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あんなバッティング原口文仁にしかできない【4/2 対ベイスターズ戦○】

前のバッターが1ストライク取られてからの代打、そして狙いすましたかのようなホームラン。断言できる。あんなバッティングができるの、タイガースには原口文仁しかいない。

8回裏の攻撃、岡田彰布監督は得点圏にランナーが行ったら代打を考えていたらしい。四球で出塁した中野拓夢がE.エスコバーの牽制をかいくぐって2塁を陥れた。この時点で2死1ストライク。ここで代打原口が告げられた。

色んな選手を見ていると、代打というポジションは本当に難しいのだと思わされる。ましてや、カウントの途中で交代したのならなおさらだ。原口に残されたストライクは2つ。ファウルがあるから厳密には違うけれど、原口は実質2回しかバットを振れない。そして相手はベイスターズのセットアッパー。何度考えても最大級に難しいシチュエーションだとしか思えない。
しかもこの時点で2点差。連投を避けるために浜地真澄はベンチ外で、湯浅京己もなるべく、いや絶対に投げさせたくない。後の投手の負担を減らすためには、ここでの追加点が必須だ。

もう1ストライクだから2回しかバットを振れないって言ったけれど、原口には1回で十分だった。エスコバーが原口に投じた1球目。154kmのストレートを振り抜いて、打球がレフトスタンドに飛び込んだ。

「僕たち(ベンチメンバーは)全員がゲームに入っている状態で控えていますので、先発で行ったメンバーは思いっきりいってほしいなって思います」

どうして、どうしてそんなかっこいいことをサラッと言えるんだ。

原口のバッティングはキャンプのときもオープン戦でも絶好調だった。それは、今年こそレギュラーとして試合に出続けたいという決意の裏返しだったはず。
昨シーズンには慣れ親しんだ捕手のポジションを封印した。すべては、より打撃に集中するようになるために。でも、それは代打として輝くためだけじゃない。プレイボールのときからグラウンドに立てるように。自主トレでは元チームメイトの俊介を呼んで外野のノックを受けた。外野ノックはキャンプでも続いた。レギュラーになれるなら内野でも外野でもいい。
そんなに努力して準備していたのに、お立ち台では「先発メンバーには思い切りいってほしい」のコメント。すごいよ。

あんなコメント、原口にしかできない。

【追記】横浜スタジアムでの本拠地開幕戦。試合前のセレモニーでエスコバーが入場したとき、一際大きい拍手が響いたと聞きました。良かった。ファンの思い、どうか届いていますように。

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