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子供のいる人生、いない人生

再就職を機に、たくさんの新しい出会いがあった。

はじめましての挨拶の後、「お住まいはどこですか?」などの質問をされるのだが、

一般的に、女性に対して年齢を尋ねるのは失礼 というマナー(?)が浸透しているのか、「何歳ですか?」とは聞かれない。

「独身ですか?既婚ですか?」とも聞かれない。それは私が左手の薬指に指輪をはめているからだろうか。

ちなみに、初対面の女性が独身だと分かった時に「恋人はいるの?」と即座に聞く人は、(合コンじゃないんだから)職場ではあまりないと思うが、
既婚の私に「お子さんは?」と聞かれることは頻繁にある。

私は少し前までは「“まだ“、いません。」と答えていた。

それは、子供が欲しいし、当然そのうち授かるものだと信じられていたからなのだが、色々あって、40歳になった今も子供はいない。

                ***

先日も「お子さんは?」と聞かれ、「子供は、いません」と答えた。

すると相手が、「じゃあ、これからですね、楽しみですね」と返してきた。


相手は私が40歳だと知らない。
何度も失敗を繰り返して今に至る経緯ももちろん知らない。

自分で言うのもなんだが、年齢より若く見られることが多く、そのせいだと思うのだが、例えば私が、明らかに50歳に見えたとしたら、そういうコメントは出てこないと思う。

まだ可能性があると相手が思っているからこそ、出てきたセリフ。

この話の流れで、自分の年齢を相手に言いづらくなってしまった。

「私は、40歳だからもう厳しいかなあー40歳以上で妊娠する人もいるけど、私の身体では分からないなあ。不妊治療とかもう一切やりたくないから。」

気軽にそう返せば良かったのかなとも思ったが、
初めてランチを共にしている相手にとって、気軽な楽しい話でもないだろうし、結局私は、

「笑」

沈黙の微笑でやりすごした。

                ***

3年後、
このまま子供のいない人生を歩んでいたとしたら、
今よりもっと楽にこの質問や話題に対処できていることだと思う。

しかし、今はその入口に入ったばかり。
ついこの間まで、絶対にいつか授かると信じて必死に努力してきた自分のモードチェンジがまだ完了していない。
内面がぶれっぶれで、頼りない。毎回迷っている。

あるいは、
奇跡的に子供を授かり、全く異なる幸せと悩みを抱えて、今ぶつぶつ悩んだり迷ったりしている自分のことなど忘れて、日々奔走しているかもしれない。


実に、微妙な自分の立ち位置やこの心情は、まさに今しか味わえないもの。

こんなの味わいたくなかったよ。というのが今の正直な感想だけど。

3年後の自分が、今日のnoteを読んで、
「ははは。そんな時期あったなー!しんどかったよなーあの頃は!笑」

そんな風に、
子供がいても、いなくても、今の私を思い出して笑って欲しい。と心から願う。   

3年後の自分へ。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また。

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