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ブランディングにめちゃくちゃ悩んでいる話

視覚障害者のつくるもの、彼らの商売をどうブランディングするかを1年経ってるけど未だに悩んでいる。きちんと考える時間をとれてないといった方が正しいかもしれない。

はじめに言っておくけれど、ぼくはブランディングの仕事はBtoBのビジネスでマーケティングの一環で儲かるならやらない手はないと少しかじった程度に過ぎない。ブランディングの経験があるとは言えない。だって、ぼくがやったのって営業のセールストークの統一と、積極的に使って欲しい言葉と、使ってほしくない言葉を決めて、営業チームに「これやったら契約取れたんですよ、えへへ」とペコペコしてただけだから。あとは王道の、大手と少々不利な条件でも契約取って実績作って、それをたてに「あの業界大手の○○で採用されてるんですよ」ってキラーワードを作ってたけど、それはぼくの仕事じゃない。

それで、ブランディングというと、グッチとかヴィトンとか高級品をイメージしがちだけれど、それはブランドのごくごく一部。

「熱っぽいけど病院行くほどではない、とりあえず○○のんでおくか」と思ったときに○○に思い浮かぶとか。この場合ならバファリンとか。赤と白のカラーパターンを見るとコカ・コーラを思い浮かべるとか。

「こういう場面なら○○」に名前が上がってくるかどうか。数ある競合品のなから選ばれるかどうか。選択肢に上がってくるかどうか。ブランドには強弱があるけれど、ブランドが存在しないものはない。

あの話題なら○○さんに聞いてみようと思ったとして、その○○さんにはその話題に関してのブランドがあると言える。○○さんならその話題のことを知っていると期待するに足る信頼があるということ。

つまりは、どういうイメージをその商品に持ってもらいたいかを世間に打ち出すのがブランディングと言える。なので、CMを見ているとこの商品はこういうシチュエーションで使って欲しいものなんだな、このシチュエーションでの認知を取りに来てるんだなと理解できるので、そういう視点で見ると面白い。

炭酸飲料のCMなら、たいていゴクゴク飲んで「プハーッ!爽快!」みたいなのをやってたりするけれど、それはつまりリフレッシュしたいときとか、爽快感が欲しいときにどうぞ飲んでねという企業側の提案であり、何かスカッとしたいとかそういう飲み物が欲しいと思ったときに思い浮かんで欲しいという願いでもある。その場面での認知を取りにきてる。…たぶん。

というわけで、ぼくの場合は視覚障害者がつくる商品をブランディングというよりは、その商品を通して視覚障害者のブランディングをしようとしている。正確にいうと、障害者は何もできないというレッテルを取り除いて、新しいイメージを植え付けるリブランディングということになる。

言葉や写真じゃうまく伝わらなかったので、じゃあ実際に見てもらおう、それで考え方を変えてもらおうと思ったのだけど、どうせたいしたことないでしょの壁を超えることができなかった。つまりは、実際に足を運んで来てもらうことができなかった。見てもらえなかった。

それで動画をつくり、テレビ取材を受け…とまずは手先が器用ですアピール(=なにもできないわけじゃない)をし、SNSを通して、スマホも使うし料理だって自分たちでやるんだ(=目が見えないだけで、他の人たちと何も変わらない)という発信をしてきた。

それでもリーチできる層には限界があるのと、そんなに頻繁に話題の提供ができないので、ウェブ上だけでなく、リアルな場でもいわゆる顧客接点をもってブランディングをする必要があるとかれこれ1年くらい思い続けている。

まずは世間の人が持ってる「目が見えないのにそんなことできるはずない!」っていうギャップを利用して、全盲の人に難しいハンドメイドと色を塗ってもらったりして世間の注目とテレビ取材をゲットできたわけだけど、世間の注目とか取材とかって一過性のものだから継続性がない。

どんどん新しいことを仕掛けて世間の注目を留めておくとか、定期的に話題の提供をしないといけないわけだが…。

そもそもどういうメッセージを込めるかが定まっていない。ストーリーテリングできてない。どういうイメージをもってもらいたいのかが現状ぼくがだしたことって、なんか上っ面だけっぽくて深みがない気がする。

なにが言いたいかというと、独り善がりな気がしてしまう。

全盲でもこんなことできるんですよ、すごいでしょ。ぼくたちがつくるクラフトは丁寧に作っているから品質良いですよ

とは言えるが、顧客の立場からすると、So what? な気がする。

何かが欠けてる。プロダクトとメッセージをつなぐ何かが欠けているのか、プロダクトに何かかけているのかわからないけれど、「うわ、すごい!」ってサプライズは起こすことに成功してるし、ある程度は支持されている。

けれど、欲しいとは思われてないし、お金だしてまで応援したいとまで共感はされてない。

だから、「だったらてめぇらが欲しがるものを作ってやんよ」ってことでの意味もあって、バナナの木でカバンを作ろうとしてるわけだけど、ブランディングという立場からすると、やっぱり何か違う気がする。違うのか足りないのかわからないけれど、絶妙に噛み合ってない気がしてしまう。

ちょっと抽象的な話だったから明日はもっと具体的に何に悩んでいるのか書こうと思う。

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