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反ワクと放射脳  その1


これは、「放射脳」「反ワク」と呼ばれた私の体験談です。


放射脳


福島原発事故

2011年3月、東北沖で起きた地震とその後の津波で福島第一原発が壊れ、4基の原子炉から放射能が放出されました。

昨年、福島原発の汚染水を海へ流す or 流さないで一悶着ありましたが、事故当初に出た放射能はあんなレベルではありません。大気中に出た放射能の総量は史上最悪と言われたチェルノブイリ事故の3倍以上で、海へ出た放射能の方は多過ぎて推測すらできません。ただ、非常に幸運な事に、折からの強い西風で放射能の半分以上が太平洋側へ流れたので、日本の国土の汚染は奇跡的に少なくて済みました。それでも、観測史上最大量の放射能が落ちたことは事実です。しかも、最初の半年間に福島県内に落ちた量は、「測定不能」として公表されていません。

⇩ 日本に落ちた放射能(セシウム137) 1974年から2018年
縦軸は対数なので、1目盛り10倍であることに注意を


食べて応援

福島の事故後、日本政府は原発周辺に住む人たちを避難させましたが、それ以外の地域では放射能汚染は無いと繰り返しました。でも、現実には、東日本から西日本へ移り住んだ人々がいましたし、東京では放射能汚染を怖れて海外や西日本へ本社を移した企業もありました。また、福島産の食材を避ける人が大勢いたことは、皆さんも覚えていらっしゃると思います。その頃、盛んになったのが、「食べて応援」「福島応援」です。政府や原発業界から資金を提供されたマスコミが、放射能汚染を隠す為にプロパガンダを展開したのです。

本当に、あの当時、事故前と同じ生活をしても安全だったのでしょうか?

経済産業省は、放射能に汚染された野菜や食肉は流通していないと言いましたが、そもそも食品中の放射能を正確に測っていないことは伏せていました。福島県内では事故後に病気になったり死亡した人がとても増えましたが、厚生労働省は原因は災害によるストレスと断定しました。


侮蔑の言葉

私も「食べて応援」に反対する一人でした。
事故の翌年からX(旧ツイッター)を始めたのですが、
「我が家では食材を厳選し、外食をせず、関東以北へ足を踏み入れない」
と書くと、「放射脳だ」「非国民だ」「福島の人を差別するな」といった集中砲火を浴びまくりました。

「放射脳」とは、科学的思考ができずにヒステリックな行動をする人を指すのだそうですが、私の取った行動は非科学的なのでしょうか? 日本に落ちた放射能の総量すら公開されていないのに、「科学的思考」なんて成立するのでしょうか?

⇩ 漫画「美味しんぼ」の『福島へ行ったら鼻血が出る』シーン
福島県は風評被害を助長するとして発行元の小学館を訴えたが、「ふくしま集団疎開裁判の会」など4団体は、鼻血は体験に基づく事実だと反論した。
放射性物質を含んだ塵や埃は、長い間空気中を漂っていたので、鼻の粘膜の血管が放射能で切れたのが原因。


チェルノブイリ

チェルノブイリ原発事故は、38年前の1986年に現在のウクライナとベラルーシの国境にあるチェルノブイリ原発で起きました。
原子炉が制御不能になり爆発、炎上した史上最大の核事故で、ソビエト連邦が崩壊する引き金を引いたと言われています。当時のソ連政府が公表した事故死はたった33人でした。もちろん、それは嘘で、ソビエト連邦が消滅するまでの5年間の本当の死者数は数十万人に昇るとされています。ある学者によると、放射能は全世界へ拡がっており、事故から20年間の全ヨーロッパの死者数は確実に百万人を超えるそうです。
最近では、ウクライナに侵攻したロシア軍がチェルノブイリ原発を占拠した際、立ち入り禁止区域に塹壕を掘って駐屯し、そこで寝起きしていた若い兵士が緊急被ばくで死亡しています。

⇩ 「CHERNOBYL」 2019年にHBOでドラマ化された

⇩ BBCニュース。


このように甚大な被害を引き起こしたチェルノブイリ原発事故ですが、科学界では「事故後に癌や白血病は増えた事実はなかった」とされています。
信じられますか?
なぜ、このような事実と違うことが認められたかというと、核産業界が科学界や医学界に圧力をかけたからです。もし、汚染地域の住民の被害を認められてしまうと、事故の賠償額は青天井になり、原子力発電所が稼働できなくなる怖れがあったのです。なので、核産業界は、ヒトや生物への放射線の影響を「科学的」に研究するICRP(国際放射線防護委員会)やWHO(世界保健機関)へ息がかかった研究者を送り込み、「低い放射線量なら癌や白血病にならない」という学説を定着させたのです。

ただ、唯一、チェルノブイリ事故との因果関係を否定できない病気がありました。それが、子どもの甲状腺癌
です。


福島の子どもの甲状腺癌

福島原発事故に話を戻します。
前述したように、日本政府と東京電力は福島の事故で出た放射能は非常に少なかったと公言し、その結果、チェルノブイリのような被害者は出ないだろうと主張しています。ただ、念の為の措置として、当時子どもだった福島県民約38万人に血液検査と甲状腺検査を行いました。この調査は今も継続されており、県の発表によりますと、2023年7月現在で358人が甲状腺癌になっているそうです。
しかし、調査を依頼された学者らは、その358人の癌は偶発的見つかっただけであり、あくまで、福島の事故とは無関係だと繰り返し述べています。

皆さん、どう思いますか?


福島の事故で甲状腺癌になった子ども達は、358人に留まりません。事故後に引っ越して、福島県の調査から漏れている人達がいますし、また、調査に応じない人達も一定数います。また、民間の支援団体(3・11甲状腺癌子ども基金)によれば、当時子どもで、福島県以外の東日本(北海道と青森県を除く)に住んでいて甲状腺癌になった人は少なくとも71人いるそうです。

13年目の真実

チェルノブイリ事故で触れたように、放射能との因果関係を認められたのは子どもの甲状腺癌だけで、大人の甲状腺癌は調査に含まれていません。当然、白血病や甲状腺癌以外の癌は調査の対象にすらなりません。

私の周りでは福島の事故後に白血病や脳腫瘍になって亡くなった大人が4人、突然死した20代の若者が2人いますし、癌になった人は両手で数えきれません。あくまで個人の感想ですが、福島の事故後は病気の発症率が上ったように思います。

一昨年、福島県の甲状腺癌患者358人のうちの6人が、自分達が甲状腺癌になったのは福島原発事故のせいだとして東京電力と国を訴えました。今年、一審の判決が出ます。国と東京電力は責任を認めて謝罪するでしょうか?


13年経って判ったこと。
それは、2011年3月、福島の人は避難すべきだったということです。
「放射脳」と馬鹿にされた人達が取った行動は正しかったのです。

⇩ 拙著。子どもの白血病の患者数から被害を推測した。

⇩ なぜ、原告は6人だけなのか? 彼らの手記を読むとわかる。


子宮頸癌ワクチン


反ワクの説明をする前に、こちらを語らなければなりません。

子宮頸癌とは


子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが引き起こす性感染症だと言われています。(ウイルスだけが原因ではないという説もあります)ヒトパピローマウイルスは太古の昔から人類の身近にあるウイルスで、180以上の種類があり、私達は生涯を通して複数のヒトパピローマウイルスに感染するそうです。
子宮頸癌の原因とされるヒトパピローマウイルスには十数種類がありますが、それに感染してもほとんどの人は癌にはなりません。感染して癌を発症する人は1%未満で、癌が原因で死亡する確率は更に低いのです。また、死亡者のほとんどは高齢者で、40歳以下で子宮頸癌で死亡する人はいません

このように、子宮頸癌は全く怖くない病気です。なのに、メルク社やグラクソ・スミスクライン社は組み換えタンパク質という新しい技術でワクチンを作り、「これを打てば子宮頸癌にならない」と宣伝して世界中に売り込みました。


子宮頸癌ワクチンのCM


子宮頸癌ワクチン接種が始まったのは欧米では2006年頃で、日本では数年遅れでグラクソ・スミスクライン社とメルク社のワクチンが承認されました。当時、既に海外で被害が報告されていたこともあり、厚生労働省は子宮頸癌ワクチンを「推薦ワクチン」にしませんでした。おかげで日本の接種率は非常に低くく、結果、重い副作用報告はありませんでした。

ところが、2013年、状況が一変します。
厚生労働省が子宮頸癌ワクチンを定期接種(小学校6年生から高校1年生の女子)に格上げし、同時に無料接種キャンペーンを始めたからです。全国津々浦々の少女達が競うように接種を希望し、予想していた無料枠を超えた為、再度の無料キャンペーンが行われました。なぜ、突然、ワクチン希望者が増えたのでしょうか? 
それは、2011年のテレビCMが原因です。

皆さんは覚えておいででしょうか? 福島原発事故直後、テレビ局がコマーシャルを自粛していた期間があり、当時は公共広告機構のCMだけが流れされました。その一つに女性の癌検診の啓蒙動画がありました。仁科明子が子宮癌の恐ろしさを語り、その娘が神妙な顔をして聞く動画です。それが、事故後の緊迫する現場を報じるニュースの合間に、繰り返し繰り返し映し出されたのです。

「癌の種類はたくさんあるのに、なぜ、子宮頸癌なのかしら?」
私は、テレビを視ながらとても不思議に、そして気味悪く感じたものです。

福島の事故から2年後、子宮頸癌ワクチンの無料接種が始まると、あのCMを見た母親達は一斉に娘にワクチンを打たせたのです。

ちなみに、私は娘に子宮頸癌ワクチンを打たせていません。私は医学的知識は持っていませんが、組み換えタンパク質ワクチンという新しい技術に不安を覚えて調べたところ、日本ではこのワクチンの仕組みを説明できる産婦人科医は皆無で、海外では副作用被害が報告されていると知ったからです。

また、その後になりますが、SNS上で子宮頸癌ワクチンの危険性を伝える人の情報に辿り着いたことは、今回の新型コロナワクチンの忌避にも繋がっています。

⇩ 2011年、福島原発事故直後に流れた公共広告機構の動画


⇩ 公共広告機構のCM 「ポポポポーン」


反ワク


子宮頸癌ワクチンの裁判

子宮頸ワクチンに使われた組み換えタンパク質の技術は、粗悪で安全性に欠けています。その為、世界中に数千人の子宮頸癌ワクチンの被害者を産み、多数の裁判を引き起こしました。米国などでは製薬会社が個人へ賠償金を支払って終了した裁判もありますが、集団訴訟のほとんどは未だに世界中で係争中です。

⇩ 子宮頸がんワクチンの被害をまとめたツイート


日本の被害者は2013年4月からの無料接種キャンペーン直後から出ました。障害を申告した人だけで245人。その多くが全身痙攣や歩行困難、頭痛や嘔吐などで通常の生活ができなくなった重篤な少女達でした。2か月後、厚生労働省は子宮頸癌ワクチンの接種の一時中止を決めます。その後、100人以上の被害者が全国各地で製薬会社と国を相手取った裁判を起こし、現在は高等裁判所で審議が行われています。


被害者を貶める人々


反ワクはワクチンを打たない人やワクチンの効果を否定する人を指す言葉
で、「放射脳」と同じように悪意ある造語です。日本で「反ワク」という言葉が頻繁に使われ始めたたのは、子宮頸がんワクチンの裁判が始まってからです。

例えば、ワクチンで寝たきりになっている少女へ
「具合が悪くなったのはワクチンのせいじゃない。あなたは精神疾患だ」「仮病に違いない」「少女特有のヒステリーだ」
などと陰口を叩いていました。その上、裁判で被害者の側に立って医学的見地から証言をした医師へ、「データは捏造だ」「主張はデマだ」と決めつけました。更には、
「反ワクが裁判を起こしたせいで、国産ワクチン開発が遅れてしまった」
などと、とんてもない言いがかりをつけてきました。

こんな酷い事を言うのは、ほとんどが、製薬業界と関係が深かい病院の医療従事者や研究者で、残りは報道人です。つまり、何らかの利害関係がある人ばかりなのです。医薬品業界にとって、子宮頸癌ワクチンの裁判が国民に知られるのは困ることなのでしょう。

⇩ 出版社や医師でジャーナリストの村中璃子氏は、子宮頸癌ワクチンの副作用を研究している元信州大医学部長の池田修一氏を「研究は捏造」という嘘の記事を書いた。村中璃子氏は池田修一氏から名誉毀損で訴えられて敗訴が確定している。


⇩はデンマークのテレビで報道された子宮頸癌ワクチンの番組。デンマークは約50万人が接種して約千人が副作用を訴え、うち283人は重篤です。

⇩英国やオーストラリアでは、子宮頸癌ワクチンを打った世代に子宮頸癌が増えているというデータがある


今回の新型コロナワクチンでも同じ事が起きています。
次で書きます。


反ワクと放射脳 その1、 終わり

その2へ続く


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