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上司の強みを知り、上司をマネジメントすることこそ成果をあげるポイントです

組織で働く人々において「上司にどう対処するか」で悩まない人はいないでしょう。

最近も何人かの方から、上司との軋轢について話を聞く機会がありました。

上司の強みを知って活用せよ

部下にとっては上司を選ぶことはできず、上司に認められ、活用されることによって初めて自分の仕事に焦点を合わせることができ、自己実現が可能になります。

ドラッカーは、成果をあげる人はみな上司にうまく対処していて、その方法は「上司の強みを生かす」ことだと教えています。

もちろん媚びへつらいによって上司の強みを生かすことなどできません。
部下としてなすべきことから考え、それを上司にわかるように提案しなければなりません。

上司も人の子なので、強みとともに弱みを持ちます。

でも、上司の強みを強調し、上司が得意なことを行えるようにすることによってのみ、部下も成果を上げられるようになります。

それとは逆に、上司の弱みを強調したのでは、部下の弱みを強調したときと同じように、上司の意欲と成長を妨げます。

このことは私にとって、長い企業人としての生活にのなかで常に最も困難な課題でした。

ドラッカーの教えは確かにそのとおりであるのは理解できるのですが、同時に別の教え、つまりマネージャーとしてのあるべき姿、なすべきことをなすという姿に照らし合わせた時に、上司が全く正反対な人であった場合、どうしても我慢することができずに対立してしまうことが多々ありました。

私は、部下の弱みには我慢できるのに、上司の弱みには我慢できない、そんなタイプの部下でした。

上司の得意なことは何?

ドラッカーは上司もまた人であって、それぞれの成果の上げ方があるのだから、上司特有の仕事の仕方をよく知る必要があると言っています。

例えば人には「読む人」と「聞く人」がいて、それは上司も同じことで、読むことが得意な上司に、口で話しても時間の無駄。

彼らは読んだ後でなければ聞くことができない人々であって、逆に、聞くことが得意な上司に分厚い報告書を渡しても紙の無駄です。

彼らは耳で聞かなければ何のことかは理解できません。

最初に1ページだけの要約が必要な上司、分厚い報告書がなければ理解できない上司、あらゆることに数字によるエビデンスを確認したがる上司もいます。

さらに、意思決定に関しては議論の初めから関与したがる上司、逆に、時期が来るまでは何も聞きたがらずに、結論だけを求める上司もいます。

最近はオンラインで上司とやり取りする機会も増えているのではないかと思いますが、ここでも上司の強みを理解せずに、何でもオンライン上でのやり取りやメール報告だけで済ませようとすると、あなたの考えている以上に上司をいらだたせ、誤解を与えている可能性もあります。

どのようなアプローチをとればいいのかが分からない場合は、上司に聞くのが一番です。

「報告はレポートの方がいいですか、それとも口頭による報告にしますか?」

「〇〇についてご報告したいのですが、オンラインがいいですか、それとも直接お会いしての報告にしますか?」

そうして上司が得意なことをおこなえるようにすることによってのみ、部下も成果をあげることができるようになります。

上司を改革しようなどと思ってはいけない

上司を改革しようとしても無駄だし、たとえその上司が失脚して更迭されても、別の部署から違う上司が来るだけで、状況は何も変わらないかもしれません。

私がかつて仕事上、深い関係性の中でお付き合いしてきた、ある原料の仕入れ先の化学メーカーの専務さんは、親会社の巨大企業からくる社長さん、合計9人に専務として仕えたと聞きました。

それら9人の方々はすべて、性格も仕事の進め方も違う方々でしたが、その専務さんは9人すべての強みをいち早く察知して、その強みを活用し業績を上げ続けました。

私にとっては実に困難でいつも失敗ばかり犯していましたが、ドラッカーはいとも簡潔に次のように教えています。

「上司に成果を上げさせることはかなり簡単である。強みに焦点を合わせればよい。上司の強みを中心に置くことほど、部下自身が成果を上げやすくなることはない。」

あなたは自分の上司の強みを知っていますか?

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