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色塗りが苦手な障がい児への支援

みなさん、こんにちは。

特別支援学校の先生のしんちゃんです。

以前、色塗りが好きだけど、発達障害があることで思っているようにできなくて苦戦をしている子を担任したことがあります。
障害が自分のやりたいことを阻害している状態です。

どのようにしたら、子どもがキレイに色塗りができるようになるのか、試行錯誤しながら上手くいった経験と支援方法をお伝えしていきます。




発達障害の特性

発達障害の特性一つとして、手先の不器用さがあります。
操作性の未熟さが原因である場合、視覚的な認知が未発達で形が捉えられないこと、集中力が続かない、指示の理解が難しいのような原因により影響します。

また、目と手の協応が未発達というのも 原因の一つと考えられます。
目と手の運動操作が連動していないために、手先の微細運動がスムーズにいかないのです。

目と手の協応動作については、こちらの記事でも紹介しています。



①スプーンやフォーク等の食具を持つことから始める

まずは、クレヨンや色鉛筆を持つ前に、子どもが今できることやできないことを段階ごとにチェックしていきます。

鉛筆を使う時に握り持ちになってしまう場合には、スプーンやフォークを3本指で正しく持てるかどうかチェックします。

鉛筆よりもスプーンやフォークの方がサイズも大きく、持ちやすいために正しい持ち方を学んでいきます。



②はみ出さずに塗りきる経験を積む

色塗りで必要な運動として、粗大運動から微細運動への移行があります。
人間の成長は、大きな運動から小さい運動へと段階を踏んで進んでいきます。

これを踏まえて、色塗りを段階に分けて練習をしていきました。
❶肩から腕を動かして大きな丸を書く。
❷肘から先を動かして、紙いっぱいに色を塗る。
❸手首を動かして決められた枠の中に色を塗り、指先を動かして塗り残しを埋める。
子供に合わせた難易度の課題に取り組むことで成功体験を積めるようにしていきました。

また、あらかじめ塗り絵の枠線をボンドでなぞって段差をつけておくことも効果的でしたこうすることで、子どもが枠の中を塗る意識をもてるようになりました。


③絵の端や中心から塗るようにしていく

粗大から微細へと移行して色を塗りきること、枠の中を塗る意識がもてるようになったら、絵の端から色を塗るようにしていきました。

端から塗るということは、中心から塗るよりも塗る位置のスタートが明確になっているため、より集中して塗る意識がもてるようになりました。

端から細部まで塗ることができるようになったら、次は中心から塗るようにしました。

中心から塗る技術は、端から塗るよりも難易度が高いです。スタートが端よりも不明確で、手首の動きによってははみ出してしまうからです。

これまでの段階を経て繰り返し取り組むことで、失敗もありましたが上達していく子どもの姿を見ることができました。


④まとめ


自分のやりたいことが障害により阻害される、このようなことが起きないように、教師として支援をしてきました。

色塗りは子どもの個性そのものが現れる手法であると思っています。
子どもの自由な発想やクリエイティブな能力を大切に、支援できるように今後も励んでいきますね。

今回の支援があくまで一例に過ぎませんが、参考にされたら幸いです。

ありがとうございました。

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