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論理チェーンの罠、新しい論理構築方法をマスターする前に…

言語運用能力を高めると

言語運用能力を高める事で思考はさらに力を発揮します。なぜなら、思考のほとんどは言葉を介して起きているからです。ですから、言語運用能力が低い=思考力が低いということになります。

言語運用能力とは
音声・文字言語を問わず、自らの意思を言語によって表現・伝達し、相手の意思を的確に理解し得る能力のことです。

代表的な思考法 帰納法と演繹法

ほとんどの人は、「私は日本語ができるから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、案外そうでもありません。

メタ思考、コグニティブバイアスのテクニック的な部分を攻略したからといって、それをどのように運用するかが思考力を磨くポイントとなります。

論理的に考える方法や思考法には、たくさんの種類があります。その中でも帰納法、演繹法が代表的なものでしょう。

帰納法とは、
複数の実例を挙げて、共通点や傾向を見つけて、そこから結論を見いだす方法です。

帰納法の問題点は、多くの実例が必要な事、実例に誤りがない事、共通点・傾向が論理的に無理のない事です。

演繹法とは、
ルール、事実に結び付けて結論を見いだす方法です。
演繹法の問題点は、そもそもルール、事実が間違っていない事、イレギュラーのない事などがあります。

他にも論理ピラミッド、MECE、マインドマップ、ロジックツリーなど、挙げればキリがありませんが、これらはあくまでもツールです。

もともと論理的な思考ができるからこそ、ツールを活用できるのですから、根本的な思考方法を理解していないと、ほとんど意味がないのです。

論理チェーンの罠

論理チェーンと言われると、「?」となるかもしれませんが、その代表格がアリストテレスで有名な三段論法です。

三段論法の例としてよく使われるのが、

「アリストテレス(A)」は「人間(B)」
「人間(B)」は「死ぬ(C)」
よって
「アリストテレス(A)」は「死ぬ(C)」

A→B B→C よって A→C
というものです。

いまだに論理的だと思われている考え方ですが、この論理構築法には問題があります。

それは、「この世にアプリオリはないから」という理由からきています。

アプリオリとは、
前提又は与件として疑うべきでないこと。それはつまり、唯一絶対の真理という事になります。

例えば、アリストテレスは本当に人間だったのでしょうか?猫や宇宙人だった可能性もあります。また、人間は必ず死ぬというのも、これからの医療技術の発展とともに不確定です。

さらに三段論法の例は、基本的に三段しかないので論理破綻してないように見えますが、
これが、
A→B B→C C→D D→E....Y→Zとなった時、
A→Zとなる可能性は相当低くなるはずです。

つまり論理チェーンは、チェーンの長さ次第で、論理性自体が怪しいものになるのです。

論理にも働く不確定性原理

ティッシュ1枚を3cmの高さから落とした場合、「落下地点はここ」とすぐに予測ができますが、高さ634mのスカイツリーの上からティッシュ1枚を落とした場合、「落下地点はここ」と予測するのはまず不可能です。

論理チェーンは、そのチェーンの長さに対して、スカイツリーと同じことが言えます。

世界的に現代では、三段論法を論理的であると思っている人は極僅かで、使えないオールドスクールとして位置づけられています。

これから論理的な思考法を身に付けるとすれば、全く別の方法をチョイスする必要があるでしょう。

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