唐狂味変

経営学科中退、理学療法学科中退、哲学科卒。 反出生主義、発達障害、16Personal…

唐狂味変

経営学科中退、理学療法学科中退、哲学科卒。 反出生主義、発達障害、16PersonalitiesはINTP-T。

最近の記事

日本一周その1(四国編)

 労働を辞め、日本全国を三分割にして巡るという遊びをやっている。現在三分の一を終え一時帰宅し、求職活動(≠就職活動)に精を出すなどの他は、ダラダラ過ごしている。  前回書いた準備編では、まず九州へ行くと言ったが、出発直前に痛風発作が起こり、1週間も足止めを食らってしまった。そのため翌月の求職活動に支障を来さぬよう、最初の行き先を四国に変更した次第である。  今回の四国編の日数は15日。本当はもう少しゆっくり回るつもりだったが、予想以上の寒さで野宿が2回しかできず宿代ばかりが嵩

    • 日本一周準備

       自慢にならないが、僕はまったくと言っていいほど準備だとか計画を立てるということができない人間である。いわゆるMBTIで◯N◯P型の人だったら理解してもらえると思う。  それが楽しいことのためだったとしても、綿密な計画を立てることにはまったく気乗りしない。理由づけをしようと思えばいくらでもできるだろうが、最も大きいのは、計画を立てる時点と実行する時点で気分が変わっているケースが多いからである。計画に振り回されたくない、と言えばそれまでなのだが……。  例えば、しっかりした人は

      • 32歳、無職。教習指導員を辞めて…③

        教習指導員の待遇について 見苦しい話がダラダラと続いたので、ここからは多少なりともマシな方向に持っていきたい。  僕が働いていた所は、そこまで小さいわけでも大きいわけでもなく、規模は並だったと思う。  年収は、総支給で400いくかいかないか。田舎だったら、まぁ食うには困らない。中小企業なので仕方ないが、ボーナスが少ないのが残念だった。  残業は、繁忙期と閑散期で相当な差があり(学生の長期休暇の時期に仕事が集中する)、繁忙期が月40〜50時間、閑散期が20〜30時間くらい。  

        • 32歳、無職。教習指導員を辞めて…②

          経営者の手の内で、現場系社員と事務系社員が火花を散らす。営利企業というのは、こういう構図に陥ってしまうのが宿命なのだろうか。 蜜月関係の先輩Aと女上司B。二人が牛耳る事務所VS現場指導員、という構図がいつからか出来上がってしまい、僕は日ごと不満を膨らませていた。 とりわけ教習所では、どこもそうだとは思うが、事務所が決めた配車に対して、指導員が不満を持つということが頻繁に起こる。一つ一つは些細なことなのだが、いくつか重なるとギリギリの状態から絞り出していたやる気がプツッと切れて

        日本一周その1(四国編)

          32歳、無職。教習指導員を辞めて…①

          仕事を辞めてしばらくの間の解放感は、およそ人間が感じうるもっとも強烈な幸福のうちの一つだと思う。 それをここぞとばかりに味わっている、と言いたいところだが、昼から飲んだくれているのが祟ったか、あいにく痛風の発作が起こってしまい、一日の多くをベッドの上で過ごしている。 ようやく快方に向かいはじめたので、ひとつ文章でも書いておこうと思い、スマホを取った。 もうこの際、身バレなぞは可能な限り恐れずにいこう。どこから書いていこうか迷うが、まずは自己紹介を。 1991年北関東生まれ

          32歳、無職。教習指導員を辞めて…①

          一労働者の日乗 2

          6月20日 三連休中日。終日無為。休肝日としたが、晩飯の鍋の締めのきしめんを、箸から滑らせ一本丸々床に落としてしまい、忸怩たる思い。あれさえなければ真の意味で満腹になれたのに。 6月21日 三連休最終日。午前9時前起床、入浴、接骨院に赴く。 ここ数ヶ月ほど、長く通っていた鍼灸をやめ、姿勢を指導してくれる接骨院に通っているが、どちらが良いのか分からず。 帰路、遠回りして漫画と食料を購め、一旦帰宅。 ここ2日捗らなかった掃除をある程度(水回り以外)進め、購めた『創世のタイガ

          一労働者の日乗 2

          一労働者の日乗

          6月19日(月) 敬愛する西村賢太に倣って日記でも書こうと思う。と言うより、文体模写の訓練か。故人となった作家の敬称は略すのがエチケットであろうから、悪しからず。 三連休初日。午前9時起床。入浴。この休みを無為にしまいとコンサータを投入。 先々月に購めた大ハズレの中古車を修理するため、整備工場へ赴く。代車は妙なエアロの付いたライフ。自然吸気の軽自動車の加速は、やはり慊りない。 どこかへ寄ろうと思うも、ピンとくる行き先もなく、ヨークベニマルにてサーモン、無添加の飲むヨーグル

          一労働者の日乗

          ショートショート「成人の儀式」

          時は21世紀末。 生存自由意志選択法、通称「成人の儀式」が施行されて久しい。 この法律は、自分の意志に関わらず生を強要されるのは人権に反するとして、成人を迎える者はそのまま人生を続けるか、安楽死するかを自由に選択できるというものである。 なお、安楽死自体は未だ自由化されておらず、成人の儀式のときに選択した者だけに許可される。 某三流私立大学に通う僕は、今まさに、その選択を迫られている。 目的も無く大学に通い、嫌々バイトに行き、休みは家でダラダラするだけの毎日。VRで自分を慰

          ショートショート「成人の儀式」

          反出生主義に見栄えを

           月一くらいで書きたいなぁと思っていたnoteだが、気がつけば2年も放置してしまった。せめて盆くらいはまとまった文章を書こうと思い、重いスマホを上げてログインした次第である。  2018〜2020年の間は、いい年こいて3度目の大学生をやっていて、反出生主義をテーマにした卒論を仕上げるために、ベネターその他を読み込んでいたが、今となっては労働のつらさにかまけてすっかり離れてしまった。  時間が経っても僕の反出生主義は1ミリも薄まりはしないが、一方で、ベネターのような分析哲学的な

          反出生主義に見栄えを

          生き残るために

           「社会は厳しい」  嘘ばかり言っていた大人たちの言葉の中で、本当のことといえばこれくらいだろう。そして、こうした大人たちの言葉の奥には、諦めだけではなく、自身もその厳しさを構成する要素の一つであるという醜い矜持が隠れていた。  貴様はそんな厳しい社会を心底誇り、望んでいるのか。ピーターパンシンドロームと言われても構わない。僕が彼らに問いかけたいことは、この一言に尽きる。    数日前のことだ。弱小資格を取るためにファミレスで試験勉強をしていた僕の隣に、新卒風の若い男

          生き残るために

          シオランの解説書を読んだ

           2019年の下旬は反出生主義が盛り上がった折だった。『現代思想』で特集が組まれ、プロたちがああでもない、こうでもないと言っているのを見て、「ついにこの日が来たか」と柄にもなくワクワクしていた。が、案の定、アレがピークだったのだろう。グーグルスカラーで検索する限り、反出生主義をテーマとした新たな日本語の論文は世に出ていないようである。もしかすると、反出生主義バブルは弾けてしまったのかもしれない。  ブーム終盤の昨年末、大谷崇氏による、ペシミズムの大御所シオランを解説した異色の

          シオランの解説書を読んだ