藤堂猫(とどねこ)

関西の狭間に潜む兼業ヘビーシッター。 ヘビを飼育した事無いけど興味は有る方への雑記置き…

藤堂猫(とどねこ)

関西の狭間に潜む兼業ヘビーシッター。 ヘビを飼育した事無いけど興味は有る方への雑記置き場(所謂チラ裏) 飼育指南ではありませんので参考にしない様に。写真が出るので本当に嫌いな方はお引き取り下さい。

最近の記事

#18 動取業のヘビ話

◆動取業  爬虫類を繁殖して販売する為には犬猫と同じく、管轄の保健所に届出をして「第一種動物取扱業」を取得する必要が有ります。略して動取業。 自分が申請の時に飼育部屋はこうしたよ、という記録として残しておきますが、この話を書いた所で動物愛護法の改正によって基準が変わる上、 実際に施設の確認に来る管轄保健所の担当者の解釈によって全然違うので、取得を目指す方は保健所に相談される方が良いと思います。 ◆何故取得するのか  繁殖させると1度に15~20個程の卵が産まれます。人工繁

    • #17 環境のヘビ話

      ◆飼育環境  人によって大きく違う項目すぎて、果たして自分の環境を書いた所で参考になるのかという懸念がありますが…初めて飼育される方には書籍やネットのちゃんとしたサイトで情報を得て頂く事を前提としながら、でもウチではこんな環境ですよ、という形で書いていきます。 自分が使用する物はケージ・水入れタッパ・床材の3種類のみです。 ◆サイズ感  生まれたてハッチサイズのコーンスネークを購入すると体重4~8g、全長30cm弱の個体が多いかと思います。 ここからアダルトサイズまで成長す

      • #16 ニオイのヘビ話

        *色々と汚い話もありますのでお食事中の閲覧はご注意下さい。  爬虫類を飼育するメリットとしてよく挙げられる項目 ・散歩が要らない(世話が楽) ・鳴かない ・匂わない 今回はこのニオイについてのお話です。  大前提としてヘビの生体そのものはあまりニオイはしないです。 犬なんかは毛そのものに結構ニオイが有るし、動物園のふれあいコーナーで動物を触った後には獣っぽいニオイが手に付きます。  その点、爬虫類が生体そのものに大してニオイが無いのは間違いない。 ただし飼うとなればそれだ

        • #15 医者のヘビ話

          ◆危険  各所で注意喚起が行われているのでご存知の方も増えて参りましたが、一応こちらでも… ここ数年で増えたワンプッシュ系の殺虫剤。自分の会社にもありますが、1日1プッシュで〇十日も効果が!の便利さから一気に普及しているのですが、人間に害は無くとも魚類・爬虫類への影響は大いにあります。 確か数年前に製造メーカー側が鑑賞魚への影響は認めていたはず… 飼育部屋以外、屋外に撒いても、爬虫類が体調を崩したという話を聞くので注意が必要です! 自分の飼育環境だと年中餌用のコオロギがストッ

          #14 脱皮のヘビ話

          ◆魅惑の抜け殻  脱皮をした後に残された半透明で薄いヘビの抜け殻。目、口、鼻、鱗の一枚一枚まできっちり再現されていて、種類によっては脱いだ後の脱皮殻も虹色に輝いたりするので大変面白い。 脱ぎたては水分を含んでいて柔らかく、この段階であれば慎重に伸ばせば綺麗に伸ばして観察できますが乾くと結構パリパリになります。  飼育を始めた最初の頃は珍しかったのも有って残そうとしていましたが 1匹が月に1度脱皮するのを数回集めた所で飽きました。増えすぎる。 ◆脱皮とは  イメージ的には洋服

          #13 ハッチのヘビ話

           今年のコーンスネークのハッチを迎えました。 ライティングで孵化直前の卵を見ると一目瞭然。血管で赤く見えていた卵も皮膚が出来る事で白く見える様になり、皮膚が出来た事で中のヘビの体らしい体が影絵の様に透けて見えます。ここまで成長すると1、2日以内に卵に切り裂いた跡が付き、顔を覗かせます。  この1クラッチ(=1匹の親が1度に産んだ卵達)分は全部で17個有精卵が有り、全数の孵化までに3日掛かりました。しかし全頭が自力で孵化出来たので中々優秀ですね! 卵は温室管理で常時29℃設定

          #12 奇形のヘビ話

          良い事ばかりではなく、たまには楽しくない事も。 人工繁殖をさせていると、一定数は奇形個体が産まれてきます。  卵の殻を切り裂いて出て来る…はずが出る力の無い個体も居れば、自力で出てきたけれども脱皮前に…という個体も居ます。 販売に回せないレベルの奇形であれば自分の手元に置いてますが時間と共に生活に不具合が生じてお亡くなりになられます。 モルフの話でも触れましたが、遺伝的に綺麗な種親を使うので血が濃くなり、珍しいモルフほど多くの遺伝情報が重なった結果なので虚弱体質という…

          #11 モルフのヘビ話

          続・遺伝の話です。 コーンスネーク…に限った話では無いのですが、当方の繁殖で中心になっているコーンスネーク前提で話を進めます。 ◆モルフのこと 赤・黒・黄の3色を元に色々な色や模様を組み合わせた品種を「モルフ」と呼んでいます。 モルフには野性の特徴を引き継ぐシングルモルフと、それらを掛け合わせる事で作られるコンボモルフがあります。  一番有名なのはシングルモルフであるアメラニ(黒を持たない赤と白)とアネリ(赤を持たない黒白)を掛け合わせる事で生まれるコンボモルフ、 黒と赤を

          #11 モルフのヘビ話

          #10 遺伝のヘビ話

           産まれるヘビなんて親と同じなんじゃないの?と思われがちですが同じ色しか産まれないなら自分で繁殖させていないわけで… 真剣に書こうとすると自分の浅い知識では、この魅力的な面白さを伝えきれないのは分かっているのですが、自分の中では「この為に繁殖しとんねん!」くらい楽しい事でもあるのでザックリと書いていく事にします。 詳しく知りたければ本格サイトは沢山有りますのでそちらを!(謎フォロー)  ◆実例  まずはこちら。コロンビアレインボーボアのオスとメスです。どちらもだいたい茶色

          #9 食育のヘビ話

          続・孵化待ちの間に餌の話。 ◆教育方針  生物飼育の醍醐味が給餌タイムだという事は前回述べた通りですが、食わない個体ってどうするの?というのが今回の内容です。 野性のヘビの生態としては卵を沢山産み、大半は成長途中で食われたり死んだりして一部が大人になって生き延びてきたタイプの生物です。  人工繁殖して飼育すると、食われることも無く大量に生きるので、本来だと弱くて自然淘汰される個体までもが生き残る事になります。  ヘビの飼育難易度はとにかく餌食い。哺乳類だと通用する「腹が減っ

          #8 餌のヘビ話

          孵化待ち別話題。 ◆魅惑の餌やり 「コイの餌やり1回〇円」「ウサギのエサ1カップ〇円」生物好きには魅惑の看板では無いでしょうか? 少なくとも昔から自分はこの手の看板にもれなく釣られていたと思います。水族館や動物園の園内イベントにも餌やりタイムがあるし、爬虫類喫茶にも「餌やり体験できます!」ってポップ有りません? 世の人の多くは生物の食事風景を見るのが好きなんです!メイビー。 ◆完全栄養食  ヘビの食事は基本的には「ネズミ」です。完全栄養食と呼ばれる程、これだけ食べてりゃ間違

          #7 センサーのヘビ話

          現在、卵の孵化待ちですので別の話題でお茶を濁しましょう。。 ◆ヘビの視界  ヘビを飼っていると「こいつら見えてるんじゃないの?」という動きで餌を追ったり、手に噛みついて来たりするんですが… 人間とは全然違う見え方で、サーモグラフィーの様な熱を見分ける視界だと言われています。ワタクシはヘビじゃないので実際の所は分かりません。 ◆コーンスネークの場合  ヘビと一概に言っても種類によって瞳孔の形は様々です。 よく引き合いに出すコーンスネークはまん丸で黒目部分も大きいので、目

          #7 センサーのヘビ話

          #6 孵化のヘビ話

          孵化待ちなので予習がてら孵化のお話を。 ◆日数  産卵から55~60日程度で孵化を迎えます。 日数にバラツキが出るのは「積算温度」にもよるので、積算温度とは?という方の為にざっくり解説。 卵が孵化するまでに必要な合計の温度が基本的に決まっており、温度が高いほど孵化日数が短くなる…という事。 例えば積算温度1680℃(28℃×60日)とすると、 29℃管理したら27.93日、30℃管理では56日になる…と。 実際には1日の中でも温度が一定では無いので計算通りには行きませんが。

          #5 産卵のヘビ話

           前回は卵サイドの話をしたので今回はメスヘビサイドのお話を。  ◆産卵前後  交配後のメスは約1ヵ月程度掛けて体内で卵を育てます。準備が出来ると脱皮をし、脱皮が済むと約1週間程で産卵に入ります。  湿度の有る所に出産したがるので、産卵床として水を含ませた水苔を入れたタッパを用意します。この時の飲み水の入れ物を小さいサイズに変えておかないと水入れに産卵→卵が全て水没死するという事件が発生します。 とは言え、産卵中は結構喉が渇く様で、水を飲みながら頑張ってくれる姿を見ると完全

          #4 卵のヘビ話

           先日交配したコーンスネークの続きです。産卵前に脱皮をした後、1週間~10日で卵がお目見えします。 ◆基本  ウズラ卵を小さくした様な3センチ程度で白~薄黄色の無地な型。 鶏の卵の様な「殻」というよりは「厚めの膜」という表現が近いでしょうか。だいたい一度に10~20個産卵します。自家産の最高記録は31個。 小さめならまだしも大量の時に限って全ての卵が立派なサイズ!正直、卵のサイズと数から逆算してもどうやって体内に収まっていたのか不思議な位。  下記の様に卵を1個ごとに並べ

          #3 性別のヘビ話

           前回、交配の話を書きましたので今回はヘビの性別の話を。 飼育書曰く「オスメスで尻尾の形状が違うので見た目で判る!」らしく、実際に見て分かる方も居られるのですが、自分にはさっぱり分かりません。 なんだろう…愛が足りてない? コーンスネークは発色が良ければオス(の可能性が高い) レインボーボアはメスのほうがデカい(ことが多い) 体質的に強いのはメス(の様な気がする) というざっくりとした傾向はあると思いますが、個人的には個体差だと思っております。 色だってサイズだってハッチした