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その資格本当に必要ですか?

今回はただの雑談です。

日頃、プライベートやYouTube等で、勉強やキャリアに関する質問を受ける立場にいます。
お陰様で年がら年中資格や学位のことを調べて、見解を述べるという活動をしています。

その中で、時々「あれれ~おかしいなぁ」と思うことがあります。
今日はそんなお話をしたいと思います。

コナン君 あれれ~
コナン君もびっくりや




1.資格はお金を稼ぐ道具でしかない

極論だとは思いつつもあえていうと、極めて裕福なご家庭で育っている方や十分な資産をお持ちの方、または趣味で勉強をしている方を除いて、基本的には資格というものはお金を稼ぐための道具の一つでしかありません。

もちろん、難易度の低い資格などはお金を稼ぐための道具にすらなり得ず、単なる趣味で終わるものも多くありますが、基本的に資格はお金を稼ぐために取るものです。

日本で最も難しい資格郡として、医師、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、司法書士、弁理士、税理士などがありますが、これらもお金を稼ぐために取るものです。
その資格を持っているということ自体がお金を生むことすらあります。

そして、これらの難関国家資格には、独占業務というものが法律上認められていて、無資格者が市場に入ってこないように法律で制限されています。
これはとても有り難いことで、無駄な競争に晒されることなく、有資格者内の競争に集中できます。

そのため、一般的なビジネス(起業等)とは競争の度合いが全く異なり、基本的には勝確のゲームをしているようなものです。
もし私が医師資格を持っていたら、年収で2,000万円以上は余裕で稼げます。
弁護士資格はちょっと厳しいですが、健康と時間を失うという代償を支払えば、1,500万円くらいは安定的に稼げるでしょう。

難関国家資格というのは、よほど営業ができないとか、人間性に問題があるなどの例外的な事情がない限りは、食うには困らない程度のお金を稼げます。
それが難関国家資格の魅力であり、苦労してでも取りに行く価値があると思える点です。

やりがいとか、夢とか、社会貢献などの理由もあるでしょうが、そういうのは実際は二の次であって、まずは稼げることが大前提です。
仮に医師や弁護士が全く稼げず、年収も600万円程度しかもらえないとなれば、志望者は激減するでしょう。
実際弁護士がそういう業界になりつつあるのがバレて(すでになってるかも)、受験生が激減したのは有名な話です。

多くの人間にとって、資格はお金を稼ぐための道具ですから、経済的メリットがないなら、わざわざ取りに行く価値なんてないのです。
だからこそ、本当にその資格でいいのかという点を深く考えてから目指すべきだと思っています。



2.お金を稼ぐ理由はなんだろう

先ほど資格はお金を稼ぐための道具だと述べましたが、お金を稼ぐことが人生の「目的」ではありません。

人生の目的は幸せになることであって、それだけは万人共通の目的だと思います。

そして、幸せになるためには、まずは生活が安定して、経済的な不安を抱くことが少なくなることが必要です。
不安はゼロにはならないですが、生活が安定することで小さくはできます。
その生活の安定のためには、お金が必要です。

したがって、お金を稼ぐ理由は、第一次的には、自分の生活を安定させるためです。

自分の生活が安定して、余裕ができたら、次は自分の好きなものを買ったり、遊んだりする娯楽の世界が待っています。

何をもって「娯楽」と感じるかは人によります。

高い衣服や装飾品を買い集めること、高級料理を思う存分食べること、異性を侍らかすこと、子どもの未来に投資すること、妻や家族との時間をただ過ごすこと、大好きな仕事に集中すること……いろんな楽しみ方があります。

自分が楽しいと思えることにお金を使えば良いと思います。

私は、その娯楽の時間が長ければ長いほど幸福度も増していくと考えています。

これらのことを前提に考えると、人生における幸せを実現するためには、自分の娯楽を知ることが必要だと思うわけです。
何を楽しいと考えるのか、何を幸せだと感じるのか、そういう自分自身の価値観と向き合わないといけません。

その娯楽を長く続けられるようにするために、一生涯でいくら稼がないといけないのか、そして、その金額を稼ぐためにどのような仕事(事業)をするのか、いつまでに稼ぎ切るのか。
そういう逆算の思考で考えていかないと、資格を取るという決断はできないと思っています。

単に目の前の小さな目標だけを見て、なんとなく稼げそうだからという理由で難関国家資格を目指すのは危険です。
難易度の高い資格にはそれ相応のリスクが伴うので、慎重にならないといけません。


3.本当にその資格が必要なのか

お金を稼ぐ方法は世の中にたくさんあります。
そのほとんどは従業員という身分で稼ぎます。
各種の法人との間で雇用契約を締結し、給料をもらって生活するわけです。

これは各種の難関国家資格でも同様で、医師も弁護士も公認会計士も、基本的には法人との雇用契約、または業務委託契約でお金をもらいます。
一般の従業員との違いは、年収の高さと独立開業の可能性くらいのものです。

ただ、年収の高さといっても実はそこまで高くなくて、良い大学を出て、大手企業に入った人たちと比べると、さほど差はありません。
たまに人事のお手伝いで大手のサラリーマンの皆さんの年収を見れる側になるので実感があるのですが、ここ数年の大手企業の年収の上がり方はなかなかのものです。
若くして1,000万円近い報酬をもらっている人も相当数います。

大手企業以外でも、最近ではベンチャーですら良い報酬を出すようになってきているので、更に差が縮まっています。
こんなポンコツの私ですら、サラリーマンをしていた頃は一般的な同世代の弁護士より高い報酬でした。

そのため、最近では難関国家資格の優位性というものは限定的になってきています。
もちろん優秀な人が資格を持つとより凄い人になるという事実は変わりませんが、一般的な人がかろうじて資格を手にしても、大して差が生まれないという状態になりやすいです。
そうだとすると、大きなリスクを背負ってまで目指す価値があるのか疑問が生まれます。

また、仮に運良く資格を取得できたとしても、実務に出たあとに様々な現実を知ることになります。
難関国家資格の多くは、確かに平均的な年収が高い点が魅力なのですが、それはあくまでも年収で見るとという話で、時給換算したり、所得(経費控除後の収入)として見ると、サラリーマンより低いということがよくあります。
何より、可処分時間という観点では、かなり劣後することが多いです。

私の知人たちを見る限り、士師業の人たちは相当な激務の中で1,000~1,500万円程度の年収を稼ぐ人が多く、そこがボリュームゾーンだと考えています。
そこから様々な経費や会費(弁護士会費など)を差し引くので、手残りは意外と少ないです。

一方で同じくらいの年収を稼いでいるサラリーマンを見てみると、経費を会社が負担してくれる部分が多く、かつ残業もある程度限定的なので、明らかに士師業の皆さんより短い時間でより多くのお金を稼いでいます。

どちらが幸せなのかは人によりますし、何を娯楽と感じるかによりますが、客観的に見ると、あまりメリットを感じにくい状態に見えます。
私から見ると、仕事自体も楽しそうには見えない(本人たちも凄くストレスフルだと感じている)ので尚更です。

だからこそ、今から資格を目指そうと思っている皆さんは、本当にその資格が必要なのかを考えてから目指してほしいなと思っています。
実際にどういう仕事をすることになるのか、どういう人間たちと働くことになるのか、どれくらい大変な作業なのか、そもそも楽しいのか、自分は耐えられるのか。
そういう諸々の情報をきちんと調査して、深く検討してください。

自分のゴール(幸せになること)に到達するために、本当に必要な資格なのか、膨大な時間と労力を投資する価値があるのか、真剣に考えて、決断を下しましょう。


4.一つの選択肢として

最後に、一つの選択肢として、投資家という職業についても話しておきたいと思います。
ここでいう投資家は、専業投資家ではなく、副業投資家の話です。

私が知る限りの人たちなので統計の母集団として少なすぎるのですが、あくまでも私の周りの成功者たちは、ほぼ例外なく投資で資産を形成しています。
労働所得のみで若くして大きな資産を形成できている人はほとんどいません。

そもそも私は、若くして大きな資産を手にし、今後一切の労働をしなくても一生困らないという状態を「成功」だと考えています。
働いてもいいし、働かなくてもいいという選択権がある状態です。

これを成功と定義した場合、達成している人は日本全国でも極少数になります。
特に「若くして大きな資産を手にし」という要件が難しいです。

ただ有り難いことに、私は若い頃からそういう人たちと多く出会うことができて、彼らが趣味として仕事をしている状態を目の当たりにしています。
それゆえ、彼らが最も自由で、幸せな状態であると認識しています。

彼らの中には、医師、弁護士、公認会計士などもいますが、多くは無資格者であり、ただのサラリーマン(元サラリーマンも含む)です。
成功後に兼業事業家になるケース(節税目的もある)が増えてきているので、現在はサラリーマンだけではないという人も結構いますが、基本的にはサラリーマンです。

中には医師や弁護士に余裕でなれただろうなと思われるような頭脳を持っている人もいます。
そして彼らは若いときに「資格を目指す合理性がない」という理由でサラリーマンをあえて選んでいます。
お金を稼ぐ手段として、士師業はあまり有利な選択肢ではないという認識を持っている人たちです。

彼らは、大手企業でサラリーマンをしつつ、せっせとお金を貯めて、株式投資や不動産投資(こちらは一部の人だけ)を行って、数億円の資産を40代までに形成しています。
早い人は、20代で株式投資だけで億万長者になっています。

そのうえで、趣味でサラリーマンを続けている人が多いです。
彼らからすると、労働所得は楽にお金をもらう手段なので「辞める理由がない」らしいです。
大手企業は福利厚生が素晴らしくて、大して頑張らなくてもお金をもらえる場所です。
そういう優遇された身分をこれでもかというほど享受しているおじさんたちです。

彼らを以後「サラリーマン投資家」ということにしますが、サラリーマン投資家は、誰でもなれるという意味で極めて優れた選択肢の一つだと思っています。
難関国家資格のような大変さもなく、自分のペースでコツコツと勉強をすればいいだけです。

私自身も株式投資を生業にしているのでよくわかるのですが、株式投資の勉強は、難関国家資格の勉強よりは遥かに簡単です。
株式投資で数千万円の資産を築くことと、医師になることを比べると、株式投資で数千万円の資産を築く方が遥かに簡単だなと今では思います。

そういう点に早く気づいて、自分の可処分時間を何に投資するかを決められる人が成功者になり得る人なのだと思っています。

最近は新NISAと史上稀に見る株高の影響で、投資に興味を持つ人が増えてきたようです。
これはとても良い流れだと思っています。

ただ、まともに勉強をせずに投資を始めるのは愚かな行為だと思うので、しっかりと勉強をして、投資に挑んでください。
そして、高望みをせず、着実に資産を増やしていってください。

大幅な利益を狙うのはただのギャンブルです。
サラリーマンの最大の武器は「時間」なので、時間をかけてゆっくり資産を増やしていってください。
そうするれば、40代で大きな資産を手にすることも十分に可能だと思います。

お金を稼ぐ手段として、資格や労働所得だけに囚われることなく、様々な手段を検討してみる姿勢が重要です。

※変な投資詐欺もたくさんあるのでその点には注意してください。

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