「なんでもできる人」が苦悩する理由
『ひなみ、久しぶりー!』
怜ちゃんは昔から計画的で賢く、
自分に出来ること/出来ないことを良く分かっていた。
自分に手の届く理想を設定して、
着々と自分に出来る計画を練る。
現実的に夢を見る女の子だった。
新卒で入った会社で、社会人3年目を迎える彼女。最近の仕事事情を聞いてみると。
『このままでいいのかなあって思うよ。
有休取っても電話とか仕事の対応入るから、
結婚して家庭持ったら続けられないかも』
怜ちゃんと旅行をした時、
離島へ向かうフェリーでも社用PCを開いて仕事をしていたのは、強烈に印象に残っている。
福利厚生がしっかりしていて、ワークライフバランスが取れる企業を選んだはずなのに、それでいいのかと思ってはいたけど。
彼女にとっては、それが初めての会社で、“社会人とはこういうものだ!”という定義づけがされてしまったのだろう。
不満を募らせることもなく、今も一生懸命に働いている。
営業を続けて3年。
他社でも通用する営業スキルが身についた頃。
「怜ちゃん、やりたいこととかないの?」
『インテリア系、興味あるかも。』
でも、学校で室内装飾とか勉強してないとだめだよね。とため息をつく彼女に、
そんなことないと思う。インテリア系の会社の営業→部署移動で企画とか、部署移動難しければそっから再転職とか。と提案。
『うーん......そっかぁ。』
意外かもしれないが彼女は保守的で、言うなれば頭が固い面もある。
現実的に夢を見ているようで、実際は、固定観念にとらわれて思うように動けなかったのかと少し納得がいった。
『もう一回、中国に留学したいし、
子どもも欲しい。
インテリア系の仕事も興味ある。
でも、
今の環境・状況では仕事に不満はないし、
マッチングアプリやってるけど、
将来子どもが欲しいだけで、
恋人が欲しいのかは よく分からない。
転職も現実味を帯びないんだよね』
彼女は元々お金を使わない性格だし、
日々仕事に追われる中、地道にNISAやポイ活もしている。
20代、貯蓄系思考からいっかい踏み切って、
何かチャレンジした方が
人生楽しく後悔なく進めるんじゃないかなあと老婆心(同い年だが)が働きかけた。
もちろん、私の“すべき論”は飲み込んで、
選択肢を広げるに留めたけど。
怜ちゃんも私も、この先 最高にキラキラできますように。
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