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楽器屋めぐり、仲間入りしたアンプと、くだらない超幻想。


とある冬の日、電車に揺られていた私は、御茶ノ水に降り立った。楽器屋めぐりをしたかったからである。お目当てはレスポールの試し弾き。この目でこの手でレスポールを見て触れたいという気持ちがふつふつと湧き上がってきた。最近音楽に対する情熱とギターに対する熱量が破竹の勢いで増加している私は、いつしかレスポールに憧れを持つようになった。何年か前に初めてギターを購入した時にはストラトキャスター形だったのだが、最近ではレスポールの丸っこい形に惚れ惚れしている。

天下のギブソンでも良いし、その他メーカーのものでも良い。とにかく見た目も音もビビッときたレスポールに触れてみたかった。
買う買わないはひとまず置いておいて、レスポールが持ちやすいか弾きやすいかこの手で確認してみたい。いざ急に「買います!」となっても「やっぱり重いんでやめます!」となってしまってはレスポールが悲しんでしまう。それに、ビビッときたものに出会って、将来的に高い買い物をするかもしれない。私は意外と慎重派なのである。高いお金が消えていく時はそれなりに吟味してから踏み切りたいものだ。

店舗を巡ると気になる1本を発見した。
白いレスポールだ。真っ白なボディに所々金色のアクセントが入っている。雪だるまみたいですごくかわいい。
私は店員さんに声をかけ、その子を触らせてもらうことにした。ギブソン製では無いが、日本で作られたレスポール形のギターである。値札にはMADE IN JAPANと書かれていた。ピックをつまんでかき鳴らすと、爽やかで癖のないいい音がした。音にも、見た目にも惚れてしまった。
この雪だるまは私の購買意欲を掻き立ててくる。眩しい。こっちを見つめている気がする。ぼっち・ざ・ろっくの喜多ちゃんくらい眩しい。しかし雪だるまを迎え入れるためには諭吉が10人以上お引越しするため、時間を置いてまた考えることにした。


そんなこんなでレスポールに触り、音出しをさせてもらっていると気になるものを発見。
ミニアンプである。黒くて小さい箱に、白地でBLACKSTARと書かれている。
実は、エレキギターとアンプ用のシールドは持っているのだが、アンプはまだ持っていなかったのだ。なにぶん近所迷惑を避けて大きな音を鳴らせなかったので、エレキギター本体から出る音で楽しむしか他になかったのである。
BLACKSTARのアンプにはイヤホンジャックがあり、アンプに繋いだギターの音をイヤホン(またはヘッドホン)から聴くことが出来る。そう店員さんが紹介していた。
これなら近所迷惑にならずにギターの練習ができる。せっかく練習をするのならアンプに繋いでロックな音をかき鳴らしたい。

ということでそのアンプを購入した。
家でのギター練習に、やっとアンプが仲間入りした。数年越しにギターとアンプが繋がった。早速アンプに繋いで音を鳴らす。この音を聴きたかった。これだよこれこれと悦に浸ってると、ふと思い出した。ギター練習は毎日少しずつしているが、曲の練習をしていなかった。曲の練習もそろそろ始めていこうかな。
そういえば白のレスポールを試し弾きをさせてもらった時、早く上達するコツを聞いたら、店員さんがこう話していた。
「僕は初心者の頃たくさん曲の練習していましたよ!」と。曲練あるのみ、なのだろうか。
そしてさらに続けて彼はこう答えた。「僕の若い頃だとアジカンとか…」 

アジカン―ASIAN KUNG-FU GENERATIONは私の中でマイブームが起こっているバンドだ。TVアニメの「ぼっち・ざ・ろっく」でよく元ネタを見かけた。キャラクターの名前にメンバーの名前が使われていたり、話数のタイトルに曲名が使われていたりと所々でアジカンの要素を感じるアニメである。このバンドは有名なので、元々アニメを見る前から名前も知っていて、曲も数曲聴いたことはあった。けれど、アニメを通じて出会った曲もたくさんあり、今では毎日のように聴いている。アニメがきっかけで、アジカンをもっと好きになった。ちなみに、私の好きなアルバムは「ソルファ」と「サーフ ブンガク カマクラ」だ。

そうだ。私も、アジカンをやろう。
アジカンの歌はイントロを聴くだけでボルテージが上がってしまう。私もあの曲たちを弾く側になってみたい。
あのお兄さんが初心者の頃に弾いていたというのだから、やっぱりアジカンは偉大なバンドだ。最近はぼざろとアジカンに取り憑かれてしまったので、このタイミングでやるしかない。
ギターの再スタートの第1歩目は、アジカンの「リライト」に決めた。
「リライト」はアジカンの代表曲で、サビ頭の「消して リライトして」というフレーズが有名である。アニメのオープニングにもなったので、もしかすると一度は聞いたことがあるかもしれない。

というわけで、今は「リライト」のリードギターパートを練習中である。
パワーコードのオクターブ弾き、難しいけど楽しい!!

私をギターの沼へと引き戻してくれたぼっちざろっくとアジカン、ありがとう。



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