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【初心者投資家向け】アメリカの重要な経済指標の一覧と解説

こんばんは、とびふと(@tobifuto2)です。

・最近投資は始めたけど経済のニュースがよくわからない。
・経済指標って聞いたことあるけど何があるの?
・経済指標がどう影響するのかわからない

投資初心者の場合、自分の金融商品の価格が何に影響を受けて、それがどうなったら価格が上がるのかもしくは下がるのかとかって全然わからないですよね。

なんとなく経済指標というものが影響しているとか、ニュースでアメリカの雇用統計がどうとかってやってるのは見るけどその意味まではわからなかったり、、、

今回は、主要な経済指標を一覧にし、それぞれどんな意味があるのかということや良し悪しの程度なんかをざっくりまとめていきたいと思います。

この記事を見ることで、ニュースを見たときに現在のアメリカ経済がどんな状況かなんとなくわかるようになるはずです。

・アメリカの重要な経済指標一覧

まずはアメリカの重要な経済指標について一覧で見ていきましょう。

■景気関係
・国内総生産(GDP)
・ISM製造業景況指数
■雇用関係
・米国雇用統計
・ADP雇用統計
■物価関係
・消費者物価指数(CPI)
■消費関係
・小売売上高
・個人消費支出(PCE)
・消費者信頼感指数
■製造業関係
・鉱工業生産指数
■住宅関係
・住宅着工件数
・中古住宅販売件数
■貿易関係
・貿易収支
■金融政策
・FOMC声明/議事録
・フェデラルファンド金利(FF金利)

・国内総生産(GDP)

まず一番重要なものは国内総生産(GDP)です。
これは言わずもがな、アメリカに限らずどの国においても重要です。

国内総生産(GDP)とは「国内で一定期間の間に生産された財貨・サービスの付加価値の合計金額」のことです。

簡単に言うと、日本国内における売上金額から仕入金額を引いた売上総利益ということになります。

ここには国内在住の外国人や国内にある外国企業の等の影響も含みます。
逆に、外国にある国内企業や邦人による影響は含みません。

その国の売上総利益という考え方をすると、その国の儲けということがわかります。これらを前年や前期と比較して何%の増減でしたというのが一般的かと思います。

アメリカの2009~2019年のアメリカの成長率の平均は、約1.8%程度です。
(日本は約0.7%。。。)

ちなみに、アメリカのGDPの7割は個人消費と言われております。

GDPと言っても2種類あり、名目GDPと実質GDPがあります。

実質GDPとは名目GDPから物価の変動による影響を差し引いたものになります。

経済成長を見たい場合は、実質GDPを用いるため、公表される値は実質GDPになります。

ちなみにGDPデフレーター(名目GDP÷実質GDP)と呼ばれる物価の上昇/下落率を図る指標も同時に発表されます。

どんな指標:国内の売上総利益で、景気の良し悪しがわかる指標
発表日:四半期毎、四半期終了後の翌月末に速報値、その一月後に改定値、さらにその一月後に確報値

・ISM製造業景況感指数

アメリカの約350社の製造業の購買部や資材部の責任者を対象にした景況感に関するアンケートから出された指数のことを言います。
このアンケートを実施しているのが全米供給管理協会(ISM)という機関になります。

受注や生産状況、価格等に関してのアンケートであり、良い or 変わらない or 悪いの三択で指数を算出し、50%を分岐点と考え、50%を超えると景気がよくなっている、50%を下回ると景気が悪くなっているという判断となります。

どんな指標:景気が良いか悪いかを判断する指標
発表日:毎月第一営業日

・米国雇用統計

米国雇用統計では雇用に関する項目を10以上発表されます。
主要なものは以下の3つです。

・平均時給
・非農業部門雇用者数
・失業率

・平均時給

非農業部門の1時間当たりの平均賃金の増減比です。

・非農業部門雇用者数

非農業部門の雇用されている人の数の増減です。

・失業率

アメリカ国内の失業者数÷労働人口の増減です。

これらが良い方向に向かえば個人消費が増加すると考えられるため、指標としてとても重要になります。

雇用統計の発表の後の相場は激しく変動します。

どんな指標:個人消費の増減を図るための指標
発表日:毎月第一金曜日(21:30日本時間夏, 22:30日本時間冬)

・ADP雇用統計

ADP社(Automatic Data Processing社)が約50万社を対象に毎月の雇用者数を調査したものです。
雇用統計が発表される2営業日前に公表されるため、先行指標として利用されます。

どんな指標:米国雇用統計の先行指標
発表日:毎月第一金曜日の2営業日前

・消費者物価指数(CPI)

衣料や食料品などの約200項目の価格の変化を表すもので、生活水準を示す指標になります。
インフレ率がわかるため、重要な指標です。

アメリカではエネルギーや季節要因の強い食料品を除いた指数をコアCPIとしています。

一般的には物価が上がると景気が良くなっていると判断できます。
しかし、景気が悪い時にも物価が上昇するスタグフレーションと呼ばれる現象が生じるときもあるため、消費者物価指数だけでなく他の指標も一緒に確認する必要があります。

基本的に国は物価目標を設定しているため、目標値付近で推移するように金融政策等を打ち出すことがあるため、注目すべき指標です。

どんな指標:物価の変化を表し、生活水準を示す指標
発表日:毎月中旬

・小売売上高

百貨店やスーパー等の小売・サービス業の月の売上高を基にした指標です。
アメリカのGDPは個人消費が7割を占めると言われているため、小売売上高がわかると個人消費がどれだけされているかということがわかるため重要視されています。

どんな指標:個人消費への影響を予測できる指標
発表日:毎月第二週

・個人消費支出(PCE)

家計が消費した財やサービスを集計した指標です。
前述の通り、アメリカのGDPは個人消費が7割を占めるため、個人消費だけの指標を見ることで大筋のGDPが予測できるということです。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたものはコアPCEデフレーターと呼ばれ、アメリカの中央銀行であるFRB

どんな指標:個人消費を示す指標
発表日:毎月

・消費者信頼感指数

アメリカの民間調査機関コンファレンス・ボードが発表する消費者に対するアンケート調査で毎月5000世帯を対象に個人消費の動向を把握するためもの。

雇用統計やGDPと矛盾する結果が出たこともあるため、これだけで判断するのはやめた方が良いです。

どんな指標:個人消費の動向を知るための先行指標
発表日:毎月最終火曜日(前月分の発表)

・鉱工業生産指数

FRB(アメリカ連邦準備制度理事会⇒日本で言う日銀)が鉱工業部門の生産状況を指数化したものです。

製造業の生産状況や設備投資の状況が反映されているため、雇用や平均所得などの指標になります。

どんな指標:製造業の生産状況等から雇用や平均所得などを図ることができる指標
発表日:3か月に1回

・住宅着工件数

国内でひと月に建設された新築住宅戸数を表す指標になります。
新築住宅の数になるため、それに伴う家具家電の個人消費の増加やそもそも家を買うことができるほどの雇用や平均所得の状況であると言えるため、景気の良し悪しの判断ができます。

どんな指標:新築住宅戸数から個人消費や雇用、平均所得のトレンドがわかる
発表日:毎月

・中古住宅販売件数

全米不動産協会(NAR)が発表している中古住宅の販売成立件数を集計したものになります。
新築住宅よりも1~2か月早く指数に変化が現れることや中古住宅市場が新築住宅市場よりも大規模であることから、より個人消費等のトレンドを先行して把握できる指標です。

どんな指標:個人消費等のトレンドを住宅着工件数よりも先行して知ることができる指標
発表日:毎月

・貿易収支

これは皆さんご存じと思いますが、輸出額から輸入額を引いた額のことです。
貿易収支が良いとドル買いのサインです。
近年ではアメリカの貿易収支はずっと赤字です。そのため、市場ではすでに赤字が折り込み済みになっています。

また、対中国の貿易額が最も大きいためその動向にも注目されています。

貿易収支が良くなるとGDPが良くなるため、重要な指標となっています。

どんな指標:貿易収支からGDPへの影響が図れる指標
発表日:毎月

・FOMC声明/議事録

FRBが開催する、アメリカの金融政策やフェデラルファンドレートの目標を決定する会合です。
約6週間毎に年8回定期開催されますが、必要があれば随時開催されます。
会合の最終日に声明文が発表され、要旨は政策決定日の3週間後に公表となります。
世界一の経済大国の金融政策を決定する会議であるため、その決定次第で相場が変動します。

どんな指標:アメリカの金融政策の方向性がわかり、市場の方向性を知ることができる指標
発表日:会合の最終日と政策決定日の3週間後

・フェデラルファンド金利(FF金利)

フェデラルファンドとは民間銀行が連邦準備銀行に預けている準備金のことです。預金残高の一定割合を準備金として無利息で預け入れることが義務付けられております。
FOMCで決定されます。

FF金利はこの準備金が不足している場合に加盟銀行同士でお互いに短期的に資金を借りるときに適用される金利になります。

最近ではFRBがゼロ金利政策をしており、その解除時期が注目されています。

銀行間同士の金利が実質ゼロになれば、銀行から企業等へ貸し出す際の金利も下がり、設備投資等の企業活動が活発になり、景気が拡大する方向に作用します。

どんな指標:金利の変動で債券価格の変動や株価の変動が予想できる指標
発表日:FOMCと同じ

最後に

今回はアメリカの経済指標を紹介しました。

アメリカの経済指標は世界一の経済大国なだけあって、他の国の市場などにも大きく影響します。

日本の金融商品だけしかないから知らなくていいやって思っているとある日の朝急に日本の株が下がることから始まったりするので気を付けてください。

今回紹介した経済指標は大体他の国でも同じような指標がありますので、経済大国の指標を見ておくと自分の金融商品にどんな影響が出るか予想が立てやすいと思いますので、ぜひ見てみてください。

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