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【6月の本よみ】緑のなかで

読書中の人に声をかけること自体がすこし久々だった。

やや緊張しながらも、午前中の気持ちのいい空気の中でそっと近づいて聞いてみると承諾してくださった。

改めて見返すと、緑の中に、水色のジャケットがよく映えている。

公園の一角で読書をしている姿を撮らせてもらったことはこれまでもあるが、「公園で読書」というのは、「喫茶店で読書」と同じような感覚で、本を読む環境として公園をチョイスしているのだろうか。

わたしは専ら積ん読の人間なので、こんな活動をしていながら恥ずかしいのだけど、「今日はここで読もうかな」とか「あの場所に行くついでに、そばにある○○で本を読む時間を取ろう」というようなことを、生活の中ですることがほぼない。

だからこそ、外で本を読んでいる人を見かけると、生活の中に溶け込むように読書が存在している(ように見える)その人に、何か憧れめいたものも感じているような気もする。

この数ヶ月の間に、生活の仕方や、働き方、暮らしのあり方が、みんなそれぞれ何かしらのかたちで変化し、自分にとってどういう状態が心地いいのかを、改めて考えさせられたような気がしているのだけど、

その中には、本との関係や、本屋との関係、そしてそれを読める場所にまつわることなんかも含まれているように思う。

ひさびさの撮影後記を書きながら、そんなことを思った。


text : Mayo Tamura

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