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摂食障害になりやすい人"9つの要因"

摂食障害は、一般的には"無理なダイエットなどによって発症する"と思われていますが、それはあくまでも1つの要因で、実際は様々な要因によって引き起こされる特徴的な食事行動を伴うメンタルヘルスの状態です。

摂食障害を持つ人の信念はゆるぎなく厳格で、その信念は人生に大きな影響を与え、命を脅かす危険性もあります。

摂食障害の根本的な原因は1つだけとは限りませんが、なりやすい人についてのデータがありますので以下にご紹介していきます。

摂食障害とは

摂食障害の症状には、
・パージング
・過度な運動
・ボディイメージに関する否定的な思考、体重に対する不安などの代償行動(代償行為)
・健康に関連する合併症

などがあります。

パージングには"浄化をする"という意味がありますが、これは摂食障害での過食に見られる行動で、嘔吐や下剤の乱用で食べ物を体外に排出する行動を指します。

代償行動(代償行為)とは、欲求が満たされない場合、それを別の形で満たそうとする行動をいいます。

摂食障害には様々な種類がありますが、
・極端な食事制限と著しい痩せ型となる"神経性やせ症(AN:Anorexia Nervosa)"
・過食と体重増加を防ぐための代償行動(嘔吐や下剤の乱用など)を繰り返す"神経性過食症(BN:Bulimia Nervosa)"

主にこの2つに大別されます。

一部の人は、同時に、もしくは状況によって複数の摂食障害を持っています。

摂食障害の原因について

摂食障害は、
・摂食障害を持つ家族
・完璧主義
・いじめ
・虐待
・トラウマ

など、多くの要因によって引き起こされる可能性があります。

上記にあるトリガーのうち、1つだけでも摂食障害を発症する可能性がありますが、いくつかが複合して発症するケースが多いようです。

一般的には女性に発症しやすい症状と考えられていますが、近年では男性も増加傾向にあります。

摂食障害になりやすい人"9つの要因"

1.思春期

思春期は、神経性食欲不振症、神経性過食症の最も発生しやすい時期です。研究では、これらの摂食障害の発症は、人生の後半になるほど発症しずらくなるというデータがあります。

2.遺伝

研究では、摂食障害を持つ家族がいる人は、遺伝的に摂食障害が発症する可能性があると示しています。関連する遺伝子は、ESRRA遺伝子、HDAC4遺伝子などと言われていますが、詳しいメカニズムに関しては研究中です。

3.出産による合併症

出産時の合併症や神経発達の問題は、神経性食欲不振の発症と強く結びついているという研究データがあります。

・出生時の頭蓋血腫
・心疾患
・胎盤梗塞
・子癇前症
・貧血
・糖尿病


上記にある出産時の合併症は、必ずではありませんが、乳児にとって将来の神経性食欲不振の予測因子であることが分かっています。

4.他のメンタルヘルスの問題

・大うつ病性障害
・強迫性障害
・不安障害

上記のメンタルヘルスの問題は、摂食障害を発症する可能性を高める可能性があります。

5.減量(体重)への極端なこだわり

減量(体重)に焦点を当てすぎると、アティキフォビア(失敗の恐怖)や完璧主義などの思考パターンが発生してしまい、摂食障害の発症につながる可能性があります。

6.自己評価、自尊心の低下

自己評価や自尊心の低下による自身の身体に対する不安は、摂食障害を発症するリスクを高める可能性があります。

自己評価や自尊心が低い人は、自分の身体の見た目などに極度にこだわる症状を持つ"身体醜形障害(Body Bysmorphic Disorder:BDD)"を発症しやすく、それによって摂食障害の傾向を悪化させる可能性があります。

7.いじめや虐待

ネットいじめやリレーショナルアグレッション(人間関係への攻撃)を含むいじめや虐待は、摂食障害へつながることがあります。研究レポートでは、いじめや虐待が摂食障害と最も強く関連性があり、とくに神経性過食症となる可能性を示唆しています。

8.人間関係、社会的支援が乏しい

隔離は摂食障害を発症する重要な要因となります。ここで言う隔離とは、受け入れがたい感情や感覚を、思考や行為(行動)から切り離すことや麻痺させることをいいます。人は社会的な支援が乏しい場合に孤独や孤立を感じ、その対処をするために摂食障害に向かう傾向があります。

9.社会やメディアの刷り込み

基本的に社会やメディア、広告、テレビ、映画、SNSなどでは、細くてスラッとしたモデルのような体型が理想的であるという評価をしています。この理想が個人の心に固定化されてしまうと、例え自身の体が健康な状態であっても、ボディイメージや体重、体型への極端なこだわりにつながり、摂食障害を発症する危険性があります。

次回は、"摂食障害を予防するヒント"をお伝えいたします。

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