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【都議に聞く】Vol.1 森村たかゆきさん 党代表は、メンバーの力を最大化するお世話係


取材日:2023/2/4


🗒今回ご紹介する森村たかゆきさんとは・・・
1973年生まれの49歳。青梅市にて妻(48)長男(6)長女(3)との4人暮らし。東京大学卒業後は商社や金融機関に勤務後、保険見直し本舗の取締役として経営手腕を発揮。2017年東京都議選挙(青梅市選出)に初当選、現在2期目。2022年11月より都民ファーストの会代表。


田舎暮らしのパパ都議、毎日新宿に通う

〜保育園まで30分、通勤時間90分の働くパパ〜

コマダ🌱 はじめまして!いきなりですが私…実は、都政や都議会議員のお仕事について全く無知なのです。今日は森村さんから伺うお話を通して、まずは都民として議員さんや政治について興味を持てるようになりたいと思っています。まずは政界挑戦のきっかけと、子育てしながら働く都民として身近に感じられるエピソードをお聞きしたいです。

森村🎤 よろしくお願いします!私自身、もともと政治には縁がなかったのですが、困っている人を助けたい気持ちが強く、これまでボランティアで、奨学金基金の運営や児童養護施設への支援、災害復興支援をしてきました。活動を続けるうちに、政治や行政でなければできないことも多く、ボランティアでは限界があってできなかったことをやってみたいと思うようになりました。

のどかな環境でたくましく育つお子さんたちが政界進出のきっかけに

森村🎤 でも、自分の子どもが生まれるまでは政治の世界に行こうとは思っていなかったんですよ。我が子をたくましく育てたくて自然豊かな青梅市へ引っ越してきましたが、不安定な社会情勢の中、子どもの未来やこれからの社会に対して、親として静観できないなと思うようになりました。

コマダ🌱 お子さまが政界に挑戦される決め手になったのですね。小さなお子さまがお二人いらっしゃる森村さんの普段のスケジュールはどんな感じなのでしょうか?

森村🎤 実は保育園が山の麓にあって、片道30分かかるんですよ。私が送れるときは送りますが、帰りは妻に迎えにいってもらうことが多いですね。そして、平日は毎日、西新宿にある都議会まで通っています。電車が遅れることも多くて、90分かかるところ、余裕をもって2時間前には出るようにしていますね。




最多ハシゴ記録は1日16盆踊り
〜東京都議会議員として〜

コマダ🌱 朝、保育園に送り出して通勤するだけで、大変ですね。2017年の当選直後は、働く環境がかなり変わったのではないかと思いますが、いかがでしたか?

森村🎤 戸惑うことがいろいろありました。驚いたのは、都議会にはWi-Fiがなく、ノートパソコンがチェーンで固定されていて持ち運べないことでした。資料が全て紙で配られるので、デスクが紙の山になりました。「古い議会を、新しく」という、都民ファーストの会の公約実現の前に、まずは職務環境から変えなければならず、急いでデジタル化を進めました。


Wi-Fiを飛ばすことから始まった東京都議会の議員控室

コマダ🌱 初仕事が職場環境の改善からとは意外でした!都議会でWi-Fiが使えないのも、大量の紙にも、かなり驚きました。2019年からはコロナ禍にも突入しましたし、想定外のことばかりですね。

森村🎤 現在は、Wi-fiが設置され、データで資料が共有されることも増えました。その他には、議員公用車を減らしたり、本会議や委員会をインターネット中継するなど情報公開も進めてきました。でも、まだ非合理と思える慣習が残っており、改革を進めています。コロナ禍前は毎日のように会食やイベントに参加していたのですが、ずいぶん減りました。ここ数年は、コロナ対策に追われる日々でしたが、やっと落ち着いてきたので、本来やりたかったことに注力できます。

コマダ🌱 私もようやく対面のイベントや旅行も以前のように戻ってきたなと感じています。ちなみに都議としての従来の活動というと、たくさんの人と会うイメージがありますが、実際どの程度なのでしょうか。

森村🎤 名刺は2か月半で1,000枚なくなりました。名刺入れは普段から3つ持ち歩いています。1日で15件くらいの打ち合わせなどが入ります。盆踊りなど、お祭りに呼んでもらえることも多く、多い日は1日で会場を16箇所まわったことも。失敗談ですが、お酒が入ることもあり、ペース配分を間違えて酔いが回ってしまったことも(笑)。実は、こういう場だと地域の方が、構えずに大切な話を聞かせてくださることが多く、貴重な情報収集の機会になっているんですよ。

最多記録は1日で16盆踊り・・・🏮

多彩な専門家・子育て中・女性多い「ベンチャー政党」

〜都民ファーストの会の代表として〜


コマダ🌱 本当にお疲れ様です・・・。心身ともに健康で、気力と体力があっても、簡単にできることではないですね。ところで森村さんが所属されている「都民ファーストの会」はどのような政党なのでしょうか?他の政党と違った特徴や強みを教えてください。

森村🎤 「子育て中の議員が多い」「女性議員が多い」「多彩な民間出身者が多い」といったところでしょうか。経営者、弁護士、会計士、研究職、メディア関係者など、多様な人材が集まり、個性豊かです。子育てや女性関連政策に強く、「日本初」となった政策も沢山あるんですよ。

ただ都民ファーストの会には、国会議員がいないため、課題もあるんです。国会議員がいる政党には総務省の「政党助成制度」によって、政治資金が潤沢に支給されます。都議会議員にも一人あたり年間数千万円の予算が割り振られるのです。その資金があれば政策を練り上げるための研究や調査、私たちの政策を知ってもらうための広報などがしやすいはずなのですが、我々はそれを本当に議員ひとりひとりが手弁当でやっているんです。

コマダ🌱 え!政治資金って、全員が潤沢にもらって使っているものだと思い込んでいました。政党に国会議員がいるかどうかでそんなに違うのですね。知りませんでした…。

森村🎤 議員はお金をたくさんもらっているイメージがあるでしょうが、実は活動には経費がかかります。交通費も出ないため、私の場合、いただいた報酬はすべて活動に使っていて、生活費は貯金を崩しながらあてています。都知事と密接な政党ですが、報酬などで優遇されるということもないんですよ。

コマダ🌱 …まさに無知で、誤解していました!生活を賭けてでも東京都を良くしたいという強い覚悟でお仕事されているんですね。「都民ファーストの会」で、森村さんは2022年11月から代表に就任されたとのことです。民間時代は経営者だったとのことで、手腕に期待されているようにも感じますが、今後の展望をお聞かせください。

森村🎤 そうですね。都民ファーストの会、最大の経営資源は「人」です。さきほどお伝えしたとおり、多様で多才なメンバーの能力をどのように活かしていくのか、また、今後も志ある優秀な仲間をどれだけ集められるかが役割だと思います。そうすると、どんどん良い政策を生み出せる組織になるはずです。


民間出身・子育て中の議員が多いベンチャー政党

森村🎤 さらに、メンバーを育てることも大切です。昨年、代表に就任して、すぐに行ったのが新役員の選任でしたが、政治経験の浅い若いメンバーをどんどん抜擢しました。ベテランメンバーには若い人たちを支えてもらう体制です。これはベンチャー政党ならではの布陣ではないかと。政策実現では昨年末に、小池都知事に令和5年度の予算要望を提出し、10点の重点要望を挙げました。ほとんどが実現につながりましたが、目玉政策が、子どもひとりあたり5,000円を給付する所得制限なしの新制度です。都政が国を動かした事例になったのではないでしょうか。



🗒さいごに

子育ての傍ら、日々限られた時間の中で「東京都をより良くしなければ」と文字通り身を削って奮闘される森村さん。都民の代表として取り組まれている東京都議会議員としてのお仕事や生活スタイルからは、身近に感じられる部分と、私とはかけ離れた強い思いを感じる部分が。一般都民の私ですが、政治との関わりが選挙と納税だけだなんて、勿体無いと感じてしまいました。地域の小さな情報収集やご近所さんとの意見交換など、自分の生活から自然に触れられる「政治」を探していこうと思えました!森村さん、どうもありがとうございました。

インタビューには広報本部長の龍円あいり議員も参加され、和やかな雰囲気で終了しました


次回、政調会長の後藤なみさんにインタビュー予定です。今回最後にご紹介いただいた「令和5年度予算要望における重点要望」の詳細や人物像など、どのような一面が見られるのか楽しみですね。どうぞお楽しみに。



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WRITTEN BY  駒田みさき
NPO法人tannely 所属ライター
渋谷区恵比寿在住。夫、5歳長女、1歳長男を育てながら、恵比寿エリアでお困りごと相談窓口「ふくみみ」の相談員として活動中。新卒より金融機関本社、大手デベロッパーなど10年間会社員を経験し、現在フリーランスとして複数の事業に従事。