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「育児・家事」に殺されないために

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1.はじめに

 こんにちは、東京バハムート(Tokyo-Bahamut)と申します。

 拙者も3人の子持ちでなので現役の子育て世代として、夫婦の育児・家事の分担には思うところがあります。今回は、我々は育児・家事そして仕事の分担についてどのように考えれば良いかという提案と、今後どういうソリューションが考え得るかなどについて書いていきたいと思います。ござるござる(掛け声)。

2.育児・家事分担の現状

 まずは夫婦の分担に関する統計を見ていきましょう。共働き世帯は年々増え続け、今や専業主婦世帯の2倍以上となっています(以下グラフは専業主夫世帯、ひとり親世帯は含まれていないので注意。またグラフも一番下が0じゃないので注意)。これは40年ほど前の比率と比べると完全に逆転しています。

出所:厚生労働省「令和4年度版厚生労働白書」より一部加工

 では、分担割合はどうでしょうか。元の資料が白黒で大変見づらかったので、汚い色のカラーグラフを作ってみました(中身は同じ)。

出所:国立社会保障・人口問題研究所「第6回家庭動向調査(2018)」を基に作成

 若い世代ほど家事を分担してやっている傾向が見て取れる半面、妻が常勤でもほとんど妻に家事をやってもらっている夫がそれなりに居るんだなという印象は受けます。正直、俺は夫婦の分担については、一方的に男性の味方するつもりはありません。過度に夫に負担をかけている妻も居れば、過度に妻に負担をかけている夫も結構いるんだろうなと思ってます。

 それでは実働時間はどうでしょうか。

出所:総務省「令和3年社会基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の要約」

 なるほど、夫の家事関連の実働時間は20年前の3倍にはなってますが、まだまだ妻の家事分担は多そうですね。というか、20年で夫が1時間以上増えてるのに、妻は10分ちょいしか減ってないのは一体何なんだ
 しかし、この統計じゃダメなんです。何故なら仕事の時間が入っていないので。むしろ、出典元の直前に掲載されているの表1は仕事に時間まで入っているのに、何故か表2は仕事の時間を抜いているんですよね(ちなみに表1は独身も入っているので、夫婦の分担の考察には使えません)。公平を期すために、夫婦の分担とは育児・家事だけの分担だけではなく、仕事も含めた分担であるべきだと思います。
 というわけで、e-Stat(政府統計の総合窓口)から生データを拾ってきて、集計してみました(結構たいへんだったでござる)。

出所:総務省「令和3年社会生活基本調査」の「第5-2表」、「第5-3表」より作成

 あれ、なんだかここまでの統計と比べると印象が違いますね。未就学児のいる世帯だと「仕事」と「育児・家事等」の時間合わせると、少し妻の負担が大きいですがそこまでギャップはありません。子どもが小学生以上だと同じくらいになりますね。ただ、どちらも妻における「自分の時間」は少ないというのはあるかもしれません。これに追加で、共働き・専業主婦家庭毎の集計もしてみたので、それは本章末にでも載っけときますね

 次に少し観点を変えて、昔と比較してどうかというところを見てみましょう。1986年の統計が確認できる最も古いものであったので、そこと比べてみましょう。

出所:前出分に総務省「昭和61年社会生活基本調査」の「02101表」を加えて作成

 厳密にいうと、「末子が未就学児」と「6歳未満の子供がいる」は違う定義ではあるんですが、まあ大体同じということで。
 なんと!この35年間で「仕事と育児・家事の合計(②③の合計)」が1.5時間も増えています。全自動洗濯機やロボット掃除機、買い物や食事の宅配がサービスとして定着しているにも拘らずです。男性は仕事の時間が変わらないのに、育児・家事等の負担が増えています。女性は、仕事の時間が増え、更に育児・家事等の負担が増えています。夫婦を合わせると仕事は1.5時間、育児・家事は2時間も増えています。24時間のうちの2時間って結構ですよね。
 では比較した1986年はどういう状況だったか冒頭のグラフをもう一度見てみましょう。

出所:厚生労働省「令和4年度版厚生労働白書」より一部加工(再掲)

 フムフムこの辺か。実は1986年って「男女雇用機会均等法」が施行した年なんですよね。その前(高度経済成長の需要に応じて)から、徐々に共働き家庭が増えてきていますが、それでもまだ専業主婦家庭が主流の時代ですね。この頃よりも専業主婦家庭が減っているのに、育児・家事の時間が大幅に増えているの、結構衝撃的ではありませんか?
 
その理由として考えられるのが親や親族との同居が減少している、所謂、核家族化です。要は育児・家事を担う頭数が減った分、負担が増加してしまっているということです。

出所:総務省「国勢調査(昭和60年)」「01801表」
及び
「国勢調査(令和2年)」「9-5-1表」より作成

 こちらの統計で、先ほどの生活時間の表と大体同時期である昭和60年と令和2年を比較してみると、滅茶苦茶に核家族化が進んでいることが分かります。同じ国勢調査(令和2年)によると、18歳未満の子ともがいる世帯の90%以上が核家族です。状況証拠ですが、同居親族が居ないから、結果的に夫婦で仕事・育児・家事を全てやらないといけない状況になったんだろうと推測できますね。
 つまり、昔と比べて育児・家事に対する夫婦の負担が増加しており、その増加した分を夫婦のどちらが負担するのか考えないといけない、しかもお互いに働きながら、というのが我々が直面している課題であるのです。だから、増えた分も含めて専業主婦の妻に全て押し付けると、就学前(特に乳児期)はオーバーフローしてしまうリスクも高いです。逆に、増えた分を全てフルタイムで働く夫に押し付けても、これはこれで辛い状態になる可能性があります。
 とにかく「昔より過酷な環境にいるのだ」ということを心にとめて、夫にも妻にも「甘えている」的な方向性で糾弾するのは一旦止めましょう。スタートラインはそこから。まずはこの過酷な環境を夫婦でどう乗り越えるか、ということが重要です。

 途中で触れた共働き世帯と専業主婦世帯(専業主夫家庭は件数が少ないため割愛)の比較について、以下に掲載しておきます。2024/3/23追記:すみません、集計をミスった方の画像を誤って掲載し続けていました。大勢に影響はありませんが、こちらの数値が正しいです。

出所:総務省「令和3年社会生活基本調査」の「第5-2表」、「第5-3表」より作成

「②③の合計」を見ると、やはり分業する方が効率的なようですね。また、共働きだと妻に多少負担がかかる傾向があり、専業主婦だと夫に負担がかかる傾向がありそうですね。

3.夫婦で分担する上での課題

 育児・家事にはその特性上、お互いに納得のいく役割分担を決める上で阻害要因となるような要素がいくつかあります。育児・家事の分担問題を解消するソリューションを検討する上では避けては通れないものであると思うので、本章ではまずその分析をしたいと思います。

課題1:「負担」の曖昧さ

 まずは育児・家事ごとの負担に関してです。当たり前ですが、同じ「洗濯」といっても、6人家族の洗濯と3人家族の洗濯は作業量が違います。ドラム型洗濯機で乾燥までやる場合と、全てベランダまで持っていって干している場合でも結構負担が違うと思います。離乳食期であったり保育園に通っていたりすると、食べこぼしや泥汚れ、エプロンなんかは洗濯機に入れる前に手洗いしないといけません。毎日毎日食べカスまみれのエプロンを何枚も洗うのって、肉体的にも精神的にも負担が大きいですよね。そういったそれぞれのタスクにおける負担は、各家庭によって状況が異なるにも関わらず「洗濯」なら「洗濯」として認識され曖昧です。

 また、負担のレベル感や種類も色々あると思います。例えば同じ30分でこなせるタスクがあったとしても、スマホ片手にできるものと、付きっきりになるものでは密度が違うし、その作業が毎日なのか月1なのか(頻度)でも違います。また、その負担の方向性が「肉体的負担」なのか「精神的負担」なのかによっても感じ方が違うと思います。楽でも「拘束時間」が長いと自分の時間は持ちにくくなるし、短時間でも「肉体的負担」が大きいと、疲れてしまいます。中には「精神的負担」が大きく神経が磨り減るタスクもあるでしょう。

 これらを各タスクの「負担」を定量的に評価できていない状態で、夫婦間の分担を適切に決めるのは至難のワザです。自分の受け持ったタスクと、相手の受け持ったタスクがバランスが取れているか、感覚で判断しなければいけないからです。お互いに思いやりを持ち、しっかりと会話できる夫婦でないと、ついつい自分の受け持ち分だけが大変で、相手は楽をしているように感じてしまいます。育児・家事の分担で揉めている夫婦にとっては、この「負担」の曖昧さはなかなかの阻害要因になるのです。

課題2:「品質」の曖昧さ

 前述の「負担」と密接に関連するものですが、育児・家事の「品質」についても難しい点があります。例えば、Twitterでも愚痴として「夫に子どもの面倒を任せていたら、ずっとテレビを観せっぱなしだった」とか「毎食栄養バランスを考えたメニューを考えるのが手間なのに、夫は平気でカップ麺を出してご飯作ったという顔をする」なんて愚痴をたまに見ますね。

 仕事だと管理職や先輩、専門部署が各々の成果物やサービスの品質をチェックしてくれていますが、育児・家事となるとそうはいきません。新卒が「もうできました!」と言ってダメダメな議事録を出してきたら、手直しさせますよね。一方で育児の品質なんてきっと正解はないし、家事の品質なんて追い求めるとキリがありません。夫婦間・家庭間でもきっとギャップがあるでしょう。このギャップを埋めないまま、相手に何かを任せると「想定する品質に達していない育児・家事」をされて、余計にストレスが溜まります。また逆に、相手に異様に高い品質を求めてしまうことで相手がやりきれなくなったり、自分にも異様に高い品質を課すことで自身を追い込んでしまったりもします。なので、やはりこの「品質」の曖昧さも、夫婦が育児・家事の丁度よい分担を決めていくうえでの阻害要因になります。

課題3:「マネジメント」の不在

 仕事では通常、管理職が各メンバーの状況やタスクの作業量や難易度を見ながらメンバーに仕事を振って、特定のメンバーに負担が過度に偏らないように調整します。資料の確認もしてくれます。しかし、育児・家事には作業をマネジメントしてくれる管理職はいません。その為、家庭を取り巻く環境が変わっても、誰かほかの第三者が役割分担の見直しをしてくれるわけではなく夫婦がお互いの負担を慮り、話し合い、調整することでしか対応できません。
 また、夫婦間で「負担」や「品質」のことで揉めてしまったり、一方が話し合いをする気にないなどの状況に陥ると、第三者によるマネジメントが不在ゆえに、それを解決することがなかなか困難になります。おそらく、昔の家庭では姑が権限をもってこの役割を担っていたんでしょう。

 さらに、マネジメントが不在だとトレーニングやコーチングもしてもらえないので、夫婦は自分で自分の育児・家事のスキルアップを目指すしかありません。たまに「夫は褒めて伸ばせ」みたいなツイートがバズり、そして同時に炎上するのは、このコーチング機能を妻がやろうという啓発に対し、「何故、妻がやらないといけないんだ」という反発からですね。本来、性別に関係なく、主に育児・家事を担当している方が、主に仕事(稼得)を担当している方へ育児・家事についてレクチャーやコーチングをすることはそれほどおかしいことではないと思うのですが、「働いていようが父親の積極的な育児タスクは義務」という実務としての役割分担のバランスを無視した思想により、夫の従属的な態度に反発を持ってしまう人も一定数います。例えば反転させて、普段は夫が自動車の運転を担っている家庭で、妻が自動車の運転をする機会があった際、夫が一切アドバイスをせず、道に迷ったときに文句だけ言うとしたら、どう感じるかということですね。
 勿論、共働きなら夫側も主体的に学ぼうとしろというのはありますし、実はできる/できないの話ではなく、先述の「品質」のズレがあるだけのケースもあるでしょう。

 このように、マネジメント(調整・調停・教育機能など)を受け持つ管理職がいないことは、夫婦が育児・家事を適切に立ち上げ、続けていくことの阻害要因になっています。

課題4:「評価制度」の不在

 もう一つ難しいなと思うのは、仕事とは違って「評価制度」がないということです。これは単純に褒めてもらえないというだけの話ではありません。

 仕事では通常、各従業員の職種・職位(ランク)ごとに期待値が設定されており、その期待値に沿うように年間の目標を決め、目標が達成されたかを評価します。評価結果はボーナスや昇格という形で自分に返ってきます。
 では育児・家事はどうでしょう。当然、育児・家事の担い手には職位(ランク)などありません。自分がどれだけ育児・家事が得意/不得意なのかも分からなければ、配偶者が一般的にどれくらいデキる人のかも分かりません。期待値も不明なら、成果も不明であり、どれだけ頑張っても目に見える形で自分に返ってくるものがありません。これが夫婦で育児・家事を分担していく上で非常に厄介です。

 まず、お互いにお互いの力量が分からないので、単純に作業量だけで折半しても、自分や相手がやりきれない可能性があります。仕事なら「この仕事はこの人のレベルだと厳しいから頼んじゃダメだな」と上位者側が適宜判断して事なきを得ます(得ない場合もある…)が、育児・家事の現場だとそういうわけにはいきません。お互いの能力やスキルを適切に評価し、たとえ相手がポンコツだったとしても怒ったりせず、なんとかバランスの取れる分担を調整するしかありません。自分がポンコツならそれを共通認識とした上で、やはり分担を調整するしかありません。そんなポンコツと結婚するのが悪いと考える人が居るかもしれませんが、この世の多くの人が結婚・出産してくれないと社会を維持できないので、相手が/自分が/お互いにポンコツかもしれないというのは、ある種の前提になってくると思います。その前提の上でどう成立させるのかということを考えないといけないと思います。

 また、成果も見返りも不明確なため、愛する子ども・愛する家族のためとはいえ、モチベーションを維持するのが難しくなります。頑張っていれば何十年後かに子どもから感謝されるかもしれません。しかし、日々のモチベーションはもう少し短いサイクルで必要になると考えます。

 このように「評価制度」及びそれに付随する職位や報酬といったものが、育児・家事では存在しない事実は、夫婦の分担を適切で持続可能なものとする阻害要因になると考えます。

4.課題解消のソリューション(案)

 ここまでで課題の定義をしたので、それではソリューションについて検討していきましょう。拙者のソリューション案を提示する前に、まず巷のソリューションを見ていきましょう。試しに検索してみると、以下のような家事タスクの可視化アプリがでてきます。

調べるとすぐ出てくるアプリ「魔法の家事ノート」「Yieto」
(Apple社 AppStoreのプレビューより引用・一部加工)

 これらは、いわゆる「見えない家事」も含む家事タスクの総数を洗い出し、役割を分担を振る機能があります。少なくとも「家事に何があるのか」は可視化できるので、課題1で言及した「負担」の一部については解消できそうですね。一方で、それ以外の課題についてはアプローチできない為、話し合いができる比較的うまくいっている夫婦向けといった感じかなと思います。

 もうひとつ紹介しておきたいのはこちら「家事コンシェルジュ」です。「Code for Japan」の取り組みの中でプロトタイプが作成され、NHKでも取り上げられていました(拙者もこの番組を見てました)。

「家事コンシェルジュ」の画面(出所:NHKのHPより引用)

 このアプリの特徴は、各タスクの負担感(かかる時間、好き・嫌い)を数値化できることと、夫婦それぞれの負担感に応じてコンシェルジュが分担の提案をしてくれることです。また、それぞれの分担割合をサマリで確認できます。他のアプリに比べるとなかなか画期的だと思います。一点気になるところは、「仕事」についてスルーされているところでしょうか。……何故スルーした。2章でお話ししたように、拙者は仕事も含めた分担を可視化しないと、フェアじゃないと考えています。

(1)デジタル化によるベンチマーク

 やっと本題です。まずは育児・家事の対象となる「負担」と「品質」について定量化したいですね。定量化するにしても、「家事コンシェルジュ」のように自己申告だけでは、例えば相手が「掃除には毎日1時間かかる」「子どもの面倒を見るのは精神的な負担が大きい」と主張したり、夫婦間で意見が割れたときに、それが一般的にそれがどうなのか良くわかりませんね。というか、相手の主張をそのまま受け入れて、その内容で協議できるのであれば「家事コンシェルジュ」をはじめ既存のアプリで十分だと思います。ということで、夫婦の役割分担を入力するタイミングで収集した情報を統計処理を実施し、自家と似た家庭の平均的な値を参考値として表示するのはどうでしょうか。類似の家庭については、AIが相関の強い要素を条件として抽出をかけるとかどうでしょうか。

類似の家庭を参考(ベンチマーク)として表示するような機能
(趣味で作った画面イメージ)

 このように、自分たちと似たような育児・家事環境にある家庭が、どのようにその家事を捉えているか客観的なデータとして確認できれば、夫婦間での落としどころも見つけられるかもしれません。もしくは、何に拘り過ぎているか、逆に手を抜きすぎているか、何が得意/不得意なのかも可視化できます。逆説的に、「ドラム型洗濯機を使っている家庭は負担が軽いぞ」とか、「乳幼児期の家庭は、この辺の家事を手抜きしてるね」とか、夫婦で家事の苦しみを抜ける為のヒントを見つけられるかもしれませんね。
 ちなみにですが、この際なので、仕事についても(多少粒度は荒くなると思いますが)同じように職種や役職から、統計的な参考値を出しても良いですね。
 そうして積み上げた分担を基に、夫婦で分担している家事にかかる時間や密度(片手間でできる、集中する必要がある)、肉体的・精神的負荷についてもサマリーで表示することで、お互いの苦労を目で見てわかるようにするのはどうでしょうか。勿論、仕事の時間や自由に使える時間も可視化すると良いですね。

お互いの苦労を目で見てわかるための画面
(趣味で作った画面イメージ)

(2)夫婦分担マネジメントサービス

 課題1~4で無い無いと言っていたものをすべてそろえるためのもっと直接的な方法があります。それは、専用のマネジメントサービスを使うことです。サービスを使うと言いましたが、ちょっと調べたところそういうサービスは今のところなさそうなので、誰か作ってください。
 当該サービスでは、専門家の第三者が夫婦の負担や品質のバランスを調整し、必要に応じてコーチングなどを行います。定期的にそれぞれの育児・家事についての評価も行うと良いんじゃないでしょうか。

夫婦分担マネジメントサービス
(趣味で作ったサービスイメージ)

 上記サービスのマネタイズですが、当初の夫婦分担の調整は30,000円くらいで、コーチングや定期的な評価はサブスクリプションで月額10,000円くらいでどうでしょうか。普通にサービス契約すると高く感じるので、健康保険組合で提供されるサービスとするとか、自治体に補助を受けられる事業として採択してもらうなどを目指すと良いかもしれませんね。

5.さいごに(まとめ)

 ちょっとしたソリューションを提案しましたが、これらにはひとつ重大な欠点があります。それは、自分の育児・家事にかかる処理能力が定量化されるということです。つまり、処理能力が高くない人は「お前はポンコツだぞ」と言われることになります。今までなら、なんとなく妻が・夫が悪いと思えてたのに、悪いのは自分だったんだと突きつけられてしまいます。しかし、突きつけられたところでポンコツが治るわけではないので、苦しい状態は苦しい状態のまま、誰かのせいにもできなくなります。だから、拙者はこういったゴリゴリのソリューションによって、全て実力主義的に解決するやり方は最後の手段にすべきだと思っています。その前に、夫婦で話し合い、相手の能力も性格も受け取り、思いやりをもって協力していくことが、もっと穏当に解決できる道です。勿論、「夫が・妻が話し合いをしてくれない」というのであれば、こういったソリューションで他の家庭のベンチマークを突きつけ、第三者を介入させ、話し合いをするきっかけにしていければ、良いのかもしれません。しかし、最も大切なのは、現在子育てをしているできるだけ多くの夫婦が、お互いに追い込まれないことだと思うのです。
 頑張る皆さんに幸せがあらんことを。

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