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記事一覧

著者と話そう 長友恵子さんのまき

 2023年3月に刊行した『ブックキャット 〜ネコのないしょの仕事!』の翻訳をされた長友恵子さんにお話をうかがいました。 Q どんなお子さんでしたか? A 大人になってからは、自己主張が強い、と言われますが、子どものころは内気で、友だちの少ない子どもでした。それにはわけがあって、小学校6年生まで夜尿症で、いつも布団に地図を描いていたんです。それで内にこもってしまい…。学校の成績はよかったので、両親はさほど気にしていなかったみたいです。六年生の修学旅行は不安で、行かないことに

著者と話そう 早川世詩男さんのまき

 第68回青少年読書感想文全国コンクール高学年の部の課題図書になった児童文学『ぼくの弱虫をなおすには』(K・L・ゴーイング作、久保陽子訳)の挿し絵を描いてくださった、イラストレーターの早川世詩男さんにお話をうかがいました。 Q どんな子ども時代でしたか? A 暇さえあれば絵を描いていました。最初は絵が得意な兄の影響だったと思いますが、実際ぼくも絵を描くのが好きで、らくがき帳に好きなものをずっと描いていました。「キン肉マン」や「アラレちゃん」など、アニメや漫画のキャラクター

著者と話そう 鵜木 桂さんのまき

2023年6月に刊行した『月のボールであそぼうよ パンダとリスのはなし』はベルギーの作家とオランダの画家による低学年向けの物語です。翻訳を担当されたオランダ在住の鵜木桂さんにお話をうかがいました。 Q 子どもの頃のことをお聞かせください。 A 生まれは松本ですが、父の仕事の関係で、小学校に入るときに千葉に引越しました。一人っ子で引っ込み思案なうえ大学の付属小学校に入学したため、近所に友だちがいませんでした。学校で仲のいい子は家が遠く、子どもだけで家に遊びに行ったりもできな

著者と話そう 岡根谷実里さんのまき

 世界各国の食べものを紹介する大判絵本『世界の国からいただきます!』(アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ文・絵/ナタリア・バラノフスカ文)の日本語版監修を担当された岡根谷実里さんにお話をうかがいました。 Q 岡根谷さんは「世界の台所探検家」としてご活躍ですが、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか? A 世界各地の家庭にお邪魔して、一緒に料理をさせてもらい、料理から見えてくる暮らしや社会について発信しています。会社員時代の2020年に『世界の

著者と話そう 竹迫祐子さんのまき

 本誌で「絵本、むかしも、いまも…」を連載中の、ちひろ美術館の竹迫祐子さんにお話をうかがいました。 Q どのような子ども時代を過ごされましたか? A 広島で生まれ育ち、天気のいい日は太田川や三滝山で真っ黒になって遊んで、家に帰ると、パンツの中に砂が入っているような子でした。雨降りの日はテレビ。祖母と一緒にエノケンとか「愛染かつら」といった古い日本映画をいっぱい観ていました。夜は、母が読んでくれる『ハイジ』が楽しみでしたが、その挿絵がいわさきちひろのものだったと気づいたのは

著者と話そう 小池アミイゴさんのまき

 2月刊の絵本『はるのひ』の作者、小池アミイゴさんにお話をうかがいました。 新刊絵本『はるのひ』(徳間書店) Q この作品は、ことくんという小さな男の子がお父さんの畑からすこしはなれた森のむこうへとひとりで走っていく姿を描いた、小さな冒険物語です。道中、ことくんは何度もお父さんに「おーい」と呼びかけて、声が返ってくるのを確かめてから前へ進み、物語は終盤にかけてドラマチックに展開していきます。  この絵本の着想は、どうやって得られたのでしょうか。 A 7、8年前、大工をし

著者と話そう 番外編 阿部美樹子さんのまき

 今回は、本の装丁を手がける、デザイナーの阿部美樹子さんにお話をうかがいました。 Q どんなお子さんでしたか? A 子どものころから絵を描くのが好きで、よくお絵描きをしていました。また、本を読むのも大好きで、小学生のころは図書室や図書館に入り浸っていました。でも、中学、高校の間は、陸上に夢中で…。大学では英語を学びたいと短大に入学したのですが、ふしぎなもので、受かったら英語熱が冷めてしまったんです…。なぜあんなに英語を勉強したいと思ったのかわからなくなってしまい、ほかの事

著者と話そう 菱木晃子さんのまき

 今回は、9月刊『おじいちゃんとの最後の旅』(ウルフ・スタルク作)を翻訳された菱木晃子さんにお話をうかがいました。 9月刊の児童文学『おじいちゃんとの最後の旅』 Q 菱木さんは、スウェーデンを代表する児童文学作家、スタルクの作品を20冊以上翻訳されています。日本でも5社以上の出版社から刊行され、大人気です。スタルクは、2017年に急逝しました。菱木さんは、スタルクと親しく交流されていましたが、どのような出会いだったのでしょう? A 最初に彼の作品を知ったのは、1980年