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"破壊と創造"

こんにちは、根岸です。石州流伊佐派の茶道稽古には月に2回のペースで通っています。この隔週ペースが前回のことを忘れるか忘れないかぎりぎりのところ。月の日数の関係で3週間空いた頃にはもう忘却の彼方…

ある時ふとそのことを磯野先生にお話しすると、笑って教えてくれました。

「それでいいのよ、茶道も"破壊と創造"だから」

その言葉を聞いて心が軽くなり、それから気負いなく稽古に通えるようになったのを覚えています。

その気持ちで向き合うと、吸収したものが取捨選択されて大事なものが残り、そのうち自然と体が動くようになる。時間をかけて"身に付ける"感覚を楽しめるようになってきました。


そしてもう一つ好きなエピソードがあります。
同じく御点前をなかなか覚えられない社中が、稽古の最中動画を撮って復習しても良いですかと尋ねた時のこと。

「撮影しても構いませんが、大事なものを失いますよ」

はっとさせられる、何と示唆に富んだ言葉でしょうか。それが何かは人それぞれですが、ただ御点前の形を覚えるのが目的ではなく、時間をかけて心と所作をじっくり身に染み込ませることが大事なのだと自分は解釈しています。

稽古では御点前の所作や手順とあわせて、必ず一つ一つの由来や意味を話してくれます。どの所作にも理由があり、その奥には相手への礼儀や敬い、静けさ、美意識がある。心を置き、形にしていくから意味があるのだと気付かされます。


・Ha' Matcha
磯野先生に監修していただいたシリーズ。デザイナーのセバスチャンやチームのみんなと共に、人としての心の在り方も学びました。
http://haporcelain.com/ja/matchaj/

・石州流伊佐派
https://www.sekishuisa.com

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