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【8月の本よみ】 身近な避暑地

気温が30度を超えると、蚊の動きが鈍るらしい。35度くらいまで上がると、蚊は葉の裏などに隠れてあまり動かなくなるそうだ。加えて今年は蚊の発生源となる水たまりが、蚊が成長できるほど長く残らなかったらしく、蚊そのものの数が少なかったと聞く。

そのかわりに気温は35度である。正午ごろは太陽もほぼ真上から照りつけるため、逃げられる影も少ない。そうなる前に早めの昼食を、と外出したところで写真のご夫婦にお会いした。

とてもリラックスしているけれどそれは惰性とは違う質のもので、ひとりが本を読んでいるのに不思議な一体感がある。あとでわかったことだがここはおふたりのお気に入りの場所のようだ。近くにある大手コーヒーショップの混み合った狭苦しさがなく、静かな場所。屋外ではあるが建物の影がちょうどテーブルのあたりだけを覆っていて、風が抜けにくいかわりに季節感は味わえる。その位置からはそこの入り口でもある小さな門に切り取られるかたちで外を歩く人々の流れが見え、門のこちら側とは別世界のようだった。

屈託のない笑顔で撮影を承諾してくださり、さらに気を遣って席を外そうとされるご主人に、できればそのままでとお願いし、撮影した。そこにはパートナーと過ごす時間として憧れるくらい理想的な形があった。撮影のお礼を言い、辞した。

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「東京の本よみ」とは?
本をよむ人のポートレート。
ストリートスナップさながらに本を読んでいる人に声をかけ、読書姿と読んでいる本の表紙を撮影させてもらっています。
毎月20日にサイトに新しい写真をアップし、末日に撮影後記をnoteにアップしています。

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