ドットコムバブル崩壊は何をみたら予見可能だったのか?
前回の記事では、リーマンショック当時の状況について、SP500が金利・決算などどう言った要素が発端で下落しているかについて話しました。
今回はドットコムバブルの状況について振り返ってみます。
まず、当時の金利とSP500についてみてみます。
株価上昇とともに、金利が上昇していますが、金利が横ばいになってから株式の下落がはじまっていますので、金利だけをSP500の下落タイミングを図るのは難しいです。
では、リーマンショックの時のように、特定の企業決算が悪化しているのかどうかをみてみようと思います。
ドットコムバブル時に時価総額が高かったIT企業は、マイクロソフト(MSFT)とシスコシステムズ(CSCO)あたりでしょうか、そちらの決算内容をみてみます。
以下は、ドットコムバブル時から崩壊までのCSCOのNET INCOMEです。
2001年4月決算時点で明らかに悪くなっているのはわかりますが、この時点でSP500はだいぶ下がっており、底値まではいっていませんが、タイミングとしては遅いかなと思います。この下がるまでの部分の決算だけに絞ってみてみましょう。
99年中はNET INCOMEが増加傾向でしたが、それが2000年の1月下旬決算だと、成長が止まっているのがわかります。
ちなみに1999年10月30日決算でのNet Incomeは前年同期比46.4%増でした。
2000年1月29日決算では34.7%
2000年4月29日決算ではマイナスになっています。
ここでCSCOの株価をみてみましょう。
決算の内容を踏まえると、NET INCOMEの成長が止まった1月の決算、もしくは成長率が前年同期比でマイナスになったところで売り抜ければ、大体ピークに近いところで売り抜けることができたようです。
では、SP500全体で見渡すとどうでしょうか。
こちらも、大体同様の時期が価格のピークだったようです。
ちなみにMSFTもほぼ同様のタイミングがピークのようでした。
いまでこそ、時価総額世界トップ3に上り詰めておりますが、
このドットコムバブル崩壊前の価格=30ドル強あたりまで価格が戻ってくるのに、
実に14年ほどかかったとわかるのが以下のグラフです。
CSCOに至っては、まだ戻っておりません。
その点、一度「旬」となった銘柄(ひいては業種)が再び元に戻ってくるのに、いやそもそも、もう2度と戻ってこないリスクがある
まさに、企業が2020・2021で「旬」となっていた銘柄(業種)はそういったリスクを抱えていたのだと思います。
GAFAMや
テスラ(TSLA)
エヌヴィディア(NVDA)
あたりは2021年の終盤あるいは2022年はじめあたりから下落を続け、実際株価は戻ってきていません。
そしてそれはGAFAMあたりの2022年1月あたりの決算を見たらわかったところであり、
指数に関しても同様です。
2022年からの下落については金利上昇の方針の部分、決算の部分両面でもある程度見通しをつけることができたかと思います。
小型株などをやるにしても、そういった「大局」に巻き込まれる性質があるところにも注意する必要があるのかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?