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社会との疎外とNetflixから眺める世界

コロナによる自粛要請で在宅時間をどう潰すか、皆いろいろ考えていることでしょう。

AmazonPrimeで「ウォーキング・デッド」見始めたら止まらなくなって寝不足になった。以来サブスク動画はハマりすぎると危険なのでなるべく見ないように気をつけている。その後は「ストレンジャー・シングス」、ゴッドタンの佐久間Pがおすすめしていた「モダン・ラブ、今日もNYの街角で」は思わず見てしまったが抑制している方だと思う。

「見ちゃいけないルール」を課す中、コロナの外出自粛に際して、普段見ないものをぽちっとつけてみる。見るべきものは山積みなのだが、余剰時間できたので敢えて自分の枠からはみ出たものを。

「テイラー・スウィフト ミス・アメリカーナ」

「ワン・ダイレクション THIS IS US」

どちらもミュージシャンドキュメンタリーもの。結論、テイラーのこと全然知らなかったけど、とても愛おしくなったのと、ワン・ダイレクションの世界ツアーの映像はコロナで外出できない時代において、世界旅行気分ができてけっこう楽しかった。

テイラーの映画はカントリーシンガーからセレブとなってしまってあらゆる世間の声に心をかき乱される様を描いていた。体型を気にして痩せまくったら、逆に痩せ過ぎだと言われたり、盛んな恋愛遍歴からビッチ呼ばわりされたり、それでも何とか乗り越えていく様を描いていた。そりゃぐっと感情移入してしまうよね。

やっぱり芸能人の裏の努力や涙は中々見えることができず、おもしろい。一方で、ワン・ダイレクションはふわっふわしていたなぁ笑

クラスのお調子者みたいなのが集まって、友情で乗り越えていこう感はJ-pop の歌詞のようにティーン向けだったが、イギリスのアイドルカルチャーもこういう感じなんだなぁと興味深く見てしまった。ボーイズグループの代表格ジャニーズと比べて、振り付けない分ステージの立ち回りのうろうろ感気になるなぁ、でもハモれるからいいかとか笑 そしてXファクターというオーディション番組の企画から生まれた感じもモーニング娘排出のアサヤンなども想起。

こういったドキュメンタリーあるあるで「ビートルズ並のxx」とか引用されるけど、いつの時代もこういった若者の心を虜にする存在は必要なんだなという普遍性にグッと来るものがあった。

深い深い精神的葛藤はそこにはなかった。しかしティーンネイジャーの若者がアイドルになったらこんな感じなんだなぁとおっさん目線で見るとなんか弟や息子のように可愛く思えてきた。なによりの衝撃が、映画会の巨匠マーティン・スコセッシが出てきて、娘がファンだからといってライブの楽屋挨拶に来るという笑

あと見てよかった一つとして、世界ツアーで日米はもとより、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェーなどヨーロッパでも根強いファンがいて、世界の人々がいっぱい映る点だ。

もはや世界旅行に行った気分になれる、パリの斜塔だ、凱旋門だ、巨大スタジアムだ。今は少しはばかられる圧倒的な外の世界。いい〜。そしてイタリアのみんなは今どうしているんだろうかとか。渋谷のスクランブル交差点も2015年前後歩いている人々とコロナ時代の感覚は違うよね。

最後に、

完全に映画としての見方ではなく、映像としても面白さを見出しているわけだけど、Netflixはお茶の間映画という道を開き、集中して映画を見る風習を良くも悪くも変えている。1800円握りしめて映画館で映画を見る行為は、ハイクオリティーすなわち、圧倒的に大きいモニターで大音量で、何より集中して見られる貴重な体験を与えてくれる。しかし、ライトな自宅の映画鑑賞は質より量をもたらしてくれる。普段見ないものが鑑賞対象となりうる、新たな出会いをもたらしてくれる。興行の難しそうなインディー作品でも低コストでお茶の間に提供できる。アカデミー賞ノミネートのROMAが顕著である。

注意として、今回の作品は知らない世界を視覚化しておもしろい体験を与えてくれたが、ある種、音楽だけではない人間に焦点を当てることで商品としての彼らの価値を高めていると思う。つまり、基本的にこれらのドキュメンタリーはアーティストのプロモーションでもある。そのためいいところばかり切り取っている部分はあると思うので見るときは要注意ではある。

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