チケットノルマ制度でチケット売る

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さて、前回はアルバイトミュージシャンの収支ついてのお話をしましたが、今回はチケットノルマ制度でチケットを売る難しさについてお話ししようと思います。

チケットノルマ制度については以前書いたこちらの記事をご参考にしていただければと思いますが、バンドがライブハウスでライブをしようと思うと結構な金額がバンド側に課せられます。

相場は一概には言えませんが、私の感覚では前回の記事に載せたメールの内容にある通常価格

2,000円×15枚+機材費2,100円=32,100円

辺りがよくある料金相場な気がします。

なので、この金額設定で話を進めていきたいと思います。

ではここでまた、とあるバンド〔ScrApple〕さんに再度ご登場いただきたいと思います。笑

ここからの話は実際に私がバンド活動を通して経験したことや、他のバンドから聞いた話などを織り交ぜつつ書いた話です。

実際に〔ScrApple〕で起きた話そのものではありませんが、このようなことがバンド活動している若者が経験するあるある話として書いています。

また、駆け出しバンドという設定で話を進めていますが、活動歴が長いバンドだったら知り合いやファンが多く、下記の状況が大きく違うのかというとそうでもありません。

なので、バンド事情一般としてお読みいただいて結構です。


ノルマチケットを販売するのは大変か

〔ScrApple〕はボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人バンドでしたので、一人当たり売らなければならないチケットは約4枚です。

これだけ聞けば、

「やっぱり余裕じゃねえか!たった4人にチケットうりゃいいんでしょ!」

と思います。

私もかつてはそう思っていましたが、とりあえず話を続けます。

まずこのチケットノルマの案内だけを見ていると気づかない”落とし穴”があります。

実はこのチケットをお客さんが買う時には、2,500円になります。

「なんで!?」

と思いますが、これもライブハウス特有の習慣なのですが、チケット料金とは別にワンドリンク(たいていの場合500円)を強制的に徴収するシステムになっており、これがチケット代に乗っかってきます。

ドリンクは飲もうが飲まなかろうが支払います。

なので、来てくれる人にチケットを売る際には2,500円のチケットとして販売しなければなりません。

バンド側がそれを知らずにチケット販売の案内をし、

「2,000円って聞いていたのに、受付で2,500円取られたよ。」

というふうに、お客さんに迷惑をかけてしまうケースも実際なくはありません。

それでは、2,500円でチケットを売らなければならない事を学んだ〔ScrApple〕の大学生ドラマーI君は意気揚々とチケット販売を試みます。

しかし、いきなりI君は壁にぶち当たります。

初めてのライブ、誰にチケット売ったらいいのでしょう。

活動実績もなく、ファンなど当然いません。SNSでいくら告知したって音源もない、ろくな写真もないバンドに問い合わせなどありません。

そこで、とりあえず中高校時代の同級生に連絡を試みますが、ここでも試練が。

そもそも都内に住んでいなかったり、会場まで遠かったりということで断念しかけましたが、〔ScrApple〕の初ライブという言葉を武器に一生懸命声を掛けます。

めでたく同級生は2人約束が取れました!

しかし、まだ2枚残っています。

つづいて、大学の同級生に話を掛けます。

音楽サークル所属だったので評判は上々!

とおもいきや、なんとその日はサークル活動日と被っていました…

ピンチと思われましたが、折角の初ライブということで何とか2枚売る事が出来ました!

これでノルマ達成!!あとは本番を迎えるだけだと一安心のI君。

後日、〔ScrApple〕のリハーサルがあり他のメンバーにチケット売り上げの状況を聞いてみました。

すると他のメンバーもチケット販売に悪戦苦闘しており、全体としてノルマを達成していませんでした。

一応一人当たり4枚販売という風に振り分けたものの、

「バンドはチームプレーだ!」

と、メンバーのチケットも売るために引き続きライブに来てくれそうな友達を探すI君。

チケットの販売に悪戦苦闘しつつもライブを数日後に控えたある日、ライブに誘っていた友達から、

「ごめん!ライブの日に急用が出来て行けなくなってしまった…m(__)m」

との連絡が…!!

自分のノルマ分も未達成となってしまいました!

結局そのままライブ当日を迎え、バンドで達成したチケット販売枚数は10枚。

残りの5枚と機材費を払う初ライブとなりました。


ライブまでにかかったお金は?

このライブまでにリハーサル(2000円)を4回していたので、交通費(700円を一律として)も含めると

リハーサル費用

(2000+700)×4=10,800円

ライブ費用

{(2000×5+2100)÷4}+700=3,725円

結局ライブまでにかかったお金の合計は

10800+3725=14,525円

です。

これはバンド活動の実態を分かりやすくする為の創作話として書いていますが、

現実と全く乖離した話ではありません。

またチケット10枚販売というのは、バンドとしてはかなり健闘しているほうです。

その上、実際はもっとリハーサル回数が多かったり、ライブ後の打ち上げに参加したりなど、上記の出費より高くつくことのほうが多いです。

バンド経験したことがある方にとっては、この話は結構あるあるな話としてイメージしやすいのではないでしょうか?

このチケットノルマの問題点は多々あります。

・売る相手がほぼ自分の知り合いに限られる。

・新規ファンの獲得が非常に難しい

・チケット代が設定できない

・ノルマ以上に販売してもほとんどバックされない。

・集客責任がバンドに全てふりかかっている

など。。。

ざっと思いつくだけでこんな感じですが、次回はこの点についてさらに色々書きたいと思います。

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