<ゲームの売れ行きアップ方法>第24回:一撃で倒せる敵をきちんと混ぜるとプレイ感がずいぶん良くなる

 インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。

 第24回は「一撃で倒せる敵をきちんと混ぜるとプレイ感がずいぶん良くなる」です。

 

<ゲームの売れ行きアップ方法>第24回:一撃で倒せる敵をきちんと混ぜるとプレイ感がずいぶん良くなる>


 縦や横スクロールのシューティングゲームをよくプレイしている人ならわかると思いますが、「一撃で倒せる雑魚をこまめに混ぜた方がプレイ時の気持ち良さがかなり向上する」というのがあります。

 海外製のスクロールシューティングでは雑魚ですら何発か当てないと倒せないというのがわりとあり、その手のシューティングをプレイすると「なんだか日本製のシューティングゲームと違ってプレイ感がずいぶんと悪い」と感じる人も多いでしょう。

 一撃で気持ち良く倒せる敵を適度に混ぜるというのは、シューティングに限らず3D系のアクションゲームだったり、FPS、メトロイドヴァニア、コマンド式RPGやアクションRPG、ガンシューティングなどでもプレイ感を良くするのに大きく貢献します。
 ソウルライクゲームでさえ一撃で倒せる雑魚敵を混ぜるとゲーム体験に変化をもたらします。
 またコマンド式RPGでも敵グループの中に一撃で倒せる敵をわざと混ぜると爽快感が増すというのは、RPGツクールなどでもテストしてみると良くわかるでしょう。

 何撃も与えないと倒せない敵ばかりではなく、一撃で倒せる敵も一緒に混ぜる事でプレイ時の気持ち良さがずいぶんとアップするのです。
 またそれはゲームを持っていない人達がプレイ動画を観た時も「このゲームは気持ち良さそう。自分も買って遊んでみたい」と思わせてくれ、ソフトの売り上げアップにつながります。

 あなたが今作っているゲームや、これから作るゲームでは、「何撃も与えないと倒せない敵ばかりではなく、同じシーンに一撃で倒せる敵も適度に混ぜてみる」というのをやってみてください。
 実際に試してみると、この方がゲームの気持ち良さがずいぶんと増すのがよくわかるでしょう。
 シューティングなどの場合はそういう雑魚敵は単体でばらけて出すより、編隊で出す方がより気持ち良くなります。

<部位破壊やパーツ破壊も気持ちいい>

 また、硬い敵の場合は『パーツ破壊』というのを入れてみると、これでもプレイ時の気持ち良さがずいぶんとアップします。
 生物系の敵は部位破壊、メカ系の敵はパーツ破壊という形で、本体とは別に比較的早く壊せる部位をいくつも付ける事で、敵を連続して攻撃している時に時々そのパーツが破壊される表現が合間に入り、プレイ時の気持ち良さをかなり向上してくれます。

 PSのhorizon zero dawnやその続編では敵のゾイドのようなメカは適度にパーツ破壊が可能で、これが気持ち良さをだいぶアップさせていました。
 もしパーツ破壊が無く本体にダメージを与えるだけの味気ないものだったら、ずいぶんと気持ち良さは薄れていたでしょう。
 horizonのパーツ破壊は病みつきになるほどの気持ち良さがあります。

 dying lightというゾンビFPSゲームも部位破壊があってそれが気持ち良さに貢献しています。
 他のFPSやTPS、3Dアクションでもどんどん部位破壊やパーツ破壊は導入すべきです。

 シューティングゲームで「パーツ破壊がまったくなく、ひたすらボスに弾を当てていくだけ」の場合と、「適度にあちこちのパーツを破壊しながらボスの体力を減らして倒す」のでは、後者の方が圧倒的にプレイ感は気持ち良くなりますし、それはプレイ動画を観ている人にとっても「気持ち良さそうなので自分も買ってプレイしてみたくなった」と思わせてくれます。
 シューティングゲームでショットを当てても体力ゲージだけがちびちびと減っていくだけのボス戦は淡泊になってしまいます。
 CAVEのエスプレイドはボスのパーツ破壊が豊富に仕込まれていて、ボス戦がかなり気持ち良いと感じた人は多いでしょう。

 弾幕系シューティングを作る人は「ボス戦は体力が何段階かに分かれていて、それがちびちびと減っていくだけ」みたいな事をしている人もいますが、そこにパーツ破壊を入れるとボス戦の気持ち良さがかなり向上するので試してみてください。

 他のゲームでも「硬い敵はパーツ破壊や部位破壊も入れる事でプレイ時の気持ち良さをアップさせる」というのをきちんとやってみましょう。
 剣で攻撃するゲームも、雑魚でさえ何撃も与えないと死なない敵ばかりではなく、わざと一撃で倒せる敵もシーンに適度に織り交ぜ、また硬めの敵には部位破壊やパーツ破壊などを入れる事で、そのゲームはぐっと楽しさが増し、プレイ動画でもより面白そうに見えて確実に売れ行きアップに貢献してくれます。
 鎧を着こんだ敵も、攻撃によって鎧の一部が剥がれていくパーツ破壊を入れてみると良いでしょう。

 
 

このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。


次回は第25回「「このゲームはどこがどうダメなのか?」を考える」です。
他のゲームのダメな部分を日頃からきちんとチェックする事で、自分のゲームで同じような失敗をするのを回避できるようになります。