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特許法 語呂合わせ以外

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特許法コーナーから分割。語呂合わせ以外です。
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記事一覧

【特許法】技術的思想と、創作3要件

【特許法】技術的思想と、創作3要件

特2条1項についてです。

技術的思想とは、願望ではなく、具体的であること。

創作の3要件は、
①新しいものであること
②創り出したものであること
③創り出すことが自明の事項でないこと

ここで、
①≠新規性
③≠進歩性

違いは、判断時と、誰にとってか。
①③は、創った瞬間、主観的。
新規性進歩性は、出願時、客観的。

【特許法】69条と先使用権の違い

【特許法】69条と先使用権の違い

69条(及ばない範囲)2項2号には、先使用権(79条)と似たようなことが書いてあります。どう違うのでしょうか。

違い:
先使用権は、更に作っても良い。69条は今ある分しか売ってはだめ。事業の準備をしているわけでもないから。

青本特69条には、本号の適用は極めて希で、「秘密に所持、かつ事業の実施または準備に該当しないときくらい」と書いてあります。

■考察
秘密に所持してるのなら権利行使されよう

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【特許法】外特の準公知、補償金請求権の発生要件

【特許法】外特の準公知、補償金請求権の発生要件

外国語特許出願(外特)の、似たようで違う条件2つについてです。

■準公知
国際公開が条件(特184条の13)。
公知に準じるから。例えば刊行物公知は、アラビア語でも公知になる。

■補償金請求権
国内公表が条件(特184条の10)。
模倣抑止のためだから。アラビア語では模倣できない

なお、準公知に特29条の2の同日適用なし。新規発明公開の価値は同じのため。

【特許法】専用実施権を設定した特許権者は差止請求できるか

【特許法】専用実施権を設定した特許権者は差止請求できるか

差止請求(特100条)が、専用実施権を設定した特許権者にも出来るかという話です。

結論は、できる。

理由:
・条文上制限がない 
 条文上は、特許権者「又は」専用実施権者
 →反論はある
・ライセンス収入機会の維持のため
・専用実施権が戻ってきたときに困るため

参考:LEC佐藤卓也先生のyoutube

■考察

条文上に特許権者があるので、その特許権者が専用実施権を設定していても、いなくて

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【特許法】在外者は、特管人を選定してなくても国際出願はできる

【特許法】在外者は、特管人を選定してなくても国際出願はできる

在外者は、特許管理人(特管人)を置かなくても国際出願はできます(特184の11第1項)。

理由は、国内処理基準時までは庁とのやり取りがないから。

もともと特管人は、庁が在外者とのやりとりが面倒なので置いといて欲しいというもの。

国内処理基準時の属する日後、3月以内に置かないといけない(2項)。置かないと補正命令が来て(3項)、指定期間内に置けるが(3項)、それをしないと取下擬制(4項)。取下

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【特許法】審査請求の追加手数料を払わなかった場合 2通り

【特許法】審査請求の追加手数料を払わなかった場合 2通り

審査請求後の請求項追加補正で、追加手数料を払わなかった場合にどうなるか、です。

審査請求手数料は請求項の数に応じてかかるので(特195条別表)、補正によって請求項が増えると、出願人は追加納付が必要になります(特195条3項)。

追加料金を払わなかった場合は、2通りに分岐。

①審査請求したのが出願人の場合
 →審査請求却下(特18条1項)

②審査請求したのが第三者の場合
 →出願却下(特18

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【特・実】補正書 それぞれ3つ

【特・実】補正書 それぞれ3つ

特許:手続補正書、手数料補正書、誤訳訂正書
実案:手続補正書、手数料補正書、登録料補正書

■理解
特許は外国語特許出願(外書)があるので、誤訳訂正書が入ってくる。
実案は無審査であり出願と同時に登録料を納付するので、登録補正書が入ってくる。

【特許法】共同発明、創作とは

【特許法】共同発明、創作とは

①共同発明の要件
→着想と具体化

※どこから読むか
「技術的思想の創作」(特2条1項)のうち、
 思想 …着想
 技術 …具体化

②着想と具体化の要件
→着想 「新しければ」
 具体化 「自明でなければ」

③創作とは 3つ
→作り出したものであること
新しいこと
非自明であること

■考察
法目的と、新規性進歩性はつながっている。着想のところは、単なる課題の提供ではだめだったはず。解決のため

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【特許法】物(プログラム等を含む)と書いてある理由

【特許法】物(プログラム等を含む)と書いてある理由

特2条3項1号は、物クレームについてのものですが、
物(プログラム等を含む)
と書いてあるのはなぜでしょうか。

民法では、
「物とは有体物を言う」
となっている(民85条)。

昔のプログラムは、専用品だった。例えば、洗濯機の組み込みソフトは、その洗濯機のためだけに作られた専用のソフトであり、他の物に使えるものではなかった。なので、その洗濯機に対して保護すれば足りた。

今は、汎用的なソフトが増

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【特許法】過失推定と信用回復は、不法行為のみ

【特許法】過失推定と信用回復は、不法行為のみ

特許権侵害に対する権利行使については、不法行為による損害賠償請求権(民709条)、不当利得返還請求権(民703)、ライセンス料不払いなら債務不履行(民415)が考えられる。

過失の推定規定(特103条)と、信用回復の措置(特106条)は、不法行為にしか適用がない。

理由は、不法行為については、故意過失を問うぶん、支払額が高くなりがちだから。

参考:LEC佐藤卓也先生のyoutube

■考察

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【特・実】特実で同日発明・同日出願の場合、協議命令がどうなるか

【特・実】特実で同日発明・同日出願の場合、協議命令がどうなるか

特と実で同一発明、同日出願があった場合に、どうなるかについてです(特39条4項、6項)。

長官からの協議命令は、特許出願人にのみに来る。

実案はライフサイクルが短く、協議していると権利行使できる期間が短くなってしまうので、協議命令自体が来ない。

また、実案は無審査登録で実案権になってしまうので、出願にかかる法的な協議自体ができない。

特、実、でクレームが同一にならないようにするには、特許出

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【商標法】商標の機能4つを、3Cで理解してみる

【商標法】商標の機能4つを、3Cで理解してみる

商標の機能4つ
①自他商品等識別機能 これを前提とし、
②出所表示機能 ○
③品質保証機能 ○
④宣伝広告機能

機能論侵害は、○について商標権者と需要者の立場から、2×2のマトリクスで見る。

参考:LEC佐藤卓也先生のyoutube

■考察
丸暗記は苦手なので、3Cの関係で理解してみる。
①対他社
②自社
③対顧客、売った後
④対顧客、売る前
対顧客が2つになるが、「お客様には手厚く」と覚え

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【特許法】刊行物公知の要件3つ

【特許法】刊行物公知の要件3つ

特29条3項のうち、刊行物公知の要件についてです。

要件は3つ
・情報性
・公開性
・頒布性

マイクロフィルムは、複製して広がるなら頒布性を満たし得る。

インターネットは、刊行「物」ではないので、該当しない。電気通信回線の方になる。

■考察
審査が主に刊行物でされることからしても、一般人が手に入れられないような引例を持ってこられたとて、確かめようがないので困るという話だと理解。

【特許法】出願公開請求が取り下げられない理由

【特許法】出願公開請求が取り下げられない理由

出願公開請求(特64条の2)が取り下げられない理由についてです。

理由は3つ
①庁に係属している手続きではない
②それまでの準備が無駄になる
③優先日から1年6月で公開されるので間がない

参考:LEC佐藤卓也先生のyoutube

■考察
審査請求が取り下げられない理由と似ていると思います。審査請求の場合は、同じ効果の別の手続き(取下)があるというのが理由にありましたが、こちらはいずれ公開され

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