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街録チャンネル

移動教室の時に必ずついてくる女子がいた。そういえば野沢さんも障害を抱えていたような気がする。プールの時間に水を極度に怖がった。野沢さんは勉強も出来なかったし運動も。絵も。言われてみれば会話のテンポも少しずれていたり周りと笑いのタイミングが違った。


座敷わらしみたい、だからわらしというあだ名をつけられていた。私がいるクラスではイジメが起こらない。私がやめろと言うからだ。嫌われていた女子はクラスのみんなに目を合わせてもらう事が出来ない。


私は私の友達がいたけれど嫌われている女子になにか話しかけられた際はみんなと同じように話したし接した。


野沢さんが移動教室の時に私の後ろをついてくるので周りの女子が「またわらしがいる」と笑った。クスクスと。本人に分かるか分からないかギリギリのところで笑う。


先日、YouTubeの街録チャンネルで大人になってからわかった知的障害についての動画を観て野沢さんのことを思い出した。

動画の方が話していた「移動教室の場所まで辿り着けない。わからない。わからないと恥ずかしくて聞けない」という話から…ああ…野沢さんは苦労していたのかもしれないと思った。ただの好き嫌いが多い人と思われているようだったが今思えば給食のほとんどのものが食べられない様子でよく昼休みに落ち込んでいる姿を見た。偏食が強かったように思う。


野沢さんを30歳になった頃くらいにBOOKOFFで見かけた事があった。
同級生が働いている姿を見るのは新鮮だった。



結論だけをいえば、普通に仕事も出来て普通に会話ができたら問題はない。
だけど野沢さんが学生生活を送った何年間かは苦労したと思う。美容室が苦手という理由で髪も異様なくらいに長かった。やはりこういう所から子供の頃のあだ名というのはつけられてしまうのでわらしの他に貞子というあだ名も男子につけられていた。





イジメはイジメられるほうに原因がある。


こう言うと語弊を招きそうなので丁寧に説明したいのだがイジメはイジメられるほうに原因がなければイジメに発展することはない。
あくまでも原因があるのはどの場所から発生してイジメが起こるのかという話でなにもイジメをした側を守ろうとした物言いではない。

私はこの「原因」について細分化することであともう一歩人と人の間に生まれ得るイジメを少しでも減らしたいと思っているしある程度の方程式のようなものが出来るとも最近は感じ始めている。




いじめられっこが似ているように見える時が時々あるからだ。
街録チャンネルに出演している人たちの生い立ちエピソードを聞いていると頻繁にイジメというワードが出てくる。またか!?と思うくらい幼少期のイジメエピソードがでてくる。私が言いたいのはそういう事である。やっぱり感というかやはり…やっぱりなのである。。。。



まず家庭環境が悪い。
もうこれはどうにもならない。どうにかするとしたら家庭環境が悪いブームでも起こらない限り周りが救える話ではない。ただし、最近はブレイキングダウンの流行りもあるので可能性がないわけではない。しかも結果大人になった時に人生の成功者のような立ち位置にいくような人は大概家庭環境がめちゃくちゃ良いかめちゃくちゃ悪い育ちであることがよくわかる。例えばジャニーズにいた滝沢秀明くんがまさか貧乏でえんぴつすらも買えないような幼少期を送っていただなんて誰もテレビを観ているファンは当時気付かなかったと思う。




貧困が強くすることももちろんあるが、上原美憂という名前のタレントは自分で自分の人生の方を辞めてしまった。そういう事もあるので他人の貧困についてあれこれ言えたもんじゃないと心から思う。こんな時代だからこそ。


知る機会、触れる機会もないので街録チャンネルには感謝しているしまだ見始めたばかりだ。







野沢さんと撮ったプリクラを私はいまだに持っている。友達だったのか?と聞かれたら1番の仲良しグループではなかったけれど友達だったと答える。

「わらしと一緒にいて恥ずかしくないの?」とクラスの女子に聞かれた事が何度もある。時々帰りを待ち伏せしている野沢さんと一緒に帰宅したりしていたのでそんなことを聞かれたりもした。「いや、方向が一緒だから」と答えた。



なぜそれで私はイジメられないのかそこにもまた理由が存在するのだと思う。

本来であればむしろ私の方が主張も強いのでイジメられそうだが。全くなかった。ヒエラルキーという名のもとに人間関係が構築されていたので学校という場所はややこしかったがイジメに遭わない理由のひとつに「できる事が多い人」というのは存在すると思う。これは悲しいことに大人になり社会人になると徐々にわかる。






野沢さんはヒエラルキーとか気にしたのだろうか。私は気にしなかったけどそれは困らなかったからだと思う。困った人間にしかわからないものは色々あると思う。それを街録チャンネルでは細かなエピソード付きで教えてくれる。








私が思うほど私の学生時代は悪いものではなかったように思う。


本当は嫌だったと口に出せるようになる頃には辛かった過去などなかったことにして忘れてしまうのが良いのかもしれない。
忘れずに頑張ることで生きる活力にしている人もいるのでそれもおおいに自由。


今後の街録チャンネルでまた色んな人間模様が見られると思うと楽しみだ。

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