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40代から変わる人生「記憶の道具」22


過去は変えられない。でも過去の物語は変えられる


 先週、久しぶりに「『よみうり大手町スクール』著者と語るサイエンス読書カフェ」に行ってきました。題材は「宇宙思考」(かんき出版)2023。著者の天文物理学者BossB こと藤田あき美さんは、フォロワー25万人超のSNSで異常な熱を発する。この人を生で観てみたいと思ったのですね。

 ハイ、想像を超えていました。まず声の大きさが半端じゃないです。年齢相応に衰えている私の耳をつんざくほどの大音声。これで1時間話し続けるって異常! まるでIMAXシネマのように空間からエネルギーが伝わってきました。大手町まで足を運んでよかった。
 宇宙には中心がなく、いわばどこでも中心。運動はすべて相対的、視点しだいで止まっているとも動いているともいえる。たとえば地球は私たちから見ると止まっているけれど、銀河系の外から見ると秒速630kmで動いている。といった宇宙観を人生論にまで拡張して高エネルギーで語る。「誰もが中心。誰も端っこじゃない」「悪い評価なんか気にしない。そんなもん視点しだい」「思いっきりやりたいことをやって楽しく生きよう」、とポジティブな人生論をパンクに語っているところが魅力なんですね。
 そのポジティブな生き方に共感してか多くの女性ファンが会場に詰め掛けていました。このカフェ、いつも高齢者が多いのですが、この日はやけにピカピカ。講演後の二次会も夜中まで大盛り上がりでした。
 いくら比喩がおもしろいからってね、この本、宇宙論です。それでもフォロワー25万人というのは、こういうところに魅力があるのですね。
 さて本の後半に、こんな一節がありました。「過去は変えられない。でも過去の物語は変えられる」。タイムマシーンで過去に行けるかという話題で、結論は行けない。つまり過去に行って、それを変えることはできないということなのですが、その物語は変えられる。辛い過去、それは変えられないが、辛かったという物語は、そのおかげで今こうなんだという新しい物語に変えることができるということ。
 なんて素敵な言葉だろう。忘れないように「キオクの達人」にメモしました。昔は、気になる言葉を手帳に書き留めていたのですが、振り返ってみると暦年を超えて、その言葉を思い起こす機会はほとんどありませんでした。毎年新しくなる手帳に書き写すなんて、それほど私はマメではありませんからね。
「キオクの達人」なら、90日後でも365日後でも、好きなタイミングで出てきてくれるのでズーっと忘れません。
 こういうことを続けていると、いつでも座右の銘が引き出せるようになり、ものの見方や考え方が変ってくると思うのですが、どうでしょう? 


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