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主役もつらいよ~【クイーン和訳】Show must go on【トド版】

うおおおお。この曲、涙なしに聴けるやつおるの?!つらいわなー。「人生は自作自演のドラマ」ってゆわはったのは、一橋大学大学院教授の佐山先生やんか。しやけど、まあ、時として、自作自演の主役も時として辛いこともあんねんな。ちゅう訳で、Queen最後期の曲。今回も頑張って解説していくで~。いつものように、翻訳だけ見たい奴は、記事の最後まで一気にゴーやで!

ちな、23年9月の今日、2年ぶりに一部翻訳を見直した。前よりピタッと来とるはずや。


曲の魂

この曲は、もう圧倒的に人生や。全体を貫くのは、「そこかしこで繰り返される日々」に対する虚無感。そこで味わっとる「終わらない苦しみ」。それでもその永劫の繰り返しを突き進んでいくことに対す気概や「絞り出す気力」。
Show must go on」ってな、「舞台は幕が上がったら、何が起きても、それを飲み込んで最後までやらなアカン」ちゅうショービズ界の合言葉みたいなもんなんや。
フレディにとっては、フレディ・マーキュリーとして生きる人生そのものがショーやったんやな。これがこの曲の魂やねん。

訳してて、むっちゃ辛かったわ。ちゅう訳で早速見ていこかー。

その1

Empty spaces,
倉庫は空のまま。
what are we living for?
何を入れようとしてたんだっけ?
Abandoned places, 
もう行かなくなっちまった場所。
I guess we know the score
俺たち、音楽だけは分かってたはずだよな
On and on,
同じことの繰り返し。
does anybody know what we are looking for?
誰でもいい、俺たちが何を探してたのか、教えてくれ

のっけから、むつかしいやんwww

「Living for」ゆうたら、「~を目的に生きている」「~を求めている」みたいな意味やんか。けどその前の 「Empty Space」 ちゅうのが、まあ、分からんやろwww
文脈で判断するしかないんやけど、意味のある訳にするなら
「空っぽの倉庫」
くらいやないか。要するに、
「ずっと何かを求めてさまよってきたけど、それを置いておこうと思った倉庫は空のまま(=まだ何にも見つかってへん)」
ちゅう感じや。

続く、「Abandoned Place」も、訳しにくいなー。直訳すれば、「捨てられた場所」ってことなんやけど、これも文脈から
「もう行かなくなっちまった場所」
ってしておいた。ここら辺は、ホンマむつかしくて悩むところやから、もしかしたら将来、この訳変えるかもしれへん。で、そっからの、これ。
「I guess we know the score」
「The score」も分からんやんか。普通に訳すと、そのまま「スコア(得点)」なんやけど「その得点を多分俺たちは知ってるだろ」やと意味は分からんやろ。

でな、「Score」は「楽譜」っていう意味でも使うことあるんやんか。

つまりな、もうここまで来て、自分たちが何やっとるのか分からなくなってもうとるんや。何が目的でやってきたのか。気がついてみると、何も残してへん。何も残ってへん。
自分たちが、何より信じていた自分たちの音楽に対しても自信がなくなってもうた。とゆうか、かつて音楽に対して持っていた何かが幻のように消えてしまったみたいな感じやねんな。

その2

Another hero, another mindless crime
つまらない犯罪とヒーローが毎日生まれてる
Behind the curtain, in the pantomime
誰にも見えず、聞こえないところで起きてる
Hold the line, does anybody want to take it anymore?
繰り返し。こんなの誰が続けたいんだ?
The show must go on
ショーは止められない
The show must go on
最後まで突っ走るだけさ
Yeah
Inside my heart is breaking
心がボロボロだって
My make-up may be flaking
メイクが落ちかけてたって
But my smile still stays on
俺は笑って立ち続ける

これな。「Another hero, another mindless crime」。
「Another」って、「もう一つの」って訳やろ。けどな、英語と日本語のニュアンスの差が微妙に出てくんねん。英語で「Another」ちゅうと、文脈にもよるんやけど、「複製された(ように)同じ」ちゅうニュアンスがはいってくんねん。

『La La Land』のオープニング曲「Another Day of Sun」てあるやんか。あの曲ってな、「LAでは自分の夢が破れても、太陽が照りつけるAnother dayがやってくる」ちゅう曲やねん。
この曲、ざっと文脈拾うと「自分がどん底なのに、今日もまたかつての自分と同じように夢を持ってハリウッドにやってくる連中がおって、太陽は自分のことなんて何もなかったかのように昨日と同じように街を照らしてる」みたいな。なんか、それだけで、泣けるやろ。ワイは泣けるww

いずれ、『LaLa Land』の歌詞については詳細な解説も書いてみたいとおもっとるけど、Anotherってまあ、そうゆうことやねん。

しやから「Another XXXX, Another XXXX」ちゅうのも英語では時々見かける表現なんやけど、「同じ事の繰り返し」てゆうニュアンスやねん。この界隈で一番、よく聞くのは「Another day, another dollar」。「最近、どうだい?」みたいな問いかけに対する答えでよく使われるやつやねん。ゆうたら、「一日仕事して、一日分稼ぐの繰り返しさ」って感じや。

ちゅうわけで、「「Another hero(同じようなヒーロー), another mindless crime(同じような取るに足らない犯罪)」は、なんちゅうか日常的に繰り返される些細ないざこさと、そんないざこざでも解決したやつ(もしかしたら当事者ってこともあるで)がヒーローってこと。まあ、そうゆうことがそこかしこで起きとるやんか。ここでは、「つまらない犯罪とヒーローが毎日生まれてる」って訳しておいた。

ところで、この冒頭を劇として捉えて訳してるの多いけど、「ヒーローショー」「犯罪劇」「パントマイム」「カーテンの裏(楽屋?)」とかって訳してるケースがよくあるんやけど、ワイは、その解釈は採用してへん。

「Behind the curtain」ってそもそも「秘密裏に」「目につかへんところで」ちゅう慣用表現やし、「Hero」「Crime」をいきなり劇に結び付けるのは、ちょっと無理があると思っとるからや。
「Behind the curtain」で「目につかへん」、「Pantomime(無言劇)」で「聞こえへん」ちゅう解釈をしてみた。

その3

Whatever happens, I'll leave it all to chance
何が起きたって、立ち止まらない
Another heartache, another failed romance
また心を痛めて、また恋が終わる
On and on,
終わることない繰り返し。
does anybody know what we are living for?
自分がなんのために生きてるか知ってるやつなんているか?
I guess I'm learning (I'm learning), I must be warmer now
俺は哀しみを重ねて、前より少しは優しくなってるだろ
I'll soon be turning (turning, turning, turning), 'round the corner now
辛い日々も、もうじき終わる
Outside the dawn is breaking
外じゃ夜が明けかけてるのに
But inside in the dark I'm aching to be free
俺はまだ自由を求め暗闇でのたうち回ってる
The show must go on
ショーは止められない
The show must go on (yeah yeah)
最後まで突っ走るだけさ
Ooh, inside my heart is breaking
心がどんなにボロボロだって
My make-up may be flaking
メイクが落ちかけてたって
But my smile still stays on
俺は笑顔で立ち続ける
Yeah

「Whatever happens, I'll leave it all to chance」
「leave it to」は、「~に任せる」ちゅう意味。ここでの「Chance」は日本語の「チャンス」とはニュアンスが違っとって、「運」「出た目」「成り行き」くらいの意味にとっておくくらいが妥当。しやから、「何が起きても、立ち止まらない」にしておいた。

「I guess I'm learning (I'm learning), I must be warmer now」
直訳したら「俺は色々学んでいるから、前より暖かい人間になったに違いないと思う」なんやけど、それやと「何を学んできとんねん」ちゅう感じやないか。しやからその辺り、少し文脈から汲んで、「哀しみを重ねて、優しくなった」ってしてみた。ちょっと金八先生みたいなのは、オマージュちゅうことでwww

「I'll soon be turning (turning, turning, turning), 'round the corner now」
「もうすぐ、コーナーを曲がる」そんだけやねんけどな、文脈からゆうたら、「もう走り続けられへん」「もうすぐ、リタイア」、もっと直接的にゆうたら「最期の時は近い」ゆうことやねん。日本語やと「人生の折り返し地点」みたいな表現があって、それと混同してまうかもやけど、こっちは全然「折り返し」とかやなくて、なんちゅうか、もう、コースアウトみたいな感じや。

その4

My soul is painted like the wings of butterflies
俺の魂は蝶の羽根のみたいにキラキラだ
Fairy tales of yesterday will grow but never die
妖精伝説は不滅だぜ。尾ひれをつけて語り継がれてく
I can fly my friends
俺は空も翔べるんだってよ
The show must go on, yeah
ショーは、最後まで続けなきゃならない
The show must go on
ショーは最期まで終わらない
I'll face it with a grin
苦しくったって、俺は歯を見せつけて笑ってやる
I'm never giving in
膝をついたりするもんか
On with the show
ショーが続いてる限り
Ooh, I'll top the bill, I'll overkill
俺が主役だ。俺は無敵だ
I have to find the will to carry on
主役も楽じゃないぜ
(On with the show, on with the show)
(ショーが続く限り、ショーが続いている限り)
Show (show must go on, go on)
ショーが続く限り、、、
Songwriters: Roger Taylor / John Deacon / Brian May / Freddie Mercury
The Show Must Go On lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC

「Fairy tales of yesterday will grow but never die」
これは、「語り継がれてきた妖精伝説は不滅で、むしろ成長していく」みたいな感じや。「伝説が成長していく」ちゅうのはな、ようするに「尾ひれがついてく」ちゅうことやねん。
あと、前後の文脈からしたら、もちろん、妖精ちゅうのは、フレディ自身やで。そんで、そこからの、、、

「I can fly my friends」
『鉄コン筋クリート』で、このセリフあったやんか。まあ、全然、関係ないけど。ここを普通に「俺は飛べるんだぜ!」とか訳してまうと、文脈が切れてまうやんか。
ワイ的な正解訳は、「俺は空も翔べるんだってよ!」や。「~だってよ」が、ポイントやで!
前の二行で、自分(の魂)は妖精で、そしてその伝説には「尾ひれがつく」ゆうとるやんか。
ここでは、そんな風についた「尾ひれ」を「俺、翔べることになってるらしいぜ!」みたいにゆうとるわけや。

「The show must go on」
ここで、出てくる「The show must go on」の訳には、それまでの「最後」やなくて、「最期」をあてた。よもや、この二つの区別がつかんやつはおらんと思うけど、一応ゆうとくと、「最期」ゆうのは、死ぬときのことやねんでww

「The show must go on
ショーは最期まで終わらない
I'll face it with a grin
苦しくったって、俺は歯を見せつけて笑ってやる
I'm never giving in
膝をついたりするもんか
On with the show
ショーが続いてる限り
Ooh, I'll top the bill, I'll overkill
俺が主役だ。俺は無敵だ
I have to find the will to carry on
主役も楽じゃないぜ」

もう、「最期」からは一連の流れやから、断片的な解説は無理や。フレディ、もうヘロヘロやねん。伝説では空も翔べるはずなんやけど、もー、体も精神も限界いっぱいいっぱい。でも「フレディ・マーキュリー」は、無敵で居続けなアカンねん。辛いやろ。辛いけど、それがフレディのサガ、カルマ、運命、プライド、魂やねんな。

最後の最後「I have to find the will to carry on」は、直訳したら「俺は、これを続けるための意思を見つけないといけない」ちゅうことなんやけど、要するに、もうなんとか「俺は主役だ!」って突っ張れる理由をかき集めとるゆうことなんや。辛いやろ。ワイの訳は、しやから「主役も楽じゃないぜ!」にしておいた。「主役はつらいよ」でもよかったんやけどwwww


倉庫は空のまま。
何を入れようとしてたんだっけ?
もう行かなくなっちまった場所。
俺たち、音楽だけは分かってたはずだよな?
同じことの繰り返し。
誰でもいい、俺たちが何を求めてたのか、教えてくれ

つまらない犯罪とヒーローが毎日生まれてる
誰にも見えず、聞こえないところで起きてる
繰り返し。こんなの誰が続けたいんだ?
ショーは止められない
最後まで突っ走るだけさ
Yeah
心がボロボロだって
メイクが落ちかけてたって
俺は笑って立ち続ける

何が起きたって、立ち止まらない
また心を痛めて、また恋が終わる 
終わることない繰り返し。
自分がなんのために生きてるか
知ってるやつなんているか?
俺は哀しみを重ねて、前より少し優しくなってるだろ

辛い日々はもうじき終わる
外じゃ夜が明けかけてるのに
俺はまだ自由を求め暗闇でのたうち回ってる
ショーは止められない
最後まで突っ走るだけさ
心がどんなにボロボロだって
メイクが落ちかけてたって
俺は笑顔でたち続ける
Yeah

俺の魂は蝶の羽根のみたいにキラキラだ
妖精伝説は不滅だぜ。尾ひれをつけて語り継がれてく
俺は空も翔べるんだってよ
ショーは、最後まで続けなきゃならない
ショーは最期まで終わらない
苦しくったって、俺は歯を見せつけて笑ってやる
膝をついたりするもんか

ショーが続いてる限り
俺が主役だ。俺は無敵だ
主役も楽じゃないぜ
(ショーが続く限り、ショーが続いている限り)
Show (show must go on, go on)
ショーが続く限り、、、

Songwriters: Roger Taylor / John Deacon / Brian May / Freddie Mercury
The Show Must Go On lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC

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