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修理完了直後にまたパンク!?気になる原因は…■2023年03月18日更新

広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteをご覧いただきありがとうございます。

普段はそんなにパンを食べないくせに、春のパンまつり(で手に入る食器)は気になる『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。
シンプルで使いやすいし、オシャレでいいですよね。
と言いながら、もう何年もシールを集めきれなくて入手できていませんが。

■春のパンクまつり!?

年度末のこの時期は工事をしている場所を見かける機会が増えます。
工事現場から産業廃棄物等が搬出され、走行中にトラックの荷台の隙間から僅かに破片が転がり落ちたりするものです。
それが風や雨で道路の端に寄せ集められ、自転車が本来通るべき『道路の左端』にもパンクの原因となる異物が溜まります。

■パッチ修理をしない店が増えてきた

パンクの修理と言えばパッチを貼る作業を思い浮かべる人が多いでしょう。
パッチを適切に貼り付けるためには、チューブの患部をヤスリがけする必要があり、その部分の強度はどうしても落ちてしまいます。
なのでパッチ貼り作業は事実上、応急処置みたいなものであって、厳密には修理とは言えません。
その場しのぎの手段なので『パッチ貼り作業をしない』というスタンスの自転車店も増えてきましたね。
実際、パンク修理としては少なくともチューブを新品に交換、状態によってはタイヤやリムテープ等も新品に交換するのがベストです。
それでも何か事情があって応急処置を選択したいユーザーさんもいます。

当店のパッチ貼り作業

さて、応急処置とは言ってもそれなりに技術は必要です。
チューブに空いた穴を見つけ、適切に下処理をしてからパッチをキレイにしっかり貼らなければなりません。
見た目は関係無いと思われがちですが、キレイに貼れていないということは問題です。
空気を充填した時にパッチが徐々に剥がれてしまい、またすぐにパンクする原因になります。
そして見落とされがちな事実ですが、長期間保存されているゴムのりやパッチは劣化しているかもしれません。
希にパッチの不良品が混じっていることもあります。
正しい手順で作業しても、パッチやゴムのりが不良品だったり劣化していたりしたら上手くパッチを貼れません。
貼った後のチェックも大切ですね。

■まさかの修理ミス!?

先日承ったパンク修理(パッチ貼り作業)依頼での実例をご紹介しましょう。
元々は空気圧不足で自転車を運用されていたようで、段差で車輪のフチ(リム)と地面を挟む『リム打ち』が原因と考えられるパンクでした。
適切にパッチを貼り、他にチューブに穴が空いていないことも水を使用してチェック済み。
さらにタイヤ全体に異物が残っていないかを指の腹で入念にチェックし、完璧に作業を終えたと思いました。
ところがその数十分後にお客さんから
「またパンクした」
と言われました。
まさかの修理ミス!?
それともまだ使えると判断したチューブの状態が、実はもう限界だったという私の判断ミスか。
そしてすぐに再度確認してみると…

異物による『突き刺し』が原因のパンクでした。

ガラス片を踏んでしまったようです。
そして気になる箇所は偶然にも…

マーキングしておくとわかりやすくて便利です

1回目にパッチ貼り作業をしたすぐ近くでした。
タイヤは寿命というほどではないものの劣化は認められ、前述したとおりパッチ貼り作業でヤスった部分は弱くなっています。
そこにたまたま異物が刺さったことで再度パンクしたというわけです。

■パンクは運の要素もある

ユーザーさんとしては、
「修理が済んだのにまたすぐパンクするなんて作業ミスじゃないんか!?」
と言いたくなるかもしれません。
確かにショップ(担当者)によっては技術の差があります。
特に急いで作業せざるを得ない状況だと、メカニックも人間なのでヒューマンエラーが絶対に無いとは言い切れません。
そういう事実を知っているので、当店としては急いで雑に仕上げるよりも、適切に時間をかけて丁寧に仕上げることを優先しています。
そうすることでユーザーさんの二度手間を発生させません。

ちなみに私自身が今までに多くのパンク修理依頼を受けてきた中で、パンクの原因の8割くらいは空気圧不足で自転車を運用していたことによる『チューブ劣化』や、段差等で生じる『リム打ち』パンクです。
異物を踏んでしまったことによる突き刺しパンクの例は、全体数で見ると決して多くはありません。
突き刺しパンクは運の要素が強いためなかなか防ぎようがありませんが、適正空気圧を保ちつつ、段差では減速する等の努力でパンクのリスクは下げられます。
できれば最低でも週に1回はタイヤの空気圧もチェックしてみましょう。

■自転車のご依頼・ご相談等はメールでお気軽にどうぞ↓

当店は出張修理等が多いため、決まった店休日や営業時間という概念がありません。
他店様が営業していない時間帯でも予約制にてご依頼等を承ります。
また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。
ご依頼・ご相談はメールにて24時間いつでもどうぞ↓

togt24@gmail.com

※運転中や作業中等ですぐに返信できない場合もありますが、チャット感覚でお気軽にご利用下さいませ。

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