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トランスジェンダー女性に対するデマへの毅然とした対応についての声明

今国会で議論されてるLGBT法案をめぐり、現在、インターネット、SNS上で、トランスジェンダーに対する誤解や、偏見、ヘイト発言が増加していることについて、記者会見をひらきました。

「男性が「心は女性だ」と申告すれば女湯に入れるようになる」などを始めとした、トランスジェンダーの生活実態とは、かけ離れたデマが広がっており、そうしたヘイト発言などに、いち当事者として、とても心を痛めており、傷ついている当事者がたくさんいる、ということをお伝えしました。

当時者が、トイレやお風呂のことについて話すこと、また、身体の構造がどのようになってるか、など大変プライベートな話を記者会見で話すことは、とても勇気のいることです。

しかし、名前も顔も出すことができない、声をあげることもできない、自分がトランスジェンダーであることを隠して、ひっそりと生きている当事者がいること、トランスジェンダーだけでなく、そうした男らしさ・女らしさなどのジェンダー規範を押し付けられて、生きづらさを抱えている方のことを思うと、私自身も胸が苦しくなりました。

LGBT法連合会が本日(3月16日)発表した「トランスジェンダー女性に対するデマへの毅然とした対応についての声明」より引用しますが、

全国約60の自治体では、すでに性的指向・性自認による差別を禁止する条例が施行されている。こうした自治体で、公衆浴場等の利用ルールが変わった、あるいは社会が混乱したという事実は報告されていない。にもかかわらず、こうした事実を無視し、徒に人びとの不安を煽る議論は、社会に分断をもたらし、性自認による差別と憎悪を助長するものであり、断じて容認することはできない。

LGBT法連合会

とあります。

トランスジェンダー女性(出生時に割り当てられた性別は男性)が、女子風呂や、女子トイレに入れてほしいと主張している、というのは正しくありません。むしろ、トランスジェンダーの多くは、社会の中で自分はどんな性別に見られているのだろうかと人目を気にしながら、迷惑がかからないように、何とか社会の中で暮らしています。

性別の捉え方については、性自認で扱うのか、そうでないのか、諸外国によって対応はさまざまです。日本でも戸籍を変更できる、いわゆる特例法(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)がありますが、誰でも戸籍を変更できるわけではなく、いくつかの要件があり、戸籍変更は当事者にとって、非常に高いハードルというのが現状です。

トランスジェンダーの生きづらさや困難について、大多数の人にとっては、なかなか理解しづらい部分もあるかもしれませんが、今回の会見の報道によって、社会が分断せずに、トランスジェンダーに対する正しい理解や、多くの方と連帯し支援の輪が広がることを望んでいます。

そして、人それぞれの属性や価値観は異なりますが、性的少数者のこうした生きづらさなどの経験を共有することで、一歩でもこの現状を変える力に繋がったら嬉しいです。


【声明】トランスジェンダー女性に対するデマへの毅然とした対応についての声明


【メディア報道】


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