<ゲームの売れ行きアップ方法>第17回:「時々ひやっとさせる事」がゲームの楽しさを引き出す

 インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。

 第17回は「『時々ひやっとさせる事』がゲームの楽しさを引き出す」です。

 

<ゲームの売れ行きアップ方法>第17回:「時々ひやっとさせる事」がゲームの楽しさを引き出す


 プレイ中に時々ひやっとさせるゲームはプレイしていて楽しいゲームになります。
 そういう要素があまりないのんびり系ゲームもそれはそれで別の楽しみがありますが、基本的にひやっとさせる事があまりないゲームはプレイが淡泊になりがちです。

 たとえばソウルライクゲームでは油断するとゲームオーバーになりやすく、頻繁にひやっとしたシーンがあります。
 もしこういうひやっとしたシーンが無くなると途端に死にゲーの面白さが大きく薄れてしまいます。
 受けるダメージ量が少なくて楽勝で倒せる敵ばかりだと真面目にプレイする気が無くなってしまうし、スリルもありません。

 RPGなどでも時々真面目に対応しないとキャラが死んだり全滅するゲームバランスになっている方がプレイしていて楽しくなるでしょう。
 焦る必要が無く楽勝な戦闘ばかりが続くとずいぶんと退屈なゲームや作業的なゲームになってしまいます。
 ストーリー主導のRPGでは時々こういう作業的なゲームになってしまっているのもわりとあります。

 シューティングなどでも敵の弾の回避だったり、敵の体当たり攻撃、地形の回避などで適度にひやっとさせる事をこまめに体験させるゲームバランスを目指しましょう。
 ボス戦はともかく道中(ステージ)が退屈なシューティングもわりとあります。
 地形が無いシューティングの場合は敵の弾や敵の体当たりなどでプレイヤーをひやっとさせる事を時々入れるという感じです。
 弾幕系シューティングは敵の弾は遅いのが多いし、自機の当たり判定も小さくて弾を避けやすいため、どうやってプレイヤーを適度にひやっとさせるかは作り手の腕の見せどころとなるでしょう。
 弾幕系でも時々高速弾を混ぜた方がプレイヤーをひやっとさせやすいです。
  
 デッキ構築型のカードゲームなども、同様にプレイヤーが焦ってしまうようなそういう展開が時々出るようゲームシステムのデザインやカード性能の調整、ランダム要素の導入をしていくべきです。

 色々なゲームはプレイを繰り返すと敵の攻撃パターンやゲームシステムを熟知する事でプレイ中にひやっとする事がどんどん減っていき、ゲームの楽しさが薄れていきます。
 たとえばシューティングゲームでも敵の配置や攻撃パターンを一度覚えると楽勝で進めてしまえるようなゲームデザインにしてしまうと、ずいぶんと淡泊でつまらないゲームプレイになってしまいます。
 そうではなく、敵のパターンを覚えてもなおアドリブできちんと避け続けないといけない場所が時々残り続けるシューティングは何度プレイしても楽しいシューティングになります。

 あなたが作るゲームも、「今のはやばかった」みたいなひやっとする瞬間が時々きちんとあるかどうかよく確認してみてください。
 評価の高い名作ゲームは、いずれもプレイ中にひやっとする瞬間が良くあるようゲームデザインされています。

 
 

このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。


次回は第18回「気持ち良さを増す事をもっと意識してみる」です。
ユーザーは楽しむためにゲームを遊ぶわけですが、そのゲームがより気持ち良く感じるような演出や効果などを意識すると、ゲームの評価が高くなり、売れ行きアップにもつながります。
インディーゲームのわりと多くのゲームで「気持ちよさの演出が足りない」と感じる事があります。