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クリムト『ベートーヴェン・フリーズ』〜ウィーン分離派展のために選んだベートーヴェンの楽曲

グスタフ・クリムトの描かれた縦2.16m横34.38mからなる大叙情詩の大作の『ベートーヴェン・フリーズ』。ちなみにフリーズは絵巻物のように横に連続する作品という意味。

第14回「ウィーン分離派展」のために、3面からなる壁画として制作されました。このウィーン分離派展の特徴は、個別の作品を展示するのではなく、展覧会の沿ったテーマの新作が課せられます。第14回のテーマは、ベートーヴェンで、クリムトは交響曲第9番を選び、浮かんだインスピレーションで、この壁画に制作しました。絵画のストーリーは、黄金の騎士が敵対する悪の化身に立ち向かい、純粋な喜び、幸福、愛を見い出し、理想の世界へと導いていく。楽園には天使たちの合唱で歓喜の歌、そして抱き合って接吻をするふたりというもの。抱き合うふたりは《接吻》、《ストクレ・フリーズ》に受け継がれていきます。真珠母貝、ガラス、半貴石など様々な素材が使われていました。

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ヴェルデさん、かるびさんなど美術ライターも参加していただきました。それぞれの切り口のいろいろな読み物がが楽しめます。

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