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feat. 河合優実🎥目黒シネマ 愛なのに/サマーフィルムにのって

錦戸亮の仕事ウォッチングで「家族だから愛したんじゃなくて、愛したら家族だった」を観はじめたおかげで色んな演者や作り手と出会えた。名作は人を集めるだけじゃなく、繋げてくれる。嬉しいものだ。

目黒シネマで河合優実特集をやる情報はカリフォルニア州在住の友人に教えてもらった。日本在住のボクは地の利を生かし、迷わず目黒シネマに向かった。名画座は久しぶりだ。宮崎から2浪目に上京したボクは昼過ぎに予備校が終わると飯田橋ギンレイホール、八重洲スター座、文芸坐など各地の名画座に直行した。今思えば現実逃避をしていたんだと思う。500円で3本、6,7時間逃避出来たらコスパサイコーの隠れ家だった。浪人時代に映像への興味が爆あがりしたのは「現実逃避」きっかけだったとは情け無いが事実だ(笑)また脱線した💦

日曜朝イチからみた「少女は卒業しない」「PLAN75」と違い「愛なのに」「サマーフィルムにのって」は夕方から始まる。目黒のカレーうどん名店で腹ごしらえをして目黒シネマに向かった。

こんぴら茶屋 🎥目黒シネマ

愛なのに 
城定秀夫が監督、今泉力哉が脚本を務め、瀬戸康史の主演で一方通行の恋愛が交差するさまを描いたラブコメディ。
城定と今泉が互いに脚本を提供しあってR15+指定のラブストーリー映画を製作するコラボ企画「L/R15」の1本。
【あらすじ】古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、店に通う女子高生・岬(河合優実)から求婚されるが、多田には一花(さとうほなみ)という忘れられない存在の女性がいた。一方、結婚式の準備に追われる一花は、婚約相手の亮介(中島歩)とウェディングプランナーの美樹(向里憂香)が男女の関係になっていることを知らずにいた。

愛なのに

何ヶ所か声を出して笑った。劇場でみて良かった作品。よく出来た作品はどれも演者が魅力的にみえる。瀬戸康史、河合優実、さとうほなみ、中島歩、向里憂香の5人の魅力が溢れていた。城定秀夫監督はピンク映画の名手とのこともあってか、濡れ場も美しいだけじゃなく臨場感があり、リアルで人の欲情がよく出ていて、それが笑いに繋がっていたりもした。さとうほなみが、ゲスの極み乙女のドラマーほないこかだと後で気づいた。

岬/河合優実以外の登場人物皆が「バカだなぁ」と思われそうな、軽率な行動をついしてしまうのが可愛らしくもみえる。当事者は必死だったり(一花)、愛を軽くみて欲に正直に(亮介)していたり、その場のスリルを楽しんだり(美樹)、過去の恋が忘れられず(多田)にいたりで、行き場のない選択をしたりしているが、それを引いて見ていられる作りになっているから軽率な行動も情状酌量できるから可愛気があるように思えるのかも(笑)。

愛なのに の面々

LOVE IS BLIND

世界中の皆が知っているように「恋は盲目」だ。岬は、古本屋の店主・多田に恋している。いきなり「少女地獄」(夢野久作)を万引きし、走る。多田は追う。万引きした理由は「自分の名前を憶えてほしかった」から。そして「この世には多田さんより魅力的な人はいない」と恋文を手渡す。何度も手渡しプロポーズまでする。一方、多田はかつてのバイト仲間、一花のことが忘れられないでいる。岬は「告白してフラれたんですよね?」「じゃあ諦めた方がいいですよね」とこともなげに言う。多田が憧れているだけだと見抜いているかのように。撮影中、瀬戸康史は河合優実には自分が見透かされそうだ、と感じていたという。そんな河合優実は、通信簿によく「裏で冷静にみんなを見ている」と書かれていたらしい。

「愛なのに」では、それぞれが身体を投げ打ち晒し、愛や欲を演じている。そんな中、岬はブレずに愛を貫き通している。たとえそれが一過性のものかもしれないが一点の曇りもない愛情は清々しい。

「愛なのに」主題歌 みらん「低い飛行機」


サマーフィルムにのって

映画部の陰キャ女子高生が、未来からやってきたイケメンを主演に時代劇映画を撮る話。勝新太郎を敬愛する高校3年生のハダシ(伊藤万理華)。キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎(金子大地)。すぐさま個性豊かな仲間、ビート版(河合優実)ブルーハワイ(祷キララ)を集め出したハダシは、文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。『この夏の間だけ、みんなの青春、私にちょうだい!』宣言するハダシ。青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった――。

サマーフィルムにのって

本作はコロナ禍の影響により撮影が一時中断している。ポスターの写真について、ブルーハワイ役の祷は「撮影が中断になった翌日、ポスターの写真撮影をしたんです。3人が屋上で叫んでいるのは、やけくそになっているところ。『なんで中止なんだ!』『絶対再開してやる!!』みたいな(笑)」と裏話を披露し、伊藤も「楽しそうだけどやけくそだったよね」と回想している。

爽やかな映画。「愛なのに」にひき続きみた。観客はほぼ倍の人数。20代の若者たちが多数。終演後、階段や色んな場所で撮影していた。『ビート板やブルーハワイってネーミングも最っ高だったね!みんなメッチャ可愛いかったよね~』と女子2人組が感想を話しあいながら駅に向かっていた。伊藤万理華が乃木坂46の卒業生だっって気づいたのは、エンドロールの制作筆頭に今野義雄さんの名前を見つけたからだ。坂道グループの育ての親で、熱い人だ。『乃木坂46ハワイまるかじり』という番組をやった時、自費でハワイまで表敬訪問しに来てくれたナイスガイだ。ハダシも心強かったはず。Cody Leeの主題歌「異星人エイリアンと熱帯夜」も良かった。河合優実研究で見にいったボクにとっては、もっと活躍してほしかった部分もあったけれど、ビート板をキッチリ魅力的な高校生に仕上げていた。




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