「分散と結合」

どうも、高尾トンビです。「みんなのフォトギャラリー」で素敵なイラストを見つけたので、記事のヘッダに使わせて頂きました。(madoさん、ありがとうございます。)

「選択と集中」というフレーズを聞いたことがありますか?

ビジネスをやっている方であれば、「選択と集中」は聞いたことが少ないくらい「有名な経営戦略」の一つです。実際にその戦略をとっている方も多いと思います。

「選択と集中」という経営戦略は、『マネジメント』で有名な「経営神様」ピーター・ドラッカーが『プロフェッショナルの条件』という本で紹介しています。

確かに、競合に打ち勝ち生き残るためには、限りある経営資源を有効活用して最大の成果をあげることが重要なので、「選択と集中」という経営戦略が有効でしょう。

しかし、今回は「選択と集中」という戦略が万能ではないことについて書きたいと思います。

VUCAと言われる時代

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今の時代は「VUCA(ブーカ)の時代」と言われています。
VUCAというのは「Volatility(変動性)」、「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑さ)」、「Ambiguity(曖昧さ)」の頭文字をとった言葉です。

今の時代は「変動が激しく、不確実で、複雑かつ曖昧なこと」が多い。

テクノロジーは恐ろしいスピードで進化し、ニーズも多様化し、SNSなどを通じて世界中の人々が個人単位でつながり、いろいろな活動や行動をしている。

VUCAの時代で「選択と集中」だけでやっていけるのか?

そんなVUCAの時代で、目の前にある「選択肢の中から適切なものを選び、それに集中する」といった手法が通用するのか?と言われるとかなり疑問があります。

そもそも「選択と集中」は「存在する選択肢」から「最適なものを選び」「そこに集中する」という戦略です。

しかし、VUCAの時代においては「最適なもの」は従来のやり方の延長線上にはありません。

今やっている事業領域が衰退している中で、その周辺領域に手を出しても寿命を先延ばしにしているだけで、遅かれ早かれ衰退してしまう。

変化の激しい複雑で曖昧な世の中では、これまで「確実に成果が出る」とされていたやり方に集中しても、成果が出るかどうか「確実ではありません。」

むしろ、これまでは選択肢から外されていたような大胆なアプローチを取ることも含めて、いろいろ試していかなければ「業界の衰退と一緒に」自分達も沈みます。

「想定内の選択肢から選ぶ」のではなく、「想定外の道を見つける」ことが必要です。

では、どうすれば良いのか?

そこで、僕が提唱したいのが「分散と結合」という考え方です。

「分散と結合」

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「分散と結合」という考え方は、「一見するとつながりが全く見えないバラバラな活動でも、どこかのタイミングでつながって、一定の道筋が見えてくる」という考えです。

スティーブ・ジョブズの有名なスピーチに出てくる「Connecting The Dots.」や「セレンディピティ」という概念がベースになっています。

「Connecting The Dots.」や「セレンディピティ」って聞いたことがないよという方は下記のリンクをご覧ください。

ここで、大事なことは「最初からどの点とどの点がつながるのかは予想ができない」ということと「偶然性が高い」ということです。

どのタイミングで、どのように結合するのかは「点をおいた段階ではわかりません」それは、「選択と集中」とは異なる考え方です。

「選択と集中」は「ムダを省く」ために、「選択」しますが、「分散と結合」は何がムダなのかは行動する時点ではわかりません。さらにいうと、活動を「分散」させる時点で、かなりムダな行動のように見えます。

偉大な発見や発明は「偶然から生まれる」ことも多い

偉大な発見や発明は「偶然から生まれること」も多いと言われます。

有名なところでいうと、ニュートンのリンゴ、ペニシリン、電子レンジ、ポストイット、マジックテープ、バイアグラ・・・などがあります。

ただ、これらは全くの偶然で発明・発見した人に何の功績もないのか?というと、もちろん違います。

「想定外のことが起きた」ことによって、これまでのやり方ではアプローチできなかった画期的なやり方を見つけたということを「偶然見つけた」と表現しているだけで、なにかしらのチャレンジをしていない人に、想定外のことが起きても何にもつながらないと思います。

実験的思考をもっていたからこそ、偶然を生かせたんだと思います。

VUCAの時代だからこそ、「成果につながるかどうかはさておき、いろいろなチャレンジをやった方が良い」と思います。あとで思わぬ結果につながることがあります。

じゃあ、「選択と集中」は役に立たないのか?

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つらつらと書いていましたが、僕はそれでも「選択と集中」は時代遅れで役に立たないとは思いません。ただ、適用場面が違う場合もあるということをお伝えしたいのです。

「分散と結合」で「点と点がつながった」あとは、むしろ「選択と集中」すべきです。つながった点(線)が「面」になるように、形を作っていく必要があります。

「分散と結合」だけをやっていると、なんとなくいろんな線ができますが、何かを示す形にならないと、世の中に価値提供できるものにはなりません。

大事なことは「使い分け」と「順番」です。「答えがわからない場合」や「常識の枠を超えた動き」が求められる場合は、先に「分散と結合」が必要です。

先が読めない時代だからこそ、「結果が出るかどうか」を別にして、「好きなことややりたいこと」に取り組み「点」を作る。自分の固定観念を超えたところにも「点」を作る。なるべく点を分散させる。

点と点が結合した時に、「予想もしなかったチャンス」がやってきます。

僕にとってはnoteも「分散」行動の一つです。自分では思いつかないような考え、自分では見ることができないような視点をもった人たちと触れ合えるので。

では、また!




発信力を鍛えていきたいと思っています。いただいたサポートは本などのインプットに活用したいです。