうと、それちょっと言わないで欲しかったかも…という言葉を受け取ろうと、一旦飲み込む。
仕事の場合、納得してもらえそうな解決策がなんとなく見つかってるときなら改善案もセットで問題提起をしてみることもあるけどそこまで多くない。

アーシャの姿を見ていると、違和感を抱いたら、なにか変だと感じたら、誰かを苦しめていると気づいたら、その時点で声を上げることって結構大切なんだなと学んだ。

もちろん劇中の最後のシーンのように、立ち上がることや声を上げることは苦しみ、悩み、壁にぶち当たるようなことばかりだろう。そんな困難も、主張をすることで賛同してくれる周りの力を借りて、小さな声を大きなものにすることができるんだな、と壮大な気持ちになった。

ニュースで知るような遠い場所でも身近なところでもやるせない気持ちになる出来事が多い。社会性を持って良い子の顔で飲み込むだけじゃなくて、自分の中に生まれた違和感の出どころを考え、言語化することの大切さを学んだし、もっと気軽に実行してみてもいいのかもと背中を押された。

頭ごなしにヴィランだと言い切れない王様

ちなみに今回ヴィランとして王様がいるけれど、頭ごなしに真から悪い人だと言い切れない描かれ方なのもいいなぁと思った。
過去、自分が辛い思いをしたことから建てた王国ロサス。最初は民のために辛い思いをさせないようにという優しさからだったんだろうとわかる。

優しさは見返りを求め始めると論点がすり替わってしまいがち。自分も心に余裕があるときにだけにしないと、王様のように「自分は他者を判別する立場にある」と思い込んでしまうかも。盲目的な点は誰しも起こり得る強さであるなと再認識。

スター、かなりかわいい

スターの顔の輪郭はミッキーから。(ディズニー+で本編と共に配信されてる制作の裏側ムービーでも言及されてた)
そのとおり、クラッシックなミッキーアニメを彷彿とさせる眉の動きや短い手足の動きがかわいい。かなりかわいい。

特にお気に入りな 2つの動きがある。
森でアーシャに杖渡した後に「いいってことよぉ〜」みたいな動きするところと、曲『Knowing What I Know Now』で足踏みちょい前進する動き。前進するとこ、なんとなくエルサ感あってかわいい。ほかにもいろいろあるけど、人間のキャラクターに目がいきがちなシーンほどスターがいい表情してるので注目です。

曲もわくわくする

前述の『Knowing What I Know Now』はライオンキング感のある楽器やメロディでわくわくする。『The Happy Chicken Song』はスプラッシュマウンテンみたいで最高。『This Is The Thanks I Get?!』は頑張りすぎて見返りを求めちゃうほど視野が狭くなってる様がストレートに歌われててちょっとどきっとする。

最近、ミュージカル映画って表現方法が面白いなぁと感じ始め、どんなところで曲が使われているのか注目して鑑賞している。心の奥で実は思っていること、飲み込んでしまってる言葉たちが音楽とダンスに合わせて溢れるのって、受け取り手(私たちオーディエンス)としても1つの意見・考え方として受け取りやすいのかもなぁと思った。メロディに合わせるには核となる表現に削ぎ落とす必要がある点も影響していそう。

ディズニー100周年というのもあってか、見覚えのあるカメラワークやシーンが散りばめられている。気軽に見れて、周りを上手に頼りながらもっと自分の気持ちに素直になっていいんだな、と思える映画だった。



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