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ケーブル類フル内装化やってみた◎2023年02月07日更新

広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteをご覧いただきありがとうございます。

『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。

※このコンテンツはマニアック度高めです。

■現代的なレーシングバイク

ツール・ド・フランス等のサイクルロードレースを見ているとケーブル類が全然見えない自転車を目にすることが増えてきました。
競技用だからブレーキが無い?
いやいや、競輪ではなくロードレースではそんなことはありません。
ちゃんとブレーキレバーもシフター(変速レバーまたはスイッチ)が付いています。
ではケーブル類はどこにあるのか?
答えはハンドルの内部を通り、ステムの内部からヘッドチューブを経由して各部へ通っています。
『ケーブル内通タイプ』『ケーブル内装式』等と呼ばれるスタイルです。
わざわざそうすることによるメリットやデメリットはここでは置いておき、作業の様子を一部公開します。

■当店の得意分野

元々の仕様の都合上、ケーブル類は全交換します。
ブレーキホースだけは再利用するのでオイルライン洗浄とオイル充填も行いますが、どちらにしても下準備が必要です。

まずはクランクセットを抜きます。
【ROTOR】(ローター)の楕円チェーンリング)、FLOWです。

外し方は↑の通りです。

このようにヘッドチューブの空洞部分を利用してケーブル類が通るわけです。

BBシェルから覗くと中はこんな感じです。
外からは全く見えませんが、できるだけ美しいルーティングにします。
ケーブル類を通すためには『ライナー管』というものが必要です。
当店ではこの内通作業のためだけに新品未使用のシフトインナーワイヤーを用意しています。
それを使ってライナー管を通すわけです。

フロントフォークをヘッドチューブに通します。
ケーブル類が窮屈そうですね。
もちろん、ベアリングや受け部分の掃除等は事前に完了しています。

完全内通に適合しているステムを使い、ステムの中からハンドルバーへ向けてケーブル類が通ります、通します。

ここからハンドルバー中心の穴を通ってハンドルバー内部を通り、レバーへと至ります。

当然、そういう設計になっているハンドルバーでないとできません。

『インサート』をブレーキホースに圧入し、この順番で通します。

レバー本体と接続部分のネジは少し隙間があるくらいの締め加減で…。
規定トルクはもちろん意識するし、場合によってはこの隙間がゼロになることもあります。
このあたりはメカニックの手の感触(培ってきた経験)がものを言う部分です。
締め付けが弱いとホースがすっぽ抜けてしまうこともあります。
強く締め付け過ぎるとレバーは破損して使用不能になるので油断はできません。

ブレーキホースを繋いだらオイルを充填します。
専用の道具が必要です。
エア抜き作業も根気よく行います。
表面張力によってキャップを閉めたらで少しオイルがこぼれるくらいがちょうど良いでしょう。
こぼれたオイルはもちろん、キレイに拭き取ります。

こうして各ケーブル類は露出することなく、
レバー

ハンドルバー

ステム

フレーム各内部

…の順番で通っています。

ケーブル類フル内通タイプは油圧式ディスクブレーキ&電動コンポで組むのがセオリーになっていますが、選ぶ部品によっては機械式で組めないわけでもありません。
この場合、メカニックの技術と粘り強さが大きく求められます。

■おまけ

せっかくクランクセットを抜いたので、チェーンリング(フロントギヤ)を掃除します。

ビフォー
アフター

サイクルサービストグトではここまでやります。

完成形についてはまた後日、公開予定です。

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