<ゲームの売れ行きアップ方法>第21回:作り手が用意したゲームバランスを苦痛に感じる人もいる

 インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。

 第21回は「作り手が用意したゲームバランスを苦痛に感じる人もいる」です。

 

<ゲームの売れ行きアップ方法>第21回:作り手が用意したゲームバランスを苦痛に感じる人もいる>


 medival dynastyという中世の村作りシミュレーションゲームは面白いゲームですが、正直言うとデフォルトの難易度設定ではかなり面倒くさいゲームバランスになっています。
 重量制限があるせいで資材を獲得したらこまめに売却したり保管庫に行って荷物を減らすなどする必要があり、移動がかなり多いこのゲームでは重量制限があるとものすごく面倒なゲームプレイになっています。
 家を建てるのもデフォルトの設定では無駄に時間がかかります。

 しかし、このゲームはプレイ中にいつでも細かくゲーム設定が変更でき、その中には「重量制限を無くす」や「高速建築」というのもあります。
 これをONにすると一気にプレイ感が良くなり、私は途中から重量制限は無くし、高速建築にして快適に楽しくこのゲームをプレイできました。
 またプレイしなおす時は今度は重量制限もありにしてじっくり遊ぶつもりですが、やはり途中で重量制限は解除するかもしれません。

 このように作り手が用意したゲームバランスでは実際はユーザーにとって苦痛になっている事もあり、このゲームのように「自分が楽しめるように細かく設定を変更できる」という風にするのも良いでしょう。

 ジャングルでのサバイバルが楽しめるgreen hellというゲームも、プレイ開始時のみですがかなり細かくゲームバランスをユーザーが自由に設定できるようになっています。
 おかげで難しさを落として楽しくプレイできるようになっています。
 green hellはデフォルトの難易度だとかなり難しく、その難しいのも面白いと感じる人もいれば苦痛に感じる人もいます。

 最近の例ではドラゴンズドグマ2が竜憑きやファストトラベル中の襲撃などでずいぶんと不評なゲームになってしまいました。
 これもアップデートでユーザーごとに発生のON・OFFを設定できると評価も変わってくるでしょう。

 ゲーム開発者は「自分の用意したゲームバランスでプレイして欲しい」と奢らず、「ある程度ユーザーが調整できる」という風にした方が評価が良くなって売れ行きも増えるのです。
 一般的な難易度の何段階かの変更も良いですが、より細かいオプション設定もあると良いでしょう。

  こういうゲームシステムのオプション設定が豊富なゲームの場合、設定を大きく変えるとずいぶんと異なったゲーム体験ができるようになるというメリットもあります。
 繰り返し遊ぶ時により楽しめるようになるでしょう。

 
 

このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。


次回は第22回「失敗を短時間で連続で体験させるとユーザー評価が大きく悪化する」です。
リトライしてすぐに死んでしまうようなゲームデザインやゲームバランスにしてしまうとプレイヤーのストレスがたまりやすくなります。
リトライ後はある程度は気持ちよく死なずにプレイが続く、そういうゲームデザインにしないと低評価レビューが多くなり、売れ行きを悪化させてしまうのです。