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#20 Switch~オンとオフ~

スイッチをONにしてからだや気持ちを動かす。

なんてまるで家電やロボットみたいですが、

「動く」、「働く」という動作が存在する以上、その反対側の作用、つまり「戻る」、「休む」もまた存在します。

「自律神経」という有名な神経があります。

自律神経にはONの交感神経と、OFFの副交感神経があります。
交感神経ばかりが強く働いていてはからだは持ちません。
副交感神経のOFFの作用があることで無理をせずからだも気持ちも保つことができます。

つまり、ONもOFFもどちらも重要な「機能」だということです。
似ていますが、「OFFは機能していない状態」というわけではないということです。

電気のスイッチもOFFの時間が短ければ、たくさんエネルギーを使ってしまいますし、電球も早く消耗されてすぐ切れてしまいます。

筋肉もそうです。筋肉は縮むことで物を掴んだり引き寄せることができますが、戻る効果がなければ、次の動作に移ることは出来ませんし、エネルギーを無駄に使うだけです。

よく患者さまも勘違いされることが多いのですが、
「筋肉を触って固い状態だから私は筋肉がある方です」と、ご自身のふくらはぎや腰を触りながら教えてくれます。
ですが、実は「筋肉が固い=筋肉がある、またはいい筋肉」ではありません。

優れた筋肉はONとOFFが適切に行うことができるものです。

過去に総合格闘技をされている患者さまのふくらはぎを触らせてもらった時に、ものすごく柔軟性があり触り心地のいい筋肉で衝撃を受けたことがあります。
もちろんぐっと力を入れると空気の詰まったタイヤのように固くなります。

筋肉がリラックス時も固いまま、というのは筋肉を緩ませるOFFの状態にする機能が落ちていると言えます。

私たちはやはりあらゆるからだのスイッチをONにして動き、働いています。
ONにするのにもエネルギーが必要で、いっそOFFなんかにならず、ずっとONの状態で元気はつらつに生きられたらいいのにと考えることもあるかと思います。

それでもそういう訳にいかないのは、からだもこころも無敵ではないからです。

ONの時もOFFの時もそれはあなたですが、ONとOFF両方できてこそのあなたです。
もしも家電のスイッチがOFFにできなければ、それは故障です。

自律神経を唯一自分でコントロールできる方法は「呼吸」であると言われています。

吸う時はON。吐く時はOFF。

息を吐くことを忘れていませんか?

今が頑張り時ならば思いっきり息を吸ってONにして、
休憩時間や休みの日には、今度は思いっきり息を吐いてちゃんとOFFの時間を作ってあげましょう。

ONの時もあなた。OFFの時も大切なあなたです。


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