【詩】救い



友よ。

君は今この墓の下に眠っている。

その眠りは安らかだろうか?

君は意志のはたらきがすっかり消滅し、

激しい情熱の支配から逃れているだろうか。

見知らぬ少女を助けて死んだ君は、

完全に幸福な男だったよ。

君の家に救いが訪れた日は、

僕もまた涙を流したものだった。

君の残された家族と僕のためにも、

君に復活してもらいたい思いはある。

けれどそれは君の平穏を妨げることだ。

僕らは僕らの方法で救いに達しなければならない。

救いは僕ら全員を待ちうけている。

僕が救われた暁には、また二人で酒を飲みかわそうじゃないか。

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