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【介護報酬改定】デイの入浴介助加算、上位区分は要件緩和 動画や写真でも運用可 厚労省がQ&Aで解釈・・・という記事の紹介です。

新年度の通所介護の報酬改定では、入浴介助加算の上位区分(加算II)の算定要件が緩和された。【Joint編集部】

利用者宅の浴室の環境を評価するプロセスで、医師やリハ職らに代わって介護職員が訪問することも新たに認められた。スマートフォンなどを使って状況を把握し、それを専門職が事後的に評価する流れとすることが可能になる。専門職の確保の難しさに配慮した措置だ。

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訪問できる職種には、介護福祉士も含まれるのでそこまでハードルが高い要件だとは思ってなかったのですが・・・。

ただ、スマホで動画を撮影してそれをベースに評価するというのが示されたのは良いですね。口頭での伝達より、実際の動画で実際の環境や利用者さんの動きを共有した方が、より実践的な個別の入浴支援に繋がります。

厚生労働省は昨年度末に公表したQ&Aで、入浴介助加算IIのこうした新たなルールに言及。事前に専門職の指示を受けた介護職員が、利用者宅で写真や動画を撮ってくる運用を認める考えを明らかにした。

「必ずしも(スマホなどの)画面を通して同時進行で対応する必要はない」と説明。ライブが前提という認識を否定し、「専門職の指示のもと、利用者の動作は動画、浴室の環境は写真にするなど、状況に応じて動画・写真を活用し、それを専門職に評価してもらうことで要件を満たす」との
解釈を示した

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実際、介護福祉士の生活相談員に洗い場の写真も撮ってきて、と指示したら、脱衣所の洗面台を撮影してきた事があったので、このあたりスマホでぐるっと動画を撮影してきてもらえるといいと思います。

しかも、後日の情報共有でもよいという事がはっきりしたのも良い事ですね。データを送っておいて評価をしてもらう、という手順が踏めるので双方にとって余裕ができると思います。

通所介護の入浴介助加算IIは、2021年度の報酬改定で創設された比較的新しいインセンティブ。利用者が自宅で自立して入浴できるよう取り組む事業所を評価するもので、55単位/日とされている。

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この加算が出来るまでは、入浴加算は50単位だったんですが、この加算が出来て40単位に減額となりました。

こちらの加算は、ここでも明記されていますが目的が自宅等で自立して入浴できるように取り組む事が主目的になっていて、そういう実践が出来る事業所を評価する加算ですから、そもそも自宅でお風呂に入れなくなってきた方が多いデイサービスですから、そもそものニーズとミスマッチしている事が、算定率の低さにもつながっているとは思うのですが・・・。

主な算定要件としては、専門職が利用者宅を訪問して浴室環境を評価すること、その評価や利用者の身体状況を踏まえて個別の入浴計画を作ること、その計画に沿って個別の入浴介助を実践することなどが定められている。

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こういう計画書を作ったりするのはそれなりに手間がかかりますし、完全に個別の対応になるので(自立した入浴ができるための環境整備、個々の身体機能へのアプローチも含まれるので、まったく同じ計画書には基本的にはならないはずです)、どうしても調査・分析・計画立案に時間がかかる上、実際の入浴の現場でその計画を計画通りに実践できなければならないので、実際の入浴介助の場面で、個々の利用者さんに応じた適切な椅子や手すりの場所、浴槽までの距離や必要な介助方法なども計画通りの内容で提供できないといけませんので、現場職員が個々の利用者さんの個別入浴介助計画について理解していないと実践できないわけなので、それだけでも相当なハードルの高さです。
そして記録についても、個々の計画に対応した内容で記録が必要ですし、将来的に自立を目指す計画ですので、いつまでも自立した入浴に近付かないような計画では不適切でもありますから、加算の趣旨を理解した上で真面目に実践しようとすると、55単位程度では経営効率は全くなくて、逆にマンパワーリソースが消費されて全体へのマイナスが大きいので算定しない事業所も多いのではないかと思っています。

ただ、これまでの介護保険制度の傾向で見ると、要は書類さえ整っていたら問題ないわけなのでねぇ・・・。

もっとも、今のところ取り組みは十分に浸透していない。多くの事業所が従来通りの加算I(40単位/日)にとどまっているのが現状だ。

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そもそもニーズが少ない事や、手間暇がかかりすぎる事、実際に現場レベルで実践できる能力の有無も関係があるので、この加算の算定率はそこまで高まらないと思うんですけどね。

自立した入浴を目指す加算ですから、何年も継続して算定していたらそもそもその事業所の自立支援の取り組みが弱い事の証明にもなりかねないので、慢性的に機械的に継続的にこの加算を算定し続けるデイサービスについては、紹介するケアマネの評価にも関わってきそうな加算になりそうな気もしないでもないです。

それこそ、ある程度の実践で自宅での入浴の実現とか、自宅でのヘルパー支援による入浴へのシフトチェンジとかに繋げられるデイサービスが出てきたら、それは素晴らしい事だと思いますが、はてさてどうなるでしょうか。

厚労省は新年度から、入浴介助加算IIの算定要件の明確化も図った。

報酬告示を改正し、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画に盛り込めば要件を満たす旨を明記。利用者宅の浴室環境の評価を担う専門職には、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員、福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員、福祉・住環境コーディネーター2級以上の人らが該当するとも明示した。

JOINT

個人的には、計画とか評価とかより、実際の実践の現場でどこまで具体的な自立した入浴に向けた実践が取り組めるかどうか、というのが算定を難しくしているようにも思っています。

そもそもですが、元々の入浴加算も自立した入浴支援を提供してきたわけで、そこから発展して自宅への入浴へ繋がってこなかったことを考えればすぐに分かりそうなもんですけど。

実践がうまくいって、こんどから自宅でヘルパーさんの支援で入浴する事になりました、という紹介が来ればいいんですけど、今のところ全くありません。

個人的には、これからそういうケースが増えるといいんですけどね。

ただ、自宅での入浴については、リスクが高いのも悩ましい所です。
高齢者が自宅で亡くなる際の場所や転倒する場所については、浴室の比率は高かったはずなので、ヒートショックのリスクが少ないデイサービスでの入浴は安全性が高いとも言えますし、デイサービスなら見守りの職員もいるので溺れたりしたとしても気が付きますからね。

そういう部分のリスクについて、厚労省はあまり想定していないような気もするので、何とも言えない気持ちになってしまいました。



ケアマネさんとしての考え方について参考になる記事があったので、そちらも紹介しておきます。

入浴支援のためのカンファレンスの際、算定要件に加えて確認しておきたい主なポイントは次の通りです。算定するご利用者一人ひとりの状態・環境に応じた計画が定められているか
毎月、ケアマネにご利用者の入浴の状況を報告してもらうなど、より細かく情報を共有する体制が整えられているか
家族の同意があるか

カンファレンスでは、本人が入浴する際のリスクを把握し、その対策を講じているかも確認するようにしましょう。特に冬場は、入浴時のヒートショックを防ぐため、「日中入浴」や「ヘルパーの訪問時」といった予防策が講じられているかどうかも確かめた方がいいと思います。

これらの点が十分に考慮され、加算の要件も満たした計画であれば、算定を妨げる理由は全くありません。

逆に、デイの利用者全員に同じような計画を立案して「入浴介助加算II」を算定しようとする事業所であれば、ケアマネとしてしっかり意見を言うべきです。たとえ同じ要介護度の人であったとしても、その方のADLや介護者を含めての家庭環境は異なるはずです。

ケアマネジメントオンライン

ここまで丁寧な対応ができるかどうかはさておき、自宅での入浴をイメージた個別のケースに対応した相談や提案はデイサービス側から欲しい所ですね。

”逆に、デイの利用者全員に同じような計画を立案して「入浴介助加算II」を算定しようとする事業所であれば、ケアマネとしてしっかり意見を言うべきです。たとえ同じ要介護度の人であったとしても、その方のADLや介護者を含めての家庭環境は異なるはずです。”

今時こんな乱暴な事しているデイはないだろうとは思いますけど・・・。

「入浴介助加算II」を算定するにあたっては、本人ばかりでなく、支援にあたる家族にも配慮したいところです。例えば、「入浴の準備から後片付けまでの一連の支援を家族だけでできるか」といった点は、確認しておいた方がよいでしょう。

そして最も大切なポイントは「本人が自宅での入浴を希望しているのか?」ということ。当たり前のことではありますが、この点は、何よりも先に確認してください。

ケアマネジメントオンライン

”そして最も大切なポイントは「本人が自宅での入浴を希望しているのか?」ということ。当たり前のことではありますが、この点は、何よりも先に確認してください。”

実際、算定率が上がらないのはこれだと思います。

様々な不安や出来ない事が重なってデイでお風呂に入っている人が多いのが現実だと思いますし、実際、僕自身もデイの管理者を兼務している時に個別にアンケートや直接の確認で自事業所の利用者さん全員に確認を取りましたが(お金も高くなるので・50円→55円に値上げ)、100人の利用者さんがいたら1~2人くらいの希望者でした。
匿名でのアンケートでも同様の割合だったので、そんなもんかなぁと思います。

逆に、デイに新規で利用されるケースの方は、また自宅でお風呂に入れるようになりたい、とおっしゃられる方は多かったですね。

そういう事なんだろうと思いました。

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