トイチの萬田

知財・非知財情報を駆使し、事業・研究方針に繋げる「IPランドスケープ」を実践。企画部門…

トイチの萬田

知財・非知財情報を駆使し、事業・研究方針に繋げる「IPランドスケープ」を実践。企画部門、事業部門、研究開発など、多様なキャリアを経て、現職。AIPE認定知的財産アナリスト(特許、コンテンツ)。

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    IPランドスケープや、知的財産アナリスト関係の考察です。

最近の記事

【特許法】技術的思想と、創作3要件

特2条1項についてです。 技術的思想とは、願望ではなく、具体的であること。 創作の3要件は、 ①新しいものであること ②創り出したものであること ③創り出すことが自明の事項でないこと ここで、 ①≠新規性 ③≠進歩性 違いは、判断時と、誰にとってか。 ①③は、創った瞬間、主観的。 新規性進歩性は、出願時、客観的。

    • 【特実意】それぞれの17条の2と29条の2

      同じ条番号での、四法での対応です。 17条の2と29条の2が重要な気がしましたので、整理してみました。商標法は、あまり引っかかるものがなかったので省略。   17条の2    17条の3 ーーーーーーーーーーーーーーー 特 明請図の補正  φ 実 取戻移転請求権 φ 意 補正却下    新出願   29条     29条の2    29条の3 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 特 新規性進歩性 拡大先願    φ 実 損害額の推定 技術評価書提示 相当な注意

      • 【特許法】69条と先使用権の違い

        69条(及ばない範囲)2項2号には、先使用権(79条)と似たようなことが書いてあります。どう違うのでしょうか。 違い: 先使用権は、更に作っても良い。69条は今ある分しか売ってはだめ。事業の準備をしているわけでもないから。 青本特69条には、本号の適用は極めて希で、「秘密に所持、かつ事業の実施または準備に該当しないときくらい」と書いてあります。 ■考察 秘密に所持してるのなら権利行使されようもないので、69条の意義がわからないと思ってました。 場面想定としてあるとした

        • 【特許法】第18条 手続却下 〜「イヤだと手続却下される」

          今回は、第18条 手続却下です。 ■語呂合わせ 第18条 手続却下   イヤだと手続却下される (解説) 手続したけど、イヤだと却下されてしまいました。 ■内容  手続却下の条項です。なお、18条の2は不適法な手続却下。 18条は、2段階。出願日は認定された上で、補正命令が来る。つまり、補正の機会はあり、応じないと却下。 18条の2は、1段階。補正機会を与えられずに却下となる。庁にとって、補正機会を与えるのが面倒くさいもの。 例えば、7条(制限能力者)、9条

        【特許法】技術的思想と、創作3要件

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        記事

          『すごい傾聴』の話

          傾聴って難しいですね。 聴いてるつもりだが、聴いてないと言われる。お悩みの方、おられるのでは。 以下は『すごい傾聴』という本の紹介記事ですが、コレだと思いました。相手の話を追体験するという内容です。 私もかつて、伝え返しの罠に、嵌ってました。 以前にも ケイト・マーフィ『Listen』という本を読んだのですが、良本でした。 こちらには、相手がなぜそう思ったかを探りましょう、ということが書かれています。 テクニックに走った時点で聴けてない。相手にも伝わってしまいます。そ

          『すごい傾聴』の話

          【特許法】外特の準公知、補償金請求権の発生要件

          外国語特許出願(外特)の、似たようで違う条件2つについてです。 ■準公知 国際公開が条件(特184条の13)。 公知に準じるから。例えば刊行物公知は、アラビア語でも公知になる。 ■補償金請求権 国内公表が条件(特184条の10)。 模倣抑止のためだから。アラビア語では模倣できない なお、準公知に特29条の2の同日適用なし。新規発明公開の価値は同じのため。

          【特許法】外特の準公知、補償金請求権の発生要件

          リーガルマインドとは何か

          LEC東京リーガルマインド(資格のLECさん)の、リーガルマインドって何だろうと思ってました。 リーガルマインドとは、「法の趣旨に照らせば、こうなるはずだという感覚」だと理解しました。 輸出行為において侵害ではないのなら、その手前の生産行為は当然に侵害ではないはず。 当事者参加人になれるのなら、それより弱い補助参加人には当然になれるはず。 判例や裁判例がないものは、考えるしかない。自分の見解を出すことが求められる。 説が割れているものもあるので、あくまで考え方の1つ

          リーガルマインドとは何か

          【特許法】専用実施権を設定した特許権者は差止請求できるか

          差止請求(特100条)が、専用実施権を設定した特許権者にも出来るかという話です。 結論は、できる。 理由: ・条文上制限がない   条文上は、特許権者「又は」専用実施権者  →反論はある ・ライセンス収入機会の維持のため ・専用実施権が戻ってきたときに困るため 参考:LEC佐藤卓也先生のyoutube ■考察 条文上に特許権者があるので、その特許権者が専用実施権を設定していても、いなくても、当然に差止請求できると読むのが自然では。 反論はおそらく、差止請求権は物権

          【特許法】専用実施権を設定した特許権者は差止請求できるか

          【IPランドスケープ】やはり武器は知財情報だと思った件

          IPランドスケープのアウトプットを棚卸ししていて、気付きがありました。 アウトプットには、以下の種類がありました。  ①仮説をコネ回すことに終始しているもの  ②一般情報の話しかしていないもの  ③一般情報と知財情報を行き来しているもの  ④知財情報の話しかしていないもの ※議論に使ったものが前提。 比率は、①:②:③:④ = 3:3:3:1 くらいだったと思います。私は知財情報にあまり拘らないタイプなのですが、①が思ったより多かったのが驚きでした。 気付きとしては、①

          【IPランドスケープ】やはり武器は知財情報だと思った件

          【特許法】在外者は、特管人を選定してなくても国際出願はできる

          在外者は、特許管理人(特管人)を置かなくても国際出願はできます(特184の11第1項)。 理由は、国内処理基準時までは庁とのやり取りがないから。 もともと特管人は、庁が在外者とのやりとりが面倒なので置いといて欲しいというもの。 国内処理基準時の属する日後、3月以内に置かないといけない(2項)。置かないと補正命令が来て(3項)、指定期間内に置けるが(3項)、それをしないと取下擬制(4項)。取下なので、行政処分でない。なので不服申立できない。 国際系は取下や放棄になってし

          【特許法】在外者は、特管人を選定してなくても国際出願はできる

          【商標法】商2条3項(標章の使用)「良し良し敵向こう押せ」

          商2条1項3号、覚えきれないので語呂合わせを作りました。 良し良し敵向こう押せ 1号 よ 予備行為@商品 2号 し 実施行為@商品 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3号 よ 予備行為@役務 4号 し 実施行為@役務 5号 て 展示@役務 6号 き 客@役務 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 7号 む 無体物@役務 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 8号 こう 広告宣伝 9号 お 音 10号 せ 政令 商2条3項

          【商標法】商2条3項(標章の使用)「良し良し敵向こう押せ」

          【特許法】第6条 法人格なき社団 〜「ロクでなしは遮断(社団)」

          今回は、第6条 法人格なき社団です。 ■語呂合わせ 第6条 法人格なき社団   ロクでなしは遮断(社団) (解説) ロクでなしは遮断しましょう。迷惑メールのブロックみたいな。 許可した情報だけ渡すオプトイン、本人に興味ありそうな情報しか見えなくなるフィルターバブルと、情報の質を意識してのコントロールがないと人は退化しそう。 ■内容 法人格なき社団等についての条項です。会社設立前の有志や、PTAみたいなのもそうらしい。 出願はできないが、無効審判は起こせる(特6条1

          【特許法】第6条 法人格なき社団 〜「ロクでなしは遮断(社団)」

          【IPランドスケープ】「ありがとう」で終わるのは、なぜか

          IPランドスケープのアウトプットを見せたときのこと。「ありがとう」「参考にさせてもらいます」で終わったことはないでしょうか。 なぜ起こるか。それは「困ってないから」。 もう知ってる、思い通りだった、というのも含まれます。これまでの経験や意見から考えるに、確信に近いです。 一般論として、困ってない時に何かされても、煙たいだけ。これに気づくのに2年かかった。最近は、気にするようにしています。何もしないのも選択肢の一つ。 ではいっそ、ネガティブ情報を差し込んで、波風を立たせ

          【IPランドスケープ】「ありがとう」で終わるのは、なぜか

          【特許法】審査請求の追加手数料を払わなかった場合 2通り

          審査請求後の請求項追加補正で、追加手数料を払わなかった場合にどうなるか、です。 審査請求手数料は請求項の数に応じてかかるので(特195条別表)、補正によって請求項が増えると、出願人は追加納付が必要になります(特195条3項)。 追加料金を払わなかった場合は、2通りに分岐。 ①審査請求したのが出願人の場合  →審査請求却下(特18条1項) ②審査請求したのが第三者の場合  →出願却下(特18条2項) ②が出願却下になる理由は、第三者が審査請求手数料払ってるので、審査請

          【特許法】審査請求の追加手数料を払わなかった場合 2通り

          【特許法】第7条 制限能力者 〜「何とか手続き、制限能力者」

          今回は、第7条 制限能力者です。 ■語呂合わせ 第7条 制限能力者  何とか手続き、制限能力者 (解説) 何とか手続きしましょう。 ■内容 未成年者と成年被後見人(7条1項)、被保佐人(2項)による手続きについての条項です。 対応 ・未成年者と成年被後見人 ⇔ 法定代理人 ・被保佐人 ⇔ 保佐人 未成年者と成年被後見人は、手続き能力を欠く。そのため、手続自体ができない。営業を許された未成年者(民6条1項)等は可。 被保佐人は、手続き能力を完全には欠いていない。

          【特許法】第7条 制限能力者 〜「何とか手続き、制限能力者」

          【特・実】補正書 それぞれ3つ

          特許:手続補正書、手数料補正書、誤訳訂正書 実案:手続補正書、手数料補正書、登録料補正書 ■理解 特許は外国語特許出願(外書)があるので、誤訳訂正書が入ってくる。 実案は無審査であり出願と同時に登録料を納付するので、登録補正書が入ってくる。

          【特・実】補正書 それぞれ3つ